火災保険ガイド
戸建て住宅向けの火災保険の選び方を解説!必要な補償内容や注意点は?
最終更新日:2026/7/22
戸建て住宅を購入するとき、ほとんどの方が火災保険への加入を検討します。
しかし、いざ保険を契約するとなると、ご自身のお住まいの備えとなる補償内容をどう選ぶべきか、保険料はどの程度支払うのが妥当か、気になる点が生じる可能性があります。
本記事では、戸建て住宅に適した火災保険の選び方や加入する際の注意点、保険料を安くするためのコツを解説します。これからマイホームを購入する方や、購入直後で火災保険を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
戸建て住宅に火災保険は必要?加入が必要な理由
防火性能にこだわった戸建て住宅を購入した、ハザードマップで安全性の高い地域に家を建てた、といった理由から、火災保険の加入に悩む方もいるかもしれません。
しかし、火災や自然災害は予測が難しく、万が一マイホームが大きな損害を受ければ、建物の再建や家財の再購入にかかる多額のコストを、ご自身で全額負担することになります。2015年度の内閣府の調査(※)によると、火災補償のある火災保険と火災共済の加入率(持ち家世帯)は82%にのぼり、大多数の方が火災保険でお住まいのリスクに備えていることが分かります。
法律上の加入義務はないものの、万が一の場合のために火災保険へ加入することを推奨します。
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出典:内閣府「いざというときに備えて保険・共済に加入しよう」
火災保険の基本的な役割
火災保険とは、戸建て住宅やマンションなどの建物や家財が受けた損害を補償する損害保険です。
火災だけではなく、以下のようなお住まいに関わる幅広いリスクに備えられます。
落雷や破裂・爆発
風災・雹(ひょう)災・雪災といった自然災害
建物外部からの物体の衝突
配管トラブルによる水濡れ
盗難
また、日本には「失火責任法」という法律があり、火の不始末などを原因とした重大な過失による火災を除いて、原則として失火した側に損害賠償責任を問うことができません。
つまり、隣家からのもらい火で自宅が焼失した場合でも、建物の再建や家財の買い替えにかかる費用はご自身で負担しなければならない可能性があります。このようなもらい火による火災にも、火災保険は大きな備えとなります。
なお、火災保険の補償対象は建物と家財にわかれており、契約内容を「建物と家財」「建物のみ」「家財のみ」の3パターンから選択できます。
住宅ローンを利用する場合は加入が必須条件になることが多い
一般的なローンよりも多額の融資を受けることになる住宅ローンでは、金融機関が融資対象の物件を担保とするのが一般的です。万が一火災で建物が失われれば担保の価値も失われ、金融機関は融資した資金を回収できなくなる恐れがあります。そのため、火災保険に加入して建物の損害に備えることを、住宅ローン契約の前提条件としている金融機関は少なくありません。
また、火災保険に未加入の状態で火災に見舞われた場合、住宅ローンの返済とマイホームの再建費用と、二重の負担がかかります。住宅ローンは返済額が大きく、返済期間は数十年と長いため、火災保険で万が一に備えておくことが大切です。
戸建て住宅の火災保険料の相場はいくら?決まり方と傾向
火災保険の保険料は、建物の構造や所在地、補償内容など、さまざまな要素から決まります。保険金額の元となる保険価額も保険料に影響するため、一概に相場を断言することはできません。
ただし、保険料に影響しやすいポイントをあらかじめ知っておくと、戸建て住宅の保険料がどの程度になるか、おおよその傾向をつかみやすくなります。
新築と中古住宅における保険料の違いと傾向
新築住宅と中古住宅を比べると、中古住宅のほうが保険料は高くなる傾向があります。これは、火災保険料の算出において「築年数」が重要な要素となっているためです。
新築や築浅の住宅は「築浅割引」が適用されるケースがあり、保険料が割安になる傾向があります。一方、築年数が古くなると、壁や屋根の劣化による風災被害、老朽化した配線からの漏電火災、経年劣化した配管からの突発的な水濡れ被害など、保険金の支払いにつながるリスクが高まるため、保険料も割高になる傾向があります。
