現在最も売れている車のタイプのひとつとされている「SUV」ですが、それゆえに車種も多く「どれを選んだらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、SUVの人気の理由に迫るとともに、自分に合ったSUVを選ぶためのポイントを解説します。
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1. SUVとはどんな車?意味や基本的な特徴
SUVとは、スポーツやレジャーなど幅広い用途に対応できることをコンセプトにした多目的車の総称です。正式名称はSport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)といい、日本語に訳すと「スポーツ用途の多目的車」となります。
SUVの主な特徴としては、一般的な乗用車と比較してタイヤが大きく、ボディが地上から高い位置にあることが挙げられます。その分障害物を乗り越えやすいだけでなく、座面が高いため運転席からの見晴らしもよく、セダンやクーペなどよりも荒れた路面や山道をスムーズに走行することが可能です。
また、ボディは乗車空間と荷室が一体化した2ボックスタイプとなっており、車体後部の広い空間に多くの荷物を積載できます。日用品はもちろんのこと、レジャー用品などの大型の荷物積み込みやすく、車内のスペースを最大限に活用できるのもSUVの魅力です。
SUVの歴史と人気の理由
SUVの起源には諸説ありますが、一説には1960年代のアメリカでピックアップトラックの荷台に屋根や窓(シェル)を取りつけたものが始まりといわれています。以降、主にオフロード向けの車をまとめてSUVと呼ぶようになりました。とはいえ、車体のバリエーションは豊富であり、現在のSUVには決まった規格や形式はありません。
日本では、本格四輪駆動車が1980年代に普及し、1990年代のRVブームによって人気が広がりました。当時は四駆や4WD、RV(レクリエーショナル・ビークル)などと呼ばれており、スキーなどのレジャーブームも相まって大ヒットを記録しています。さらに1990年代になると、乗用車をベースとしており燃費性能やファッション性も高い、日常使いに適した「クロスオーバーSUV」が登場してさらに広くファンを獲得していきました。
その後、国内の道路事情やエコカー需要の高まりに合わせて、日本ではコンパクトかつ低燃費なSUVの開発が進められてきました。特に昨今ではアウトドアだけでなく街乗りにも対応した車種が多く、SUVは「幅広い用途・場面で使える車」として人気を集めています。
2. SUVにはどんな種類がある?
ひと口にSUVといっても、そのタイプはボディサイズや用途に応じていくつかの種類に分けることができます。ここからは、SUVの種類やそれぞれの特徴を解説していきます。
コンパクトSUV
コンパクトSUVとは、ボディの全長がおおよそ4.4m以下の小さめのSUVです。普段使いに適したカテゴリとして近年人気が高く、主に市街地での乗り回しに優れている傾向にあります。
小回りの利くサイズに加え、高めの車高による見晴らしのよさは運転のしやすさや安全性にもつながっています。初めてSUVに乗る人にもぴったりなカテゴリといえるでしょう。
ミドルサイズSUV(ミドルSUV)
全長がおおよそ5.0m以下の車種は、SUVのなかでもミドルサイズSUVに該当します。乗り心地と悪路走破性を両立し、オンロードとオフロードの両方を走行できる性能の車が多いカテゴリです。
また、ミドルサイズSUVは全SUV中で最も車種のバリエーションが幅広いとされています。たとえば、3列目シートが備わっているモデルは多人数での乗車にも対応しています。
フルサイズSUV
おおよそ5.0m以上のボディサイズを誇る大型のSUVは、フルサイズSUVと呼ばれます。高いエンジン出力と駆動性能により悪路もスムーズに走行できる、優れた走破性が強みです。
加えて、フルサイズSUVの多くはミニバンのように快適な室内空間と上質な内装を備えています。ただし、その大柄なボディゆえ、日本のような道幅の狭い市街地での運転にはあまり向きません。
軽SUV(軽自動車)
軽SUVとは、SUVの特性が備わった軽自動車のことです。具体的には、一般的な軽自動車と比べて車高が高く、不整地走行に適した大径タイヤの採用によって悪路走破性が向上している車種などが該当します。
