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車検期間はいつから?車検の有効期限や確認方法、期限が過ぎた場合の対処法を解説

更新

2024/12/09

公開

2024/12/09

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一般的に、車の所有者には定期的に車検を受けることが義務付けられています。車検が切れたまま公道を走ると罰則が科せられるので、車検の有効期間を把握しておくことが大切です。本記事では、車検の有効期間や確認方法、受けるタイミング、車検が切れた場合の対処法について解説します。

目次

    1.車検の有効期限は?一覧で紹介

    車検の有効期間は、車種や車両区分ごとに決められています。自家用乗用車の車検の有効期間は、新車登録から初回検査までは3年、以降は2年ごとです。また、エンジンの排気量が250ccを超えるバイクも新規登録後は3年、それ以降は2年ごとに検査を受ける必要がありますが、250cc以下の自動二輪車は車検を受ける必要がありません。

    車種ごとの車検の有効期間は、以下の通りです。

    車種 初回 2回目以降
    自家用乗用自動車・自動二輪車 3年 2年

    自家用乗用軽自動車
    3年 2年
    貨物車(車両総重量8t以上) 1年 1年
    貨物車(車両総重量8t未満) 2年 1年
    軽貨物自動車 2年 2年
    大型特殊・特種自動車・キャンピングカー(8ナンバー) 2年 2年
    乗車定員11人以上の自動車(バス) 1年 1年
    幼児専用車(乗車定員10人以下のスクールバス) 1年 1年
    レンタカー 2年 1年

    2.車検期間はいつから?

    満了日の1ヶ月前から受検可能 ※2025年3月まで

    基本的に、車検を受けるタイミングは有効期間の満了日1ヶ月前〜満了日の間です(2024年11月時点)。この1ヶ月の間に車検を受ければ、もとの有効期限から2年後が次回の有効期限となります。
    満了日の1ヶ月より前に車検を受けることもできますが、この場合は、車検を受けた日の2年後が次回の有効期限として設定されます。つまり、早めに受けた分の有効期間が短縮されるので注意しましょう。

    例えば、車検の満了日が2024年11月30日だった場合、満了日1ヶ月前〜満了日の間に受けた場合と、それより前に受けた場合の違いは以下の通りになります。

    車検を通した日 次の車検満了日
    2024年11月5日 2026年11月30日
    →車検期間が短縮されない
    2024年9月30日 2026年9月30日
    →車検期間が短縮される

    なお、車検は指定工場か認証工場で受けられますが、指定工場で車検を受ける場合には、満了日の45日前からでも受検ができます。この場合、車検の有効期間も短縮されません。
    指定工場には特例措置があり、車検後に保安基準適合証と保安基準適合標章を発行できます。これらの書類の有効期間は2週間ですが、この期間内に、指定工場は陸運局に必要書類を提出し、新しい車検証と車検ステッカーを発行してもらわなければなりません。この2週間と1ヶ月を合わせて、45日間という期間が設定されているのです。

    2025年4月からは、受検期間が「2ヶ月前」に変更

    上記では、車検を受けるのは満了日の1ヶ月前からであると説明しました。しかし、法律が改正され、2025年4月からは「車検の満了日の2ヶ月前から受検可能」となります。

    改正の目的は、車検の混雑緩和と自動車整備士の働き方改善の2つです。これまで車検は年度末に集中することが多く、車検の予約が取りづらいことや、自動車整備士の残業・休日出勤の増加が問題となっていました。以下は、国土交通省による資料ですが、3月の車検は約389万台と、他の月だけではなく、月平均車検台数よりもはるかに多いことがわかります。

    car-inspection-period-01.png

    こうした背景を受けて、道路運送車両法施行規則が改正され、満了日の2ヶ月前から車検を受けても、有効期間が短縮されなくなります。受験可能期間が延長されたため、今までより車検のスケジュールが組みやすくなるでしょう。

    car-inspection-period-02.png

    出典
    国土交通省ウェブサイト

    3.車検の有効期間の確認方法

    ①車検シール(ステッカー)

    車検シールは、正式名称を検査標章といい、車のフロントガラスに貼られているシールのことです。車検シールの表面(車外から見える面)に記載されている大きな数字が車検の満了月を、小さな数字が車検の満了年を表しています。裏面(車内から見える面)には「◯年◯月◯日」と、車検満了日の年月日が記載されています。
    このように、表面から確認できるのは車検の満了する「年月」だけです。正式な満了日を知りたい場合には、裏面を確認するようにしましょう。

