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SUVとは?種類別の特徴と選び方について

更新

2022/10/19

公開

2020/08/19

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SUVは、現在もっとも売れている車の1つに位置づけられています。なぜSUVはこれほどまでに人気を集めるのでしょう。ここでは、その理由に迫るとともに、SUVの特徴と選び方について解説します。SUVの定義やボディサイズ別の特徴、RVとの違いについても触れていきます。

目次

    1.SUVとは

    SUVとは、Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の略称で、日本語に訳すと「スポーツ用途の多目的車」となります。

    大きなタイヤでボディの最低地上高が持ち上がっているのが特徴です。座面が高いため見晴らしが良く、荒れた路面でもラクに走行可能です。また、乗車部分と荷物入れが一体化したハッチバックスタイルの車内は広く自由に使えます。

    レジャー用品から日用品まで大型の荷物でも積み込みやすく、車内のスペースを最大限活用できるのもSUVの魅力です。

    SUVが誕生したのは1960年代で、アメリカ人がピックアップトラックの荷台に屋根をつけたのが始まりとされます。以降、主にオフロード向けの車をまとめてSUVと呼ぶようになりました。車体のバリエーションは豊富で、SUVと言っても、決まったデザインや形式があるわけではありません。

    日本では、輸出用のピックアップトラックから開発が始まり、1980年代にはオフロード向けの車が登場し、SUVへの注目が一気に高まりました。しかし、大きすぎるサイズや燃費の悪さなどから本格的なヒットとはなりませんでしたが、1990年代になって燃費の良い日常使いに適した車やファッション性の高いモデルが登場し、広くファンを獲得してゆきました。

    その後、国内の道路事情やエコカー需要の高まりに合わせて、日本ではコンパクトかつ低燃費なSUVの開発が進みました。今では「オフロード用途」に限らず、街乗りにもアウトドアにも対応する、さまざまなSUVが街を走っています。

    2.SUVの種類ごとの特徴

    ひと口にSUVといっても、そのタイプはボディサイズや用途によっていくつかの種類に分けることができます。ここではSUVの種類を解説していきます。

    コンパクトSUV

    おおよそ全長4.4m以下に収まるSUVは、コンパクトSUVと呼ばれます。市街地での乗り回しに優れているのが特徴であり、高い車高による見晴らしのよい運転視界は安全性にも貢献します。

    ミドルサイズSUV(ミドルSUV)

    おおよそ5.0m以下のSUVはミドルサイズSUVに該当します。乗り心地と悪路走破性を両立し、オンロードとオフロード両方を走行できる性能を与えられた車が多い特徴があります。また、3列目シートが備わるモデルも存在し、多人数の移動にも対応できます。SUVのなかでも、特に万能性が高いサイズです。車種が最も多いのもミドルサイズSUVの特徴です。

    フルサイズSUV

    おおよそ5.0m以上のボディサイズのSUVが、フルサイズSUVと呼ばれます。高いエンジン出力と駆動性能で、優れた悪路走破性を備えながら、ミニバンのように快適な室内空間と上質な内装を備えています。ただし、その大柄なボディにより日本のような狭い市街地で乗るにはあまり向きません。

    軽SUV(軽自動車)

    軽SUVとは、SUVの特性が備わった軽自動車のことです。軽自動車の最低地上高を高めただけでなく、不整地走行に適した大径タイヤや、ブレーキ自動制御を応用して悪路走破性を向上させる機能、またアウトドアユースに適した防水・防汚性に優れた内装を備えた車種もあります。

    クロスカントリー車

    悪路走破性能に特化した車はクロスカントリー車に分類されます。岩場や沼地など、道とは呼べないオフロードを走行できる強固なボディと駆動性能を備えた車であり、オフローダーとも呼ばれます。内装は、ドライバーの平衡感覚を邪魔しないように水平基調および簡素なデザインが一般的である一方、高級車として豪華な内装や3列目シートを備えた車種もあります。

    クロスオーバーSUV

    クロスオーバーSUVとは、SUVと他のボディタイプの車をかけ合わせてつくられた車全般を指します。現在人気のSUVは、そのほとんどがクロスカントリー車と乗用車を融合させたクロスオーバーSUVだといえます。そのなかでも特徴的なのは、クーペと融合させたクーペSUVや、ワゴンと融合させたワゴンSUVなど。SUVの機能やデザインを特殊用途に特化させた個性的な車種です。

    3.SUVのメリットとデメリット

    多彩な進化を遂げたSUVですが、共通するメリットとデメリットとしては、主に次のようなものがあります。

    メリット

    SUVのメリットの1つが、走破性の高さです。最低地上高が一般的な車より高く、馬力もあるため、凹凸のある山道や雪道などの悪路を走っても、立ち往生しにくくなっています。