他には、防水・防汚性に優れた内装を備えたアウトドアユースに便利な車種もあります。とはいえ、軽自動車は排気量が660cc以下に定められているため、普通車のSUVと比較すると走破性や積載量で劣る点は否めません。
クロスカントリー車
SUVを用途で分類した場合、悪路走破性能に特化したSUVはクロスカントリー車というカテゴリに分類されます。岩場や沼地など、道とは呼べないようなオフロードを走行できる強固なボディと駆動性能を備えた車であり、クロカンやオフローダーとも呼ばれます。
その分、内装はドライバーの平衡感覚を邪魔しない水平基調および簡素なデザインが一般的ですが、なかには高級車として豪華な内装や3列目シートを備えた車種もあります。
クロスオーバーSUV
クロスオーバーSUVとは、SUVと他のボディタイプの強みをかけ合わせてつくられた車全般を指す分類です。比較的新しいカテゴリではありますが、現在人気のSUVはそのほとんどがクロスカントリー車と乗用車を融合させたクロスオーバーSUVであるといえます。
そのなかでも代表的な例としては、クーペの特徴を持つクーペSUVや、ワゴンのような使い方ができるワゴンSUVなどが挙げられます。いずれもSUVの機能やデザインを備えつつ、特殊な用途に特化させた個性的な車種となっています。
3. SUVのメリットとデメリット

ここまで紹介してきたように多彩な種類が存在するSUVですが、それらの多くは共通するメリットとデメリットを抱えています。購入を検討する際には、その両方を把握しておくことが大切です。
SUVのメリット
悪路走破性の高さがメリットとして挙げられることの多いSUVですが、車高が一般的な車より高いことはボディ下部と路面の接触を減らし、走行中の衝撃の吸収にも効果を発揮します。ボディ自体も大きいモデルが多いため、基本的にオンロード・オフロードを問わず安定した走行が可能です。
また、SUVは車高とともに座面も高めに設計されているため、運転者の位置(ドライビングポジション)も自然と高くなります。そのため視界を広くとることができ、運転中に歩行者や障害物といった周囲の様子を確認しやすい点も大きな利点です。
一方で、アウトドアでの使用を想定して開発されてきたSUVには、積載力に優れたモデルもたくさんあります。キャンプやサーフィン、釣りといったアウトドアに必要なアイテムのなかには大きいものも多いですが、2ボックスタイプの車であるSUVなら積み下ろしもストレスなく行えます。用途に応じてシートアレンジを自由に変えられるモデルを選べば、利便性はさらに広がるでしょう。
その他、近年SUVはその人気の高さから中古車市場では高値で取引されています。こうしたリセールバリュー(車を売却する際の価値)の高さもひとつのメリットといえます。
SUVのデメリット
SUVのメリットは、そのままデメリットと表裏一体であるといえます。たとえば、ボディが大きく車高の高いSUVは、立体駐車場などの高さや幅の制約がある場所に引っかかってしまう可能性があります。日本は道幅が狭く大型車には適さない場所が多いため、街中では取り回しづらさを感じることもあるでしょう。
加えて、SUVは重量があるため慣性が強く働き、狙った場所に停止するのが軽量車両より難しい点もデメリットといえます。車体が重くパワーがあることは、万が一交通事故を起こした際に事故の相手などに深刻なダメージを生じるリスクが大きいということでもあります。
さらに、最近は技術の進歩で多少改善が見られるものの、走破性に特化したフルサイズSUVや高出力モデルはランニングコストが高くなる傾向があります。特に、特徴でもある大きなタイヤは一般的なタイヤよりも高額であり、交換時には大きな出費になってしまいます。
4. 【ライフスタイル別】失敗しないSUVの選び方5つのポイント
SUVブームとされる昨今、自動車メーカー各社は他社との差別化を図るために、独創的な機能やデザインを備えた多彩なSUVを送り出しています。
その分、選択肢は非常に多いといえますが、実際に購入する際には仕様をきちんと把握し、用途や使用する環境にマッチした車を選ぶことが大切です。自分自身のライフスタイルと照らし合わせ、以下の5つのポイントを基準に選ぶとよいでしょう。
サイズで選ぶ
SUVは一般的な乗用車と比較してボディのサイズが大きく車高が高めであるため、駐車場によってはスペースの外にはみ出したり、周囲とぶつかったりしてしまう恐れがあります。
購入後に駐車できないといったことにならないよう、駐車しておく予定のスペースの広さをあらかじめ計測し、購入したい車のサイズと照らし合わせて車体が収まることを確認しておきましょう。