    ②車検証

    車検証からも車検の満了日を確認することができます。従来の紙の車検証から確認する場合は、車検証の下部にある「有効期間の満了する日」欄を見ます。電子車検証の場合、車検の満了日は、ICタグのみに記載されています。ICタグに格納された情報を見るには、専用の「車検証閲覧アプリ」を使用することになります。
    なお、車検証閲覧アプリが普及するまでは、電子車検証発行時や更新時に「自動車検査証記録事項」も発行されます。自動車検査証記録事項には、ICタグに格納された情報も記載されているので、そこからも車検の満了日を確認できます。

    4.車検の有効期間が過ぎたらどうなる?

    車検切れで公道を走るのは法律違反

    車検の有効期間が切れた状態で公道を走るのは、無車検運行となり、法律違反です。「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」という罰則が科せられ、行政処分としては「違反点数6点」がつき、一発で免許停止になります。
    なお、車検が切れていても、公道を走らなければ罰則は科せられませんが、無車検の車には故障などのリスクが高まります。有効期限が切れたら、すみやかに車検を受け直すようにしましょう。

    自賠責保険も切れていると、さらなる罰則が

    自賠責保険とは、車やバイクに加入が義務付けられている強制保険です。一般的に、自賠責保険は車検と一緒に更新することが多いので、車検切れの場合は、自賠責保険の有効期間も切れている可能性が高いです。自賠責保険が切れた状態で公道を走ると無保険運行にあたり、「1年以下の懲役または50万円以下」、行政処分として「違反点数6点」および「免許停止処分」という罰を受けます。

    5.車検が切れた時の対処法

    車検切れの状態では公道を走れませんが、車検を受けるためには検査場などに車を移動させなければいけません。このように車検切れで公道を走れない場合には、仮ナンバーを取得して検査場まで運転するか、積載車などで検査場まで運んでもらうかの2つの方法があります。

    仮ナンバーを取得する

    車検が切れていても、仮ナンバー(正式名称:自動車臨時運行許可番号標)を取得すれば、申請した通行ルートのみにおいて、一時的に公道を走れるようになります。仮ナンバーを取得するには、運行経路に含まれる市区町村の役所に出向き、窓口で手続きを行います。申請に必要なのは、以下の書類です。

    • 自動車臨時運行許可申請書(当日窓口で入手するか、役所のホームページでダウンロードすることも可能)
    • 自動車を確認できる書類(自動車検査証※・抹消登録証明書・譲渡証明書・通関証明書等)
    • 自動車損害賠償責任保険証明書の原本
    • (個人の場合)本人確認書類
    • (法人の場合)許可を受ける法人の社印
    • 手数料750円

    電子車検証を持っている場合は、「電子車検証」「車検証閲覧アプリの画面」「自動車検査記録事項」の提示が必要

    申請許可が下りると、仮ナンバーと臨時運行許可証が発行されます。仮ナンバーの有効期間は最長5日なので、その間に車検を済ませましょう。また、仮ナンバーは使用期間満了後5日以内に申請をした窓口に返却する必要があります。

    積載車などで運んでもらう

    積載車などで検査場に車を運んでもらうのも一つの方法です。しかし、仮ナンバー取得にかかる手数料に比べると、積載車の輸送費用は高くなる傾向にあります。
    ちなみにレッカー車によるけん引は、車の後輪が公道に接する=公道を走っているとみなされるので車検切れの車を輸送する手段としては利用することができません。

    6.監修コメント

    「仮ナンバー(臨時運行許可)」と似たものに「ディーラーナンバー(回送運行許可)」があります。仮ナンバーは赤い斜線、ディーラーナンバーは赤枠が入っています。
    ディーラーナンバーは、その名の通りディーラーなどの自動車関連事業者が使用できる運行許可制度です。ディーラーナンバーをつけることで、車検切れの自動車が業務に必要な範囲内で公道を運行できるようになるわけです。
    それを混同して、車検切れの自動車を個人売買する際に、仮ナンバーをつければ試乗できると思っている人も多いようです。継続検査を受けるために運行する場合など、仮ナンバーを使用できる範囲は決められているのでご注意ください。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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