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車検は何年ごと?車種別の期間一覧と費用、車検期間の確認方法を解説

更新

2025/09/29

公開

2025/09/29

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公道を走るために定期的に受検することが義務付けられている「車検」。しかし、特に車を新たに購入した方や、別の車種に乗り換えた方は、「車検は何年ごとに受ける必要があるのか、いまいちよく分からない...」という方もいるでしょう。本記事では、車種ごとの車検の有効期間や、次回の車検時期を簡単に確認する方法を解説します。

目次

    1. 車検は何年ごとに受ける?

    車種ごとの車検期間一覧

    車検の有効期間は、自動車の用途等により決められています。以下に、代表的な車種ごとの車検期間を一覧で紹介します。

    車種 初回 2回目以降
    自家用 普通乗用車 3年 2年
    小型乗用車 3年 2年
    軽自動車 3年 2年
    貨物車(車両総重量8t以下) 2年 1年
    貨物車(車両総重量8t以上) 1年 1年
    軽貨物車 2年 2年
    マイクロバス(乗車定員11人以上) 1年 1年
    幼児専用車(乗車定員10人以下のスクールバス) 1年 1年
    運送事業用 旅客事業者(バス、タクシー、ハイヤー) 1年 1年
    レンタカー 普通乗用車 2年 1年
    小型乗用車 2年 1年
    軽自動車 2年 2年


    普通乗用車は「初回3年、以降2年ごと」が基本

    一般的な自家用乗用車の車検期間は、初回登録から3年、その後は2年ごとに受ける必要があります。また、自家用の軽自動車の車検の有効期間も同様で、初回は3年、それ以降は2年ごとです。

    中古車の場合

    中古車は主に、「車検あり」「車検なし」「車検整備付き」といったパターンで販売されており、それぞれ車検の有効期間が異なります。

    「車検あり」または「車検つき」と表記されている車は、すでに有効な車検が残っている状態です。この場合、車検の有効期限を確認することが大切です。購入時点で有効期間が十分に残っていれば、すぐに車検を受ける必要はありません。ただし、有効期限が近い場合は、車検が切れる前に再度車検を受ける必要があります。

    「車検なし」はその名のとおり、車検の有効期限が切れている車のことです。購入後、自分で車検を受ける必要があり、車検を受け直した日からが車検の有効期間になります。

    「車検整備付き」とは、販売店が車検を行ったうえで納車してくれるという意味です。この場合も、車検を新たに受けた日からが車検の有効期間です。

    新車登録から10年経過した車両の場合

    新車登録から10年が経過していても、車検の有効期間は「初回3年、以降は2年ごと」(自家用乗用車の場合)です。
    1995年以前は、初回登録から10年を過ぎた車は車検期間が1年とされていましたが、法改正により見直されました。現在では、新車登録からの年数にかかわらず、車検期間に違いはありません。

    社用車の場合

    自家用乗用車の車検期間は、初回登録から3年、その後は2年ごとであると説明しましたが、これは社用車でも同様です。ただし、事業用として使用している場合や車種によっては、車検期間が異なることがあります。法律で定められた車検期間を正しく確認しておきましょう。

    2. 車検の時期を確認する方法

    車検証

    車検の時期を確認する方法の一つは、車検証です。車検証には、有効期限が記載されているので、次にいつ車検を受ければいいのか把握することができます。
    ただし、2023年1月から電子車検証の交付がスタートしたことにより、車検の有効期限の確認方法も、従来の紙の車検証と、電子車検証とで異なります。

    ・従来の紙の車検証の場合

    従来の紙の車検証では、紙の左下あたりに「有効期限の満了する日」という欄があるので、ここを確認しましょう。

    ・電子車検証の場合

    電子車検証の場合、車検証の有効期限は紙に記載されておらず、ICタグに納められています。そのため、車検証の有効期限を確認するには、閲覧アプリを利用する必要があります。この閲覧アプリ上で、車検証の有効期限を確認できます。

    フロントガラスのステッカー(車検シール)

    車検証の有効期限は、フロントガラスに貼られている車検シールからでも確認することができます。車検シールの表面(車外から見える面)には、有効期間の満了する年月が記載されており、車検シールの裏面(車内から見える面)には、有効期間の満了する年月日が記載されています。

    3. 車検準備のタイミング

    車検は、有効期限の2ヶ月前から受検することができます。
    かつては、車検の有効期間を失うことなく新たな車検証を受けるには、「満了日の1ヶ月前から満了日の間」までに受検する必要がありました。しかし、法改正に伴い、2025年4月からは「満了日の2ヶ月前から満了日の間」へと変更されています。

    特に、年度末は車検を受ける自動車ユーザーが増えるため注意が必要です。余裕を持って、車検の予約と受検を行いましょう。

    4. 車検が切れたらどうなる?