建物の構造(木造・鉄骨・耐火など)や所在地による保険料の差
火災保険では、建物構造や耐火基準により建物を3つに区分(構造級別)し、それぞれの火災リスクに応じた保険料を設定しています。
M構造(コンクリート造のマンションなど)
T構造(コンクリート造や鉄骨造の戸建て住宅など)
H構造(その他、木造の戸建て住宅など)
保険料は火災のリスクが低いほど安くなるため、M構造、T構造、H構造の順に保険料が高くなります。戸建て住宅はH構造が多いため、マンションに比べると、保険料は割高になると考えると良いでしょう。
また、保険をかける建物の所在地も保険料を左右する大きな要素の1つです。台風の上陸リスクが高い地域や豪雪地帯など、自然災害の発生頻度が高いエリアでは保険料が高くなる傾向があります。
なお、火災保険の保険料の相場については下記の記事でも紹介しているため、あわせてご覧ください。
戸建て住宅における火災保険の選び方
火災保険は補償範囲が広く、選択肢も多いため、お住まいにあった補償内容を見つけるのに苦労することもあります。ここでは、戸建て住宅にあった火災保険を選ぶためのポイントを「補償範囲」「保険金額」「地震保険」の3つに分けて解説します。
補償範囲:ハザードマップを活用して水災補償などを見極める
補償内容を充実させると、それだけ保険料も高くなります。戸建て住宅のランニングコストともいえる火災保険の保険料を安くするためにも、お住まいの立地や環境にあわせて、必要な補償を見極めることが重要です。
補償を選ぶ際に有効なのが、国土交通省や各自治体が公開しているハザードマップです。ハザードマップでは、ご自宅周辺の洪水・浸水リスクや土砂災害リスクを確認できます。たとえば、河川の近くや低地に位置する戸建て住宅であれば水災補償の優先度は高くなります。
ここで注意したいのが、水災補償の保険料の決まり方です。2024年10月の改定により、これまで全国一律だった水災料率が、居住地の水災リスクに応じた5段階(1等地~5等地)に細分化されました。同じ補償内容でもお住まいの地域によって保険料が変わるため、ハザードマップでご自宅周辺のリスクを確認することが、これまで以上に重要です。
水災補償は河川の氾濫だけでなく、ゲリラ豪雨による内水氾濫(下水や側溝の処理能力を超えて起こる都市型の浸水)や土砂災害も対象とするのが一般的です。高台や内陸であっても被害が発生することはあるため、これらのリスクを総合的に確認したうえで検討しましょう。
また、台風が多い地域や豪雪地帯にお住まいの方は、風災・雪災補償も優先的に備えておきたい補償です。
このほか、戸建て住宅は集合住宅よりも低層であり、窓や出入口などの侵入経路が多く窃盗の被害に遭いやすい傾向にあります。そのため、盗難補償もあわせて検討すると安心です。
保険金額の決め方:時価ではなく「新価(再調達価額)」で設定する重要性
火災保険では、万が一のときに受け取れる保険金の上限額を「保険金額」として契約時に設定します。実態に見あった金額を設定していなければ、被災しても損害に見あった保険金を受け取れない恐れがあります。
保険金額は、建物や家財がいくらの価値に相当するかを算出(評価)したうえで決めます。評価方法には「新価(再調達価額)」と「時価」の2つがあります。
新価(再調達価額):損失を被ったのと同じ建物を建て直す・同じ家財を買い直すために必要な金額
時価:新価から経年減価分を差し引いた金額
たとえば、新築時の建築費(建て直し費用)が4,000万円かかる住宅の場合、新価基準で保険金額を4,000万円に設定していれば、万が一住宅が全焼した際にも4,000万円の保険金を受け取ることができ、同水準の住宅を元通りに建て直すことができます。一方、時価基準で3,000万円に設定していた場合(例:経年減価によって建物の価値が3,000万円に下がっている状態)、受け取れる保険金は上限の3,000万円にとどまります。同水準の住宅を建て直すには4,000万円が必要なため、差額の1,000万円を自己資金で補わなくてはなりません。
