クルマ

フォグランプとは?必要な場面や車検時の注意点を解説

更新

2026/01/19

公開

2026/01/19

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

「フォグランプ」は霧や雨の中を走行する際に便利な設備である一方、使うタイミングを誤るとかえってリスクを生み、取り付け方によっては車検を通らない可能性もあります。当記事ではそんなフォグランプについて、使用すべき場面や必要性、車検を通すためのポイントを解説します。

目次

    1. フォグランプとは?

    フォグランプとは、濃い霧(フォグ)の中をはじめとした視界の悪い環境を自動車で走行する際に、ヘッドライトやテールランプとあわせて使われる補助的なランプです。

    本来、車のヘッドライトには近い距離を照らす「ロービーム」と遠くを照らす「ハイビーム」の二種類の照射モードがあり、暗所を走行する際には主にハイビームが使用されます。しかし、ハイビームは強い光で真っ直ぐに正面を照らすため、悪天候下では水の粒や雪によって乱反射し、自身や対向車のドライバーの目を眩ませてしまう恐れがあります。

    一方、フォグランプは備え付けのヘッドライトやテールランプよりも低い位置に設置され、地面に向けて広い範囲を照らします。そのため、確実にドライバーの視界を確保しつつ、より安全に周囲の車や歩行者へ自らの存在を知らせることができるのです。

    2. フォグランプを使用するタイミング

    フォグランプは特定の環境下では非常に役立つ設備ですが、点灯する場面を誤るとかえってドライバーや周囲を危険にさらしてしまう可能性があります。使用にあたっては正しいタイミングを見極め、適切に使い分けることが大切です。

    フォグランプを使用すべきタイミングとしては、濃霧や豪雨、降雪といった悪天候が原因で視界が悪い場面が挙げられます。ヘッドライトのロービームだけで十分に視界を確保できる場合は必要ありませんが、見えにくく感じるようであれば状況に応じて使用を検討しましょう。

    逆に、天気が良く視界が良好な環境下ではフォグランプは意味がないだけでなく、過剰な明るさでドライバーの目を眩ませる要因になるため点灯は避けた方がよいでしょう。

    また、フォグランプはあくまで補助的なランプのため、法律で定められた灯火設備の代わりにはなりません。フォグランプのみを点灯させて走行することは道路交通法の52条に違反し、5万円以下の罰金が科せられます。使用する際は必ずロービームやポジション灯と併用しましょう。

    3. フォグランプは設置すべき?

    フォグランプは標準装備として最初から搭載している車種も多いですが、市販されている製品を購入して後から取り付けることも可能です。とはいえ、あくまでフォグランプは法律で設置が義務付けられている設備ではないため、不要であれば無理に導入する必要はありません。

    実際に、近年はオートハイビームや配光を制御する先進的なヘッドライトの普及により、フォグランプを搭載していない車も増えつつあります。また、市販のフォグランプは設置の仕方や種類によっては車検に通らない場合もあるため、後付けする際には注意が必要です。

    4. フォグランプの選び方・取り付け方のポイント

    ここからは、市販のフォグランプを後付けする場合に、確実に車検を通過させるための製品の選び方・取り付け方のポイントを解説します。

    フォグランプの明るさ

    車のフロントとリアそれぞれに取り付けるフォグランプのうち、リア用の光度は「300カンデラ以下」に定められていますが、フロント用に関しては光度に明確な上限は設けられていません。

    とはいえ、明るすぎるランプは周囲に危険をもたらし、暗すぎるランプは灯火設備として機能しません。あくまで適度な明るさの製品を選ぶことが重要です。

    フォグランプの色

    フロント用のフォグランプは、白色および黄色に光るものが保安基準に適合します。中でも黄色の光は白色よりも散乱が少なく、効果的に前方を照らすことができます。

    また、リア用のフォグランプの光色は保安基準で赤に定められています。ピンクや青といった、基準にない色で光るランプは車検を通らない可能性が高いです。

    そのほか、たとえ保安基準に適合した色であっても、左右のフォグランプの光色が異なる場合は車検を通りません。必ず同じ色に統一しましょう。

    フォグランプの数・点灯方式

    フォグランプの設置数や点灯方式に関しては、フロント用は車の前方に左右一つずつ、計二つ配置され、それぞれが同時に点灯するのが正しい形とされています。どちらか一方が点灯しない、または明るさに大きな差があるといった場合には車検を通すことは難しいでしょう。

    一方、リア用のフォグランプの設置数は「二個以下」と定められており、一個のみ設置する場合は車の後部中央、または左右のいずれかに一つ配置します。二個設置する場合は左右対称の位置に配置し、左右のフォグランプが均等な明るさで同時に点灯できることが求められます。

    加えて、フォグランプは使い続けると消耗して明るさが低下したり、点灯しなくなったりすることがあります。車検を通過した後も、使用中は定期的に状態を確認し、もし不具合があれば安全のためにも早めに交換を行いましょう。

    フォグランプの位置

    フォグランプを設置する位置は法律で細かく決められており、取り付ける際には注意が必要です。フロント用・リア用それぞれの正しい取り付け位置は以下のとおりです。

    フォグランプの場所 位置 高さ
    フロント用 車両の最外側から400mm以内 地面から250mm~800mm
    リア用 一個設置の場合:車両後部の中央、または左右のいずれか 二個設置の場合:左右対称の位置    地面から250mm~1,200mm

    上記の条件を守るのはもちろんのこと、対向車や歩行者の通行の妨げにならないよう、周囲から見て眩しくない位置に設置することも大切です。

    フォグランプの向き

    フォグランプが照らす光の角度や方向(光軸)も、使用する際の安全性や利便性を左右する要素の一つです。具体的には、フロント用は下向きに地面を照らす角度、リア用は車両の後方を照らす角度で設置されている必要があります。

    逆に、照らす方向や角度が左右でずれていたり、上を向きすぎていたりするような状況は好ましくないため調整を行いましょう。

    5. 監修コメント

    1990年代頃までは、フロント周りに複数のフォグランプや補助灯を取り付けた4WD車を公道でよく見かけました。当時は現在ほど灯火装置に関する基準や運用が細かく整備されておらず、複数のフォグランプを装備していても車検不適合と判断されないケースが多くありました。オフロード走行用としてだけでなく、ドレスアップやカスタムの一環で取り付ける人も多く、一種のスタイルとして定着していました。
    しかし現在は、眩惑や誤認防止の観点から、フロントのフォグランプは左右1個ずつまでとされています。2個を超えるフォグランプに配線が接続され、点灯可能な状態にあれば、装飾目的であっても車検では不適合と判断されるので注意しましょう。

    おとなの自動車保険はこちら

    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター®︎。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。20年以上にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。許認可申請、入管申請取次、遺言書作成サポートなど法務のほか、記事監修や執筆業も多数手掛ける。自動車業務に熟達した行政書士だけが登録を認められる、ナンバープレートの出張封印が可能な「丁種会員」でもある。

    HP https://inokuchi.pro/

    この監修者が監修した記事一覧

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る