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仮免許(仮免)とは。仮免許証の有効期限や運転の制約、試験の流れ、技能試験の採点方法について解説

更新

2023/08/16

公開

2023/08/16

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これから運転免許を取得しようと考えている方はもちろん、現在教習所に通っている方、すでに仮免許を取得した方も、「仮免許とは何?」「本免許との違いは?」などと仮免許に関してわからないことが多々あるかもしれません。仮免許とは、路上での運転練習を行うために必要な運転免許のこと。仮免許を取得しなければ、本免許の取得に進むことができません。

当記事では、仮免許で路上運転をする際のルールや罰則、仮免許取得までの流れを紹介。技能試験の採点方法についても詳しく解説します。

目次

    1.仮免許の概要や種類について

    仮免許とは、正式名称を「仮運転免許」といい、道路交通法で定められている運転免許の種類の一つです。教習所内の運転コースだけでは、公道を運転する時の感覚をつかむことはできません。そこで路上に出て、公道での運転練習をするために必要となるのが仮免許です。

    仮免許の種類は、大型自動車仮免許、中型自動車仮免許、準中型自動車仮免許、普通自動車仮免許の4つ。仮免許は仮免許試験(技能試験・学科試験)に合格することで、取得することができます。

    なお、仮免許には有効期間があり、仮免許試験に合格してから6ヶ月以内に本免許試験や指定自動車教習所の卒業検定に合格しなければいけません。6ヶ月を過ぎてしまうと仮免許の効力を失いますので、合格までのスケジュールをきちんと立てておきましょう。

    2.仮免許で運転する時の制約は?

    仮免除には、道路交通法により、いくつかのルールが定められています。仮免許で路上練習をする時には、下記の制約を必ず守るようにしてください。

    練習目的で利用する

    仮免許は、練習や試験目的でのみ運転が許されています。もし私的な目的で運転した場合は、「無免許運転」とみなされますので注意しましょう。

    指導者などを同乗する

    運転をする時には、資格のある指導者を同乗しなければいけません。資格のある指導者とは、仮免許の種類と同じ区分の第一種免許を所有していて、かつ免許所有期間が3年以上の人、もしくは第二種免許を所有している人、指定自動車教習所の指導員などです。

    仮免許練習標識を付ける

    仮免許で運転をする時には、練習中であることを示す標識を車両の前面と後面に付ける必要があります。この標識の様式は、以下のとおりです。

    • サイズ:縦17cm以上、横30cm以上
    • 文字:白地に黒字
    • 標識を付ける位置:地上0.4m以上、1.2m以下の見やすい位置 ※前面ガラスを除く。

    仮免許証を携帯する

    本免許で運転をする時と同様に、仮免許で運転をする時には必ず仮免許証を携帯しましょう。

    交通量の多い道路などでは運転しない

    高速道路や自動車専用道路、混雑した道路では、仮免許での運転練習はできません。

    3.仮免許の制約を違反した場合の罰則は?

    仮免許練習標識を付けなかった場合

    「仮免許練習標識」を付けずに路上を運転すると、「仮免許練習標識表示義務違反」となり、違反点数は1点、5万円以下の罰金、反則金(大型車は7,000円、普通車は6,000円)が科されます。

    仮免許証を携帯しなかった場合/指導者などを同乗しなかった場合

    仮免許証を携帯せずに路上を運転した場合、また助手席に指導者などを同情せずに運転した場合は、違反点数12点、6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金が科されます。

    私的な目的で運転をした場合

    練習以外の目的で運転をした場合、違反点数は25点、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。

    4.仮免許を取得する方法は?

