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パッシングの意味とは?対向車・後続車による違いと基本的な対処法を解説

更新

2026/02/02

公開

2026/01/23

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対向車や後続車からパッシング(ヘッドライトの点滅)をされると、「何かあった?」「煽られてる?」と不安になりますよね。

パッシングはドライバー同士の合図として使われることがあり、運転状況によっていくつかの意味を持つと考えられていますが、明確なルールはありません。

本記事では、パッシングの意味やパッシングされたときに初心者でも迷わない対処法をシーン別に解説します。

目次

    1.パッシングとは?初心者が知っておきたい基本

    パッシングとは、ヘッドライトの点滅による意思表示 です。

    ウインカーレバーを手前に引いてすぐ手を離すと、ライトが一瞬点滅します。これを1〜2回素早く繰り返して合図として使います(ライトが消えている昼間でも可能です)。

    一方で、ヘッドライトを点灯させた状態でレバーを奥側に押し込むと、ハイビームが「点灯したまま(固定)」になります。「手前は合図(点滅)」「奥は常時ハイビーム」という操作の違いを覚えておきましょう。

    パッシングには、「危険の知らせ」「ハイビームへの注意」などの意味があると考えられていますが、決まったルールはありません 。また「譲る/譲ってほしい」という意思表示で使われることもありますが、道路上の優先権そのものが変わるわけではないため注意が必要です

    対向車がパッシングをしてきたように見えても、「オートハイビーム(自動切替)」の切り替えタイミングや、段差の振動による光軸のブレなど、相手にその意思はない場合もあります。

    相手の意図が分からないまま行動をすると危険ですので、状況が分からない場合は何もしないことが基本的な対応となります。

    パッシングの仕方や車のライトの種類は以下でまとめています

    関連記事
    車のライトとは?種類ごとの役割について

    2.回数(1回・2回・3回)で意味は変わる?俗説に注意

    パッシングの回数に公式のルールはありません。一般的に「2回は〇〇、3回は〇〇」などと言われることもありますが、地域差や個人差が大きいため断定するのは危険です。

    3.パッシングされたときの基本的な対処法

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    パッシングされたときの基本的な対処法は以下のとおりです。

    ・①減速 → ②周囲確認 → ③ライト確認 → ④必要なら譲る

    特に、相手から煽られたと感じても停車したり、対峙したりしないことが大切です。

    4.パッシングの意味と対応法をシーン別に解説

    ここからはシーン別にパッシングされたときの意味と対応法を解説します。

    前述の通りパッシングに明確なルールはないため、これらはあくまで「一般的に考えられる例」です。相手によって意図が異なる可能性もあるため、周囲の状況と合わせて、判断の参考にしてください。

    対向車からのパッシング

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    対向車からのパッシングは、基本的にほとんどの場合は善意で、何かを教えたり譲ったりしてくれていることが多いと考えられます。

    ・「どうぞ先に」(善意)

    右折待ちなどの際に、対向車が減速しながらパッシングをして「先に曲がっていいよ」と伝えてくれているケースです。

    → 対応法: 譲られたからといって、交通ルール上の優先権は変わりません。対向車の死角からバイクなどが直進してくる「サンキュー事故」が起きやすいため、あくまで交通ルール上の優先権(直進優先)を意識し、周囲の安全を十分に確認してから慎重に進みましょう

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    また、譲られたと思って優先権を守らずに進むと、事故時に「安全確認が不十分だった」と判断される場合もあるので、注意が必要です。

    ・「ありがとう」(感謝)

    狭い道ですれ違う際などにこちらが道を譲った後、対向車が「待ってくれてありがとう」と伝えているケースです。

    → 対応法: そのまま走行してください。手を挙げる、会釈などで応える程度で十分です。

    ・「ハイビームのままだよ」(指摘)

    対向車がこちらのライトをまぶしいと感じ、「ロービームに戻して」と伝えているケースです。

    → 対応法: メーターを確認し、ハイビームになっていればすぐにロービームへ切り替えましょう。

    ・「ライトがついていないよ」(指摘)

    夕暮れ時やトンネル内などで、こちらの無灯火(またはスモールライトのみ)に気づき、点灯を促してくれているケースです。

    → 対応法: ライトのスイッチを確認し、ヘッドライトを点灯させましょう。

    ・「スピード出し過ぎ!危ないよ」(警告)

    対向車がこちらの速度超過やすれ違いざまの危険な挙動を見て、注意を促しているケースです。

    → 対応法: すぐに速度を落とし、自分の運転状況を見直してください。

    ・「この先にトラブルがあるよ」(情報伝達)

    この先の道路で事故や工事、障害物などがあることを教えてくれているケースです。

    → 対応法: 何があっても対応できるよう速度を落とし、前方の状況に十分注意して走行してください。

    ・「(歩行者などを確認中)」(自車への合図ではない)

    対向車が歩行者や自転車を確認するためにハイビームにした際、たまたまパッシングのように見えたケースです。

    → 対応法: 自分への合図ではありませんが、近くに歩行者がいる可能性が高いため、減速して周囲に注意を払いましょう。

    後続車からのパッシング

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    後続車からのパッシングには、大きく分けて「車の不備などを教える善意」と「道を譲れという煽り」の2つのパターンが考えられます。

    ・「車に異常があるよ」(善意・指摘)

    ブレーキランプの故障、トランクや半ドア、給油口の閉め忘れ、あるいは積み荷が落ちそうになっていることなどを教えてくれているケースです。

    → 対応法: コンビニやパーキングエリアなど、安全な場所に停車して車体を確認しましょう。

    ・「運転がふらついているよ」(善意・指摘)

