車検証やカタログに記載される「車両重量」と「車両総重量」は似ているようで明確に違う項目であり、運動性能や税金額、エコカー減税の対象範囲に大きく関わるものです。
ここでは、車両重量と車両総重量の違いと自動車重量税との関わりについて解説します。
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1.車両重量と車両総重量
車両重量と車両総重量は、どちらも車の重さを表す項目です。しかし、それぞれ異なる測定範囲と意味があるため、車検証やカタログにも分けて記載されています。
車両重量とは
車本体の重さに、満タン時の燃料と規定量のオイル、冷却水、バッテリーなどを加えた車重のことです。つまり、ドライバーが乗り込めばすぐに走れる状態の場合の車の重さということになります。
車両総重量とは
車両重量に最大乗車定員人数分の重量と積載可能重量(最大積載量)を加えた重量です。乗用車の場合は最大積載量が定められていないため、車両重量+乗員1名につき55kg×乗車定員数で計算されます。また1ナンバーや4ナンバーなどの貨物車の場合は、車両重量+乗員1名55kg×乗車定員数+最大積載重量によって車両総重量が計算されます。メーカーが想定した、安全走行のための最大重量の目安といえるでしょう。
稀に見る乾燥重量とは
燃料・エンジンオイル・冷却水・バッテリーなどを搭載していない状態の車重です。車自体の純粋な重量を表し、レーシングカーの重量計測や一部のスポーツカーのカタログなどに記載されています。
2.自動車重量税とは
自動車重量税は、車の重さに応じて課される税金です。重い車ほど道路に負担をかけるという考えから、徴収された重量税は主に道路整備予算として使われています。次回車検までの2年ないし3年分の税金を車検時にまとめて納めます。
3.自動車重量税はどのように決まるのか?
自動車重量税は、車の用途によって車両重量から算出される車両と車両総重量から算出される車両とに分けられます。
車両重量で決まるケース
車検証の用途欄が「乗用」となる3ナンバー車や5ナンバー車などは、車両重量に応じて納税額が決められます。軽自動車の場合は重量にかかわらず一律となります。
車両総重量で決まるケース
車検証の用途欄が「貨物」「乗合」「特種」となっている1・2・4・8ナンバー車は、車両総重量に応じて課税されます。こちらの場合も軽自動車は重量にかかわらず一律となります。
4.自動車重量税の税額について
自動車重量税は車両重量および車両総重量に累進して高くなります。普通乗用車は車両重量0.5tごとに年間4,100円かかるため、例えば車両重量1.0〜1.5tに収まるコンパクトカーの新車購入時にかかる重量税は、3年分で36,900円になります。
一方、車両総重量8t未満の普通貨物車は、1t以下が年間3,300円、2t以下は6,600円、2.5t以下は9.900円となり、以降車両総重量1tごとに4,100円ずつ加算されます。軽自動車の場合は乗用・貨物ともに年間一律3.300円です。
ただし、新車登録から一定年数が経過した車は環境に対する負荷が大きくなる理由から重量税が引き上げられます。登録から13年が経過した車の自動車重量税は最大約40%、18年経過は最大約54%もの重課となります。
減税・免除の対象は?
古い車の重量税が引き上げられる一方、環境負荷が低いエコカーには重量税の減税や免除措置が受けられる「エコカー減税」が用意されています。
エコカー減税の対象車は、車両重量に対する燃費性能から算出される燃費基準の達成度合いに応じ、新規車検時にかかる重量税が減税もしくは免除されます。
燃費基準は数年おきに更新され、乗用車は2021年5月以降、新たに令和12年度(2030年)燃費基準が適用されます。
2021年5月1日から2023年4月30日までに乗用車の新車新規登録等を行う場合
令和12年度燃費基準 | |||||
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達成度合い | 60%未満 | 60%以上 | 75%以上 | 90%以上 | 120%以上 |
重量税の減税 措置 |
エコカー減税 対象外 |
25%軽減 | 50%軽減 | 免税 | 免税 ※初回継続検査時等も免税 |
5.監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント
重量税の区分やエコカー減税の対象は新車登録時の重量が関わります。同じ車種でも装備を省いた軽量なグレードを選んだり、重量がかさむ不要なオプションを省いたりすることで、税金が安くなることもあります。車を選ぶ際はそうしたポイントにもぜひ着目してみましょう。
なお、車は重いほど加速性能や減速性能、燃費性能が悪化します。また、過積載時は車が著しく不安定となり、運転に支障をきたすばかりか重大な事故にもつながりかねません。積みっぱなしの不要な荷物を下ろすだけでも車はより軽快に動くようになりますし、重量物を積む場合は車の中心付近に積むようにすると重量増のデメリットを最小限に抑えられます。適切な重量での運用を常に心がけるようにしましょう。
監修:株式会社 日本交通事故鑑識研究所