    ボディ下部と路面の接触が少なく、衝撃を吸収しやすいのも魅力です。そして何より、舗装されていない道での走行も可能とする機能と大きなボディに、ステータスを感じる方も多いでしょう。

    アウトドア仕様に開発されてきたSUVには、積載力に優れたモデルがたくさんあります。キャンプやサーフィン、釣りなどのアウトドアに必要なアイテムの積み下ろしも、ストレスなく行えます。用途に応じてシートアレンジを自由に変えられるモデルを選べば、利便性はさらに広がります。

    さらに、SUVは最低地上高とともに座面も高くなっているため、ドライビングポジションも自然と上がります。そのため視界が広がり、歩行者や障害物といった周囲の様子を確認しやすいでしょう。

    デメリット

    SUVのメリットは、そのままデメリットと表裏一体になっているといえます。

    ボディが大きく車高の高いSUVは、立体駐車場の高さや幅の制約に引っかかり、停められない可能性があります。日本は道幅が極端に狭いなど、大型車には適していない場所が多いため、街中ではSUVの取り回しづらさを感じる機会に遭遇することもあるでしょう。

    また、SUVは重量があるため、ブレーキをかける際、意図したところに停止するのが軽量車両よりも難しいというデメリットがあります。万一、交通事故を起こしたとき、事故の相手などに深刻なダメージを生じやすいリスクも考えられます。

    さらに、最近はSUVの燃費性能向上も見られますが、重量のあるSUVは基本的に燃費が悪く、ランニングコストもかかります。また、特徴でもある大きなタイヤは、交換時に大きな出費になってしまいます。

    ランニングコストで忘れてならないのが任意保険です。保険料を少しでも抑えて自動車保険に加入したいとお考えの方には、ダイレクト型の自動車保険がおすすめです。ダイレクト型は、お客さま自身で保険会社や補償内容を決めて自動車保険を契約します。代理店への手数料が不要な分、保険料が割安です。

    4.SUV車の選び方

    SUVブームで多数のモデルが販売されるようになり、自動車メーカー各社は他社との差別化を図るために、独創的な機能やデザインのSUVを送り出しています。そのため、ユーザーの使い方にベストマッチする車が選びやすいのもSUVの特徴です。
    それでは、数あるモデルのなかから、ご自身にマッチするSUVの選び方をお伝えします。

    乗車人数で選ぶ

    車内が広くデザインされているSUVは、荷物だけではなく、大人数を乗せられます。家族や友人など、車で出かけるときの人数を想定したとき、6人以上で乗る機会が多いのであれば、3列目シートを備えたSUVを選ぶと良いでしょう。

    アウトドアレジャーや車中泊で使うのであれば、高い走破性を備えながら荷室を広く使える5人乗りのミドルSUVが便利です。運転者本人のみや夫婦で使う場合には、コンパクトSUVや軽SUVが扱いやすいでしょう。

    用途で選ぶ

    SUVを使う用途はアウトドアや買い物など、利用者によりさまざまです。SUVはモデルごとにサイズや特徴が異なるため、用途に合ったものを選ぶことが大切です。

    日常的に車に乗るのなら、まず周辺の道路事情を考えましょう。細い道や立体駐車場が多いようなら、コンパクトSUVなど車体が小さめのものが適しています。ファミリーでたびたびキャンプに出かけるようなら、荷台部分をたっぷり確保できるミドルサイズ以上の車内空間のキャパシティが求められます。

    それほど頻繁に車には乗らないものの、SUVのデザインに惹かれて購入するという方も多いでしょう。その場合、普通車よりも高くなりがちなランニングコストを抑えるために、ハイブリッドなどの低燃費タイプを選ぶのがおすすめです。

    予算で選ぶ

    SUVに限らず、どんな車を購入するときにも、予算は重要な要素です。SUVは車両価格がやや高く、ランニングコストもかかりやすいので、所有後も見据えて予算を考慮しなければなりません。

    車体価格を抑えたいなら、コンパクトSUVや軽SUVなど、車体の大きくないものを選びましょう。また、最近は、ハイブリッドタイプやディーゼル・エンジンを搭載するSUVも登場しています。車両価格は少し高くなりますが、所有中のランニングコストを下げられる効果が期待されます。

    SUVは人気が高いため、中古車市場でも多く目にすることができます。新車での購入が予算オーバーになるようなら、中古車も視野に入れると良いでしょう。

    5.アウトドアにも街乗りにも!目的や用途に合ったSUVを選ぼう

    もともとはスポーツ用途としての利用から始まったSUVの歴史ですが、今では本格的なオフロードタイプから街中での運転に適した小型車まで、さまざまな種類がラインナップされています。

    車の買い替えを検討中なら、ご自身のカーライフにぴったりのSUVを候補に加えてみてはいかがでしょうか。

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    鈴木 健一
    監修
    鈴木 健一(すずき けんいち)

    1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するのを目標とする。

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