いろいろな保険会社が自動車保険を提供していますが、どれも似たようなものなのでしょうか?
かつて自動車保険は、補償内容・保険料ともに業界共通の商品でした。どの保険会社で入っても同じで、商品の競争もありませんでした。その時代、自動車保険は似たようなものどころか、ほんとうに「どれも同じ」だったのです。
それも“今は昔”。保険業界に自由化の波が押し寄せ、自動車保険にも自由競争の時代がやってきました。ほんの20年ほど前のことですが、それ以降、それぞれの保険会社が独自に開発した異なる自動車保険が、次々に提供されるようになったのです。
自動車保険の構成について教えて
ファイナンシャルプランナー清水さんが解説
まずは保険料。現在の自動車保険は、運転者やクルマなどのリスク度合いを反映して保険料が決まる仕組みです。ただし、リスクをはかる“モノサシ”は保険会社によって異なります。そのため同様の条件で試算しても、保険料には保険会社による違いが出るのです。
加入窓口でも違いが生じます。代理店型で加入する場合は、対面で説明を受けて保険の契約をします。一方、ダイレクトで加入する場合は、インターネット等を通じ、自分の必要な時に情報収集や契約等の手続きをすることになります。代理店を介さず保険会社と直接契約するしくみが保険料にも反映され、違いが出るのです。
次に、補償や付加する特約。こちらは保険会社独自のものが提供されるようになり、さらに受けられるサービスにも違いがでています。たとえば、ロードアシスタンスサービスの範囲や事故の初期対応の内容は、保険会社で異なります。
保険期間もいろいろ。自動車保険は1年が主流ですが、今では3年と長めのものや、1日だけ入れる自動車保険もあります。
“自動車保険はどれも同じ”という時代は終わり、自身のライフスタイルに合わせて、納得できる自動車保険を追求できる時代になったのです。
変わっていない点もあります。どの自動車保険も、自賠責保険の上乗せ保険であること、そして「他人のための保険」と「自身のための保険」で構成されていること。どの自動車保険でも、最低限必要とされる機能を満たすことはできます。商品の違いがあっても、その点は心配いりません。
- 清水 香
- ㈱生活設計塾クルー取締役、FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表。1968年東京生まれ。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。一般生活者向けの相談業務のほか、執筆、企業・自治体・生活協同組合等での講演活動なども幅広く展開、TV出演も多数。近著に「あなたにとって「本当に必要な保険」(講談社)」、「どんな災害でもお金とくらしを守る(小学館クリエイティブ)」がある。
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