「時価」にすると、同等の建物や家財を購入するのに必要な保険金を受け取れないリスクがあります。現在販売されている火災保険は「新価(再調達価額)」での契約となるケースがほとんどですが、念のため契約前に補償内容をチェックしておきましょう。
火災保険とセットで備えたい「地震保険」の必要性とメリット
地震大国ともされる日本ですが、火災保険では地震や噴火、それらが原因の火災による損害は、補償の対象外となります。そこで、地震などに対する備えとなるのが「地震保険」です。
ただし、注意したいのが、地震保険は火災保険とセットで加入が必要という点です。火災保険にすでに加入中であれば保険期間の途中から地震保険を追加することも可能ですが、まずは火災保険の契約時にセットするかどうか検討しましょう。
火災保険と同様に、地震保険も建物と家財それぞれで契約します。地震保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲と決まっており、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限です。ただし、損害額の全額がそのまま支払われるわけではなく、調査の結果、損害の程度を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階に区分し、この区分に応じて地震保険の保険金額の一定割合が支払われます。
地震保険には対象の建物の免震・耐震性能に応じた割引制度があり、10~50%の割引を適用することが可能です。また、地震保険の保険料は所得控除の一種である「地震保険料控除」の対象となるため、年末調整や確定申告などの手続きをすることで、税負担を軽減できる場合があります。
戸建て住宅の火災保険に加入する際のポイント
戸建て住宅の火災保険に加入する際に見落としがちなポイントや、保険料を賢く安くするためのコツを紹介します。
必ずしも金融機関に勧められた火災保険に入る必要はない
住宅ローンを契約する際、金融機関から特定の火災保険を勧められることがあります。しかし、金融機関経由で紹介される火災保険が、必ずしもご自身のお住まいの状況にあっているとは限りません。ネット型(通販型)の火災保険を含めて複数の保険会社を比較検討することで、必要な補償を確保しながら保険料を抑えられる可能性があります。
ネット型(通販型)の火災保険は、代理店を介さないことで人件費や運営コストを削減できるため、その分保険料を抑えやすいのが特長です。また、必要な補償を選んで組み合わせられる商品も多いため、合理的にリスクに備えられます。
SOMPOダイレクトの「じぶんでえらべる火災保険」は、ネット型(通販型)ならではの手頃な保険料を実現した保険です。お見積りからお申込みまでインターネット上で完結するため、住宅ローンのお手続きで忙しい時期でも検討しやすいでしょう。
長期契約を利用して保険料を安くするコツ
長く住み続けることを前提に購入されることの多い戸建て住宅にとって、火災保険はお住まいの安全を守るランニングコストともいえます。このコストを安くするのに有効なのが、長期契約の活用です。
火災保険は1年契約が基本ですが、最長5年までの長期契約も選択できます。長期契約にすると1年あたりの保険料が割安になるほか、月払よりも年払、年払よりも一括払と、保険料をまとめて支払うほど総支払額を抑えられるのが一般的です。地震保険も火災保険と同様に、最長5年の保険期間を長期契約・一括払にすれば保険料は割安となります。
ただし、家財の補償については、お子さまの誕生や独立などでライフスタイルが変われば、必要な補償内容が変わるかもしれません。そのため、長期契約中も、生活の変化に応じて補償内容を見直すことを忘れないよう注意してください。
なお、建物の補償については、補償額(保険金額)を再調達価額(新価)と同額に設定していれば、増改築、一部取壊しで評価額が変わらない限り、頻繁な見直しの必要はありません。ただし、物価上昇が続く局面などでは、建築費が大きく変動することもあるため、保険期間の途中であっても保険金額が十分かどうか確認しておいた方が良いでしょう。
家財保険(家財補償)の付け忘れに注意