    公道を走れなくなる

    車検が切れた車であっても、私有地内での走行や駐車に限れば、罰則の対象にはなりません。ただし、公道を走行することはできなくなります。
    なお、公道を走るためには新たに車検を受け直す必要がありますが、その場合は仮ナンバーを取得して整備工場まで走行するか、積載車を手配するかになります。

    無車検運行のリスク(罰則・点数・罰金)

    道路運送車両法第58条で、「自動車は、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない」と定められています。

    そのため、もし車検が切れた車で公道を走った場合、罰則の対象になります。無車検運行として、「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」「違反点数6点」「免許停止」といった罰則が科されます。

    参考:道路運送車両法自賠責保険も切れていると更なる罰則

    自賠責保険は、車検とともに更新することが多いので、車検が切れている場合、自賠責保険の補償期限も切れている可能性が高いです。
    無保険で車を運転した場合(無保険運行)の罰則としては、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」「違反点数6点」「免許停止」という処分を受けます。

    さらに、無車検運行と無保険運行が重なった場合、より重い処分の対象となります。
    違反点数については、両違反のうち高い方の違反点数が加算され、刑事罰については、併合罪の対象となるため、「罪が重い方の刑期×1.5」「2つの罰金の合計以下」が科せられます。

    よって、無車検運行と無保険運行の両方の対象になった場合、「1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金」「違反点数6点」「免許停止」という重い罰を受けることになります。

    5. 車検にはどれくらいの費用がかかる?

    車検費用の内訳    

    車検費用は、大きく分けると「法定費用」と「車検基本費用」の2つに分類されます。法定費用は、法的に定められている費用のことで、車検基本費用は車検を業者に依頼した際に発生する手数料のことです。それぞれについて、どのような費用が含まれるのか、どの程度の費用がかかるのかを説明します。

    法定費用

    法定費用には、「自動車重量税」「自賠責保険」「検査手数料」が含まれます。

    <自動車重量税>

    • 概要...車の種類・重さごとに収める国税
    • 費用の例...
      自家用乗用車: 1t以下の場合は16,400円、1.5t以下の場合は24,600円。
      軽自動車:一律6,600円。

    <自賠責保険>

    • 概要...自動車事故の被害者救済、加害者の経済的な負担軽減のため、すべての自動車が加入を義務付けられている保険
    • 費用の例...
      自家用乗用車:24ヶ月の場合は17,650円
      軽自動車:24ヶ月の場合は、17,540円
      ※2025年4月以降適用の場合。沖縄県、離島などの一部地域では金額が異なります。

    <印紙代>

    • 概要...車検を受けるときにかかる手数料
    • 費用の例...
      自家用乗用車: 2,300円
      軽自動車: 2,200円

    インターネット申請等、条件によって金額が異なります。

    車検基本費用

    車検基本費用には、点検費用や事務手数料、そして部品交換費用などが含まれます。
    金額は、車検を依頼する業者や点検内容、交換が必要な部品の数や種類によって異なりますが、一般的に数万円以上はかかります。

    6. 車検費用を抑えるコツ

    定期的なメンテナンスや点検をする

    車検費用を抑えるには、普段からのこまめなメンテナンスが大切です。オイル交換やタイヤの空気圧チェックなどを定期的に確認しておけば、大きな故障を未然に防ぐことができます。よって、車検時に想定外の高額な修理費用がかかるリスクを減らせます。

    また、メーカー指定の点検スケジュールや法定12ヶ月点検をしっかり受けておくことも大事です。故障のリスクを下げられますし、点検項目に関する不具合があればメーカー保証を活用できる可能性もあります。

    車検基本料金が安い業者を選ぶ

    車検費用には、主に「法定費用」と「車検基本料金」があると説明しましたが、「法定費用」は法律で定められているので、どの業者に依頼しても金額は変わりません。そのため、車検費用を抑えるには、車検基本料金が安い業者を選ぶのがポイントになります。
    一般的にディーラーは車検基本料金が高い傾向があり、車検専門店やカー用品店などは安い傾向にあります。

    ある程度業者を絞ったら、複数の業者に見積もりをお願いして、料金を比較しましょう。同じ整備内容でも業者によって費用に差があるため、納得できる価格で引き受けてくれる業者を選ぶことがポイントです。

    自動車保険を見直して年間の維持費を賢く節約する

    車検は数万円単位の費用がかかるため、車の維持費の中でも特に負担の大きい項目のひとつです。そこで、車検ではなく自動車保険の見直しで、全体の維持費を節約するという考え方もあります。

    例えば、代理店型の保険からネット型( ダイレクト型)に切り替えたり、運転する人の範囲を限定することで、保険料が割安になるケースもあります。このように、自動車保険の契約条件の見直しをして、賢く維持費を節約しましょう。

    7. 監修コメント

    新生活の始まりや決算に伴う値引きが期待できることなどから、自動車の購入や買い替える時期は多くの人が同じになりがちです。それによって車検の有効期限も重なるようになるため、春先や秋口は車検を受ける人が多くなります。車検の閑散期はすぐに受けられることも珍しくありませんが、繁忙期はなかなか予約が取れない場合もあります。
    そのような事情を考慮し、有効期間を失うことなく2ヶ月前から車検を受けられるようになりました。特に春先や秋口に車を購入した方は、車検の有効期限の2ヶ月前には依頼先の目処を立てておくとよいでしょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター®︎。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。20年以上にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。許認可申請、入管申請取次、遺言書作成サポートなど法務のほか、記事監修や執筆業も多数手掛ける。自動車業務に熟達した行政書士だけが登録を認められる、ナンバープレートの出張封印が可能な「丁種会員」でもある。

    HP https://inokuchi.pro/

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