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仮免許取得の年齢要件が17歳6ヶ月に。運転免許は何歳から取得できる?

更新

2025/12/01

公開

2025/12/01

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2024年5月に成立した改正道路交通法により、現在は満18歳である「仮免許」の取得可能年齢が17歳6ヶ月へと引き下げられることとなりました。当記事では、そんな法改正が免許取得に与える影響や、改正法施行後に仮免許を取得する際の注意点を紹介します。

目次

    1. 道路交通法改正で17歳6ヶ月から仮免許取得が可能に!

    運転免許の取得の路上での練習・試験に必要な「仮免許」は、現在の法律では正式な運転免許(本免許)と同様に「満18歳」にならなければ取得ができないと定められています。しかし、2024年5月に道路交通法の改正が閣議決定され、準中型と普通免許の仮免許の取得可能年齢が今後「17歳6ヶ月」に前倒しされることになりました。

    改正法の施行時期は2026年4月1日が予定されており、施行されれば従来よりも半年早く仮免許を取得することが可能となります。また、あわせて本免許取得試験の受験資格も17歳6ヶ月に引き下げられる見込みのため、若年層の免許取得に向けたスケジュールが大きく変わることが予想されます。 

    そこで当記事では、今回の法改正によって変化する自動車教習所の入所時期や、本免許交付までの流れ、早期の仮免許取得を目指す際の注意点などを解説します。

    仮免許の年齢要件引き下げの背景

    今回仮免許の年齢要件引き下げが改正案に盛り込まれた背景には、2026年度には推計26万人にのぼるとされる、早生まれ(1月~3月生まれ)の学生の免許取得を支援するねらいがあります。 

    というのも、仮免許取得の年齢要件を満18歳と定めた現在の法律では、17歳の学生は次の誕生日を迎えるまで仮免許を取得することができません。そのため、早生まれの高校3年生は1月~3月、つまり卒業を目前に控えた年度末の時期に教習が集中しがちでした。

     年度末は教習所が混雑しやすく、高校3年生にとっては進路選択と重なる時期でもあることから、このことは進学や就職にも影響を及ぼす問題となっています。なかでも、就職を選択する学生にとって運転免許は採用の合否にも関わる重要な資格のため、今回の法改正には免許取得のしやすさを高めることで学生の就業機会を広げる役割も期待されています。

    2. 仮免許の年齢要件引き下げで免許取得はどう変わる?

    ここからは、改正法の施行により、免許取得の流れがどのように変化するのかを解説します。

    教習所にはいつから通える?

    現在の法律でも、座学などの仮免許を必要としない教習は満18歳になる前から行えるため、すでに多くの自動車教習所では17歳からの入所を認めています。 

    ただし、仮免許の取得試験時までに年齢要件を満たせるよう、17歳での入所には「18歳になる1ヶ月前から」といった条件が設けられているケースが一般的です。そのため改正法の施行後は、こうした条件が「18歳になる7ヶ月前から」といったように半年分引き下げられることが予想されます。 

    本免許交付までのスケジュール

    改正法の施行によって教習所の入所可能時期が「17歳5ヶ月(18歳の7ヶ月前)から」になると仮定した場合、本免許交付までのスケジュールは以下のとおりです。 

    ▼入所:17歳5ヶ月から

    ▼学科教習・技能教習(コース内):17歳5ヶ月から

    ▼仮免許試験(技能・学科):17歳6ヶ月から

    ▼学科教習・技能教習(路上):17歳6ヶ月から

    ▼卒業試験(技能):17歳6ヶ月から

    ▼本免許試験(学科):17歳6ヶ月から

    ▼本免許交付:満18歳から 

    このように、改正法施行後は本免許取得試験の受験までのスケジュールが半年ずつ前倒しになる可能性が高い一方、本免許の交付時期は従来のままとなります。

    3. 新たな年齢要件のもとで免許取得を目指す際の注意点

    法改正を踏まえ、実際に仮免許の早期取得を目指す場合には以下の点に注意が必要です。

    改正法の施行は2026年4月を予定

    年齢要件の引き下げが盛り込まれた改正案の施行時期は、2026年4月1日を予定しています。同年の1月~3月に18歳を迎える早生まれの学生は、残念ながら法改正の恩恵を受けられない可能性が高いでしょう。

    また、上記の施行時期はあくまで予定であり、何らかの要因で前後する可能性もあります。仮免許の早期取得を検討するうえでは、常に最新の情報をチェックすることをおすすめします。

    本免許交付は満18歳になってから

    今回の法改正では本免許取得試験の受験資格も17歳6ヶ月に引き下げられる予定ですが、本免許交付の年齢要件は依然として「満18歳」のままです。そのため、17歳のうちに本免許取得試験に合格した場合でも、実際に免許証を手にできるのは18歳の誕生日を迎えた後となります。

    車の運転者には免許証の携帯が義務付けられているため、合格後も本免許が交付されるまでの間は車を運転することはできません。必ず免許証を受け取ってから運転しましょう。

    学業・就活との両立も忘れずに

    年齢要件の引き下げでスケジュールに余裕ができたとしても、高校3年生が受験や就職活動で多忙な時期であることに変わりはありません。無理に仮免許取得や本免許取得試験の受験を早めようとすると、かえって学業に悪影響が出てしまう可能性もあります。

    個人差はあるものの、学生が免許の取得に割ける時間には限りがあります。早くから取得に向けた準備を進める場合でも、スケジュールはしっかりと管理する必要があるでしょう。

    4. まとめ

    従来よりも早い17歳6ヶ月から仮免許の取得が可能となる今回の法改正ですが、交通事故のリスクは運転経験の浅い若年層のドライバーほど大きいとされています。これまでと同様、仮免許であっても運転時には徹底して交通安全に努めることが大切です。

    また、免許の取得を考えるにあたり、あわせて検討したいのが自動車保険です。適切な自動車保険を選ぶことは安全で快適なカーライフの第一歩であるため、この機会に見直すことをおすすめします。

    5. 監修コメント

    改正道路交通法の施行後は、17歳6ヶ月から仮免許を取得できるようになります。ただし、そのままスムーズに進み、卒業検定に合格しても、本免許を取得できるのは満18歳の誕生日以降です。そのため、数ヶ月の間、運転する機会がなく、身につけた技能が鈍ってしまうことも考えられます。
    そうした場合は、教習所で実施されている追加教習(いわゆるペーパードライバー教習)を受講して、運転感覚を取り戻すのもおすすめです。また、仮免許交付日から6ヶ月以内であれば、運転経歴3年以上の資格者を同乗させ、「仮免許練習中」の標識を掲示することで、公道での練習も可能になります。安全に十分配慮し、運転感覚を維持しておきましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター®︎。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。20年以上にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。許認可申請、入管申請取次、遺言書作成サポートなど法務のほか、記事監修や執筆業も多数手掛ける。自動車業務に熟達した行政書士だけが登録を認められる、ナンバープレートの出張封印が可能な「丁種会員」でもある。

    HP https://inokuchi.pro/

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