火災保険は「建物」と「家財」で補償対象が別になっており、建物のみの契約では家具・家電・衣類といった家財の損害は補償されません。住宅ローンのお手続きでは建物の補償に意識が向きがちですが、被災時に生活を立て直すには家財の再購入費用も大きな負担となるため、家財の補償も忘れずに検討しましょう。
家財の総額は家族構成やライフスタイルによって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
≪簡易評価表(家財の再調達価額の目安)≫(2025年1月時点)
| ご家族構成 | 2名 (大人のみ) |
3名 (大人2名・子ども1名) |
4名 (大人2名・子ども2名) |
5名 (大人2名・子ども3名) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 世帯主の 年齢 |
|||||
| 25歳前後 | 500万円 | 590万円 | 680万円 | 770万円 | |
| 30歳前後 | 710万円 | 810万円 | 900万円 | 990万円 | |
| 35歳前後 | 940万円 | 1,020万円 | 1,110万円 | 1,200万円 | |
| 40歳前後 | 1,150万円 | 1,240万円 | 1,330万円 | 1,420万円 | |
| 45歳前後 | 1,370万円 | 1,460万円 | 1,550万円 | 1,640万円 | |
| 50歳前後(含以上) | 1,580万円 | 1,670万円 | 1,760万円 | 1,850万円 | |
なお「じぶんでえらべる火災保険」では、家財の保険金額を最低100万円から、評価額(再調達価額)の範囲内で自由に設定できます(10万円単位)。上記の表を参考に、ご家庭の実態にあった保険金額を設定しましょう。
家財保険の必要性や設定金額の目安については、以下の記事でも解説しています。あわせてご覧ください。
まとめ:戸建て住宅の火災保険は立地やリスクにあわせて賢く選んで住宅のダメージに備えましょう
戸建て住宅は、マンションなどの集合住宅とは違い、所有者ご自身で維持や管理を行わなければなりません。火災、落雷、破裂・爆発で損害を被れば、予想以上の経済的ダメージを受ける可能性があります。
大切なマイホームを守るためにも、火災保険への加入を検討しましょう。その際には、本記事で紹介したポイントを参考に、家財も含めて、ご自身が納得される補償内容を選ぶことが大切です。
SOMPOダイレクトの「じぶんでえらべる火災保険」なら、必要な補償を自由に組み合わせて、ご自身のお住まいにあった火災保険を設計できます。
監修コメント
戸建て住宅を住宅ローンで購入する際は、火災保険への加入が融資の条件になっていることが多く、不動産会社や金融機関から提示されたプランをそのまま契約してしまう方が少なくありません。しかし、お住まいの立地や構造によって必要な補償は大きく異なります。保険会社や補償内容は基本的に自由に選べるため、補償の過不足を防ぐためにも内容は必ずご自身で確認しましょう。
また、補償内容を理解しておくことは、万が一の場合の保険金請求の際にも役立ちます。火災保険は火災だけでなく、台風で屋根が壊れた、落雷で家電が故障した、といった幅広い損害をカバーできる保険です。しかし、実際には保険金の請求対象であることを知らずに自費で修理してしまう方も多い傾向にあります。補償範囲をあらかじめ把握しておけば、請求漏れを防ぎやすくなるでしょう。
監修者プロフィール
荒木 和音(あらき かずね)
金融分野専門ライター。早稲田大学卒業後、生命保険・損害保険を取り扱う保険代理店にて、家計相談や企業向けのリスクコンサルティングなどを計10年以上経験し独立。大手証券会社・保険会社や大手金融メディアでの豊富な執筆実績を持つ。専門性の高いテーマでも、読者の理解を促す構成と語り口にこだわった記事制作を得意としている。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。
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