    仮免許を取得するには、指定自動車教習所に通って技能試験・学科試験を受験するか、運転免許センターや運転免許試験場で一発試験を受けるかの2通りの方法があります。次項では、一般的な方法である、指定自動車教習所に通って仮免許を取得する時の流れを紹介します。

    仮免許取得までの流れ(指定自動車教習所に通う場合)

    指定自動車教習所での仮免許取得の流れは、適性検査→学科教習・技能教習→修了検定(技能試験)→学科試験です。

    指定自動車教習所では、仮免許を取得するまでの「第一段階」と仮免許取得後から卒業検定までの「第二段階」の教習を受講します。入校したら視力や聴力等の検査を受け、第一段階の学科教習と技能教習を受講。第一段階の学科教習は10時限、技能教習はAT車の場合は12時限、MT車の場合は15時限の教習を受けなければいけません。その後、学科試験の模擬試験である「効果測定」、基本的な運転技術を取得しているかをチェックする「みきわめ」に合格したら、第一段階の修了検定として技能試験を受けます。技能試験に合格したら、学科試験の受験へ。学科試験は50問のうち45問以上正解すれば合格です。

    上記の行程を経たら、仮免許が交付されます。

    5.技能試験の内容や審査のポイントは?

    試験内容

    第一段階の修了検定である技能試験に合格するには、課題の内容や採点方法を知っておくことが大切です。まずは、技能試験の内容を詳しく紹介しましょう。

    第一段階の技能試験では、自動車教習所内のコースを10〜15分程度運転します。どのコースを走行するかを覚えておく必要はありません。運転中に検定員から「右折」「左折」などの指示がありますので、これに従って走行をします。試験課題は、発進方法、カーブ、障害物、坂道発進、踏切、S字、縦列駐車、停車方法など。これらを、助手席に座っている検定員がチェックし、採点を行なっていきます。

    採点方法は?

    採点方法は、100点満点からの減点方式です。第一種免許の場合は70点以上、大型・中型免許の場合は60点以上、第二種免許の場合は80点以上を取ることができれば合格です。採点が減点方式ですので、どのような行為を行なったら減点なのかを把握しておくことが非常に大切。主な減点項目は、以下の通りです。

    減点5点

    • ミラー類の調整や確認をせずに発進する。
    • シートの調節をせず、不自然な姿勢で運転をする。
    • ハンドルの下側だけ、もしくは片手でハンドルを保持したまま直進する。

    減点10点

    • シートベルトを着用せずに発進する。
    • 後方、歩行者、発進前の確認、踏切前での左右の確認を怠る。
    • 速度未達、もしくは速度超過。

    減点20点

    • 安全速度よりも5km/h以上速い。
    • 徐行指示や進入禁止表示を無視する。
    • 脱輪した。

    試験中止

    • 車輪が縁石などに乗り上げ、そのまま1.5m以上走行する。
    • 大きく逆行する。
    • 検定員の指示に違反する。

    このように、なかには一発で試験が中止となってしまう項目もあります。また、減点数が低い行為だとしても、それらが積み重なると合格ラインを下回ってしまうことがありますので注意しましょう。

    6.技能試験に落ちるとどうなる?

    もし技能試験に落ちたとしても、補修教習を受ければ再び試験を受けることができます。試験回数に限度はありません。しかし、2度目以降は都度受験料がかかってしまいます。また、教習所自体の有効期間は入校手続きをした日から9ヶ月間で、その間にすべての教習を終えなければいけません。仮免許取得の後には、第二段階の教習も控えていますので、できるだけ早く仮免許の技能試験に合格するようにしましょう。

    7.監修コメント

    運転免許の取得には、時間も労力もかかります。教習所に通っている間に、転居しなければならなくなるようなこともあるでしょう。そんなときのために、多くの指定自動車教習所が転校できる制度を設けています。

    その際に節目になるのが仮免許です。再び入学金を支払う必要があるなど費用面の負担が生じてしまいますが、有効期限内であれば、仮免許を取得した状態で転校できます。条件を満たしていれば、本免許の一発試験に臨むこともできます。仮免許を取得する前に指定自動車教習所を退所するといずれの手段も選べないので、教習所に通う際は、まずはできる限り早く仮免許を取得することを目指しましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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