乗車人数で選ぶ
車内が広くデザインされているSUVは、荷物だけでなく乗員も多く乗せられます。家族や友人などと車で出かけるときの人数を想定した場合に、6人以上で乗る機会が多いようであれば、3列目シートを備えたSUVを選ぶとよいでしょう。
一方、アウトドアレジャーや車中泊で使うのであれば、高い走破性を備えながら荷室を広く使える5人乗りのミドルSUVが便利です。運転者本人のみや夫婦など少人数でしか乗らない場合には、コンパクトSUVや軽SUVも選択肢に入ります。
用途で選ぶ
SUVを使う用途はアウトドアや買い物など、ドライバーによりさまざまです。「購入後にどんな用途に使用するか」という観点も、車種を選ぶうえでの重要なポイントとなります。
たとえば、仕事や買い物、送り迎えなどで日常的に使いたい場合には、まず普段通る周辺の道路事情を考えましょう。もし細い道や立体駐車場を利用することが多いようなら、車体が小さめで小回りが利くコンパクトSUVや軽SUVが適しています。
逆に、キャンプやアウトドアに出かける機会が多い場合には、荷台部分をたっぷり確保できるミドルサイズ以上のSUVが向いています。そのうえでなるべくコンパクトな車種を選びたいのであれば、車内空間のキャパシティの広さに目を向けてみましょう。
他には、それほど頻繁に車には乗らないものの、SUVのデザインに惹かれて購入するという方もいるでしょう。その場合は、なるべくハイブリッドなどの低燃費タイプの車種を選ぶと高くなりがちなランニングコストを抑えられます。
乗車感覚で選ぶ
SUVの運転感覚は他の車種と若干異なる部分があることから、運転経験が浅かったり他のタイプの車に慣れていたりするドライバーは違和感や運転のしにくさを感じる可能性があります。
ディーラーや販売店では購入前に試乗ができるケースも多いため、実際に運転して車高の高さやブレーキの感覚などを事前に把握しておくと購入後のミスマッチを減らせます。
価格・購入後のコストで選ぶ
SUVに限らず、どんな車を購入する場合でも予算は重要な要素です。SUVは車両価格がやや高く、排気量の大きさなどからランニングコストもかかりやすいので、タイヤの交換やメンテナンスといった購入後の出費も見据えて予算を設定しなければなりません。
特に、車体価格を抑える方法として有効なのが、なるべく車体の小さいコンパクトな車種を選ぶことです。また、SUVは人気が高いため、中古車市場でも多く目にすることができます。比較的新しい車種も販売されているため、購入前に新車と中古車の市場価格を比較してみることをおすすめします。
その他、最近はハイブリッドタイプのSUVや、ディーゼルエンジンを搭載するSUVも登場しています。これらは車両価格こそ少し高めではありますが、一般的なガソリン車のSUVと比較して燃料代が安く済むため、ランニングコストを抑えたい場合に効果的です。
加えて、ランニングコストを考えるうえでは車選びだけでなく保険選びも重要となります。保険料を少しでも抑えて任意の自動車保険に加入したい場合には、ダイレクト型の自動車保険がおすすめです。ダイレクト型は加入者自身で保険会社や補償内容を決めて自動車保険を契約するため、中間コストがカットされて保険料が割安になる傾向があります。
5. アウトドアにも街乗りにも!自分に合ったSUVを選ぼう
もともとはスポーツ用途の車として始まったSUVの歴史ですが、今では本格的なオフロードタイプから街中での運転に適した小型車まで幅広い種類がラインナップされています。そのため、購入にあたってはいかに自らのライフスタイルや用途に合った車種を選ぶかが重要となります。
「普段どんなことに車を使っているのか」「車に何を求めているのか」がはっきりとすれば、自分に合ったSUVの形もおのずと見えてくることでしょう。SUVへの買い替えを検討中の方は、本記事の内容を参考に一度ご自身のカーライフを振り返ってみてはいかがでしょうか。
6. 監修コメント
近年はSUV人気の高まりを背景に、各メーカーからアウトドアライクなモデルが数多くリリースされるようになりました。
しかし、見た目がSUV風であったり、「SUV」がキャッチコピーに掲げられたりしていても、一般的な乗用車より高い走破性を備えているとは限りません。デザイン重視で選ぶのであれば大きな問題はありませんが、悪路走行やアウトドアでの使用を想定するのなら、慎重になる必要があります。悪路で安全に走行するためには、最低地上高や駆動方式、走行支援機能などの性能面にも目を向けながら、用途に合わせて選ぶことが大切です。