    居眠り運転などで車が蛇行しているのを見て、「大丈夫?」と注意喚起してくれているケースです。

    → 対応法: 疲れがある場合は無理をせず、すぐに休憩を取りましょう。

    ・「先に行きたい/道を譲ってほしい」(警告・煽り)

    急いでいる後続車が「先に行かせてほしい」と合図しているケースです。特に追い越し車線や、一本道で自車のペースが遅い場合によく見られます。

     → 対応法: 無理に張り合ったり焦って加速したりせず、左側に寄るなどして道を譲るのが最も安全です。

    ・「邪魔だよ/どいてほしい」(煽り)

     車間距離を詰めて執拗にパッシングを繰り返す、いわゆる「煽り運転」です。こちらの割り込みや速度に対して怒っている場合もあれば、無差別に攻撃している場合もあります。

     → 対応法: 決して挑発に乗ったり急ブレーキを踏んだりせず、安全を優先し、車を左へ寄せて後続車を先に行かせてトラブルを回避しましょう。

    煽りのパターンは明らかな挙動を伴うため、分かりやすいと思います。煽り運転と見分けにくい場合は競わない・加速しないようにしましょう。安全を優先してトラブルを回避するのが賢明です。

    高速道路でのパッシング

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    高速道路においては、合流や追い越し車線での合図としてパッシングが使われるケースが考えられます。

    ・合流時の「入っていいよ」または「入るな」(善意・警告)

    サービスエリア(SA)やインターチェンジ(IC)からの合流時、本線を走る車がパッシングすることがあります。

    これは「譲るから入っておいで」の合図の場合もあれば、逆に「速度が出ていて止まれないから入ってこないで(通過する)」という警告の場合もあります

    → 対応法: パッシングの意味を決めつけず、必ず相手の速度と距離を目視で確認してから合流判断をしてください。

    ・追い越し車線での「どいてほしい」(警告)

    追い越し車線を継続して走行している際、後続車からパッシングされるケースです。「追いついたから道を譲れ」という合図の可能性があります。

     → 対応法: 速やかに走行車線へ戻りましょう。無理な速度アップは事故につながる可能性があります。また、追い越し車線を走り続けると「通行帯違反」になる場合もあるので、走行車線へ戻りましょう。

    追い越し車線のルールや通行帯違反については以下でまとめています。

    関連記事
    追い越し車線を走行し続けると違反?意外と知らない高速道路のルールについて

    5.初心者が間違えやすい解釈と事故のリスク

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    パッシングをした相手の意図が分からないまま行動すると、事故やトラブルにつながるケースもあります

    ・「譲られた」と早合点して進入

    対向車のパッシングを「譲る」の合図と解釈して交差点に進入すると、出会い頭事故につながる可能性があります。

    ・後続車に焦って急加速

    後続車からのパッシングを受けた際、「遅い」と煽られていると感じて焦って急加速すると、前の車に追突するリスクが増加します。

    法定速度を守って走行しているにもかかわらず、後続車が「遅い」と感じて、車間を詰めてくる事象はよく発生します。このとき、焦って加速してしまうと、以下のような危険な状態に陥ります。

    安全確認がおろそかになる:スピードに意識が向くことで、通常できていた基本的な安全確認ができなくなる

    感覚がぼやける:車体感覚や空間把握力が低下し、接触のリスクが高まるほか、歩行者のわずかな挙動に驚いて不要な急ブレーキを踏んでしまうこともある

    「怖い」という感覚は、自分へのアラートです。この警告を無視せず、安全運転をキープしてください。

    なお、法定速度は一般道路で60km/h、高速道路は100km/hで、1km/hでもオーバーすると違反になります。標識などで指定された最高速度がある場合はそちらに従いましょう。

    参考
    [Q]スピード違反に対する処分とは?(JAF)

    脇見してライトを確認

    パッシングによってランプのつけ忘れや消し忘れを確認しようとして、脇見運転となり接触事故につながる可能性も。誤った判断が原因の事故では、「安全確認が不十分」とみなされる場合もあります。

    6.安全運転のための正しいパッシングの使い方

    もし自分がパッシングをする場合は、基本は「危険を知らせる(指摘)」だけで十分です。

    譲る(感謝)サインとしては使わないほうが安全と言えるでしょう。もし譲る場合は、手信号+減速がおすすめです。不要な点滅は相手を混乱させるので控えてください。

    7.まとめ:パッシングの意味を断定しないようにする

    パッシングには明確なルールはなく、道路上の優先権が変わるわけではありません。パッシングの意味を断定しないようにしましょう。譲られたように感じても、優先権を守って対応することが大事です。

    8.監修者コメント

    教習所では教わらなかったのに、公道に出るとパッシングは頻繁に使われていて「何だろう?」と戸惑うのが普通だと思います。

    パッシングは、いわば車同士の「会話」のようなものです。相手の意図が読み解けず不安になったときは、ぜひこの記事を読み返して、安全運転に役立ててください。

    沢村 秋岳
    監修
    沢村 秋岳(さわむら あきたけ)
    大学卒業後、ベンチャー企業にて研鑽を積む。自動車教習所での勤務を経て、2013年に出張型のペーパードライバー教習「サワムラガク東京」を設立。以来13年間で計13,000人を超える受講者を輩出。Googleのクチコミ件数は業界内でも圧倒的な件数で、平均4.9点という高評価を獲得している。

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