車の買取相場は、車の状態だけではなく、中古車市場動向や季節、為替などによっても変動します。つまり、車を売る最適な時期やポイントを知っておけば、古い車や走行距離が伸びた車でもより高い値段で売却できる可能性があります。
ここでは、1年のなかでも大きく変動する中古車の買取相場の調べ方や、より高く車を売るための具体的な方法、車を売却する際に気をつけたい点などを解説します。
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1.車の買取相場はどうやって決まる?
車を少しでも高く売るために、まず車の買取相場に関わる要素を理解しましょう。
人気の車種かどうか
原則として、人気や知名度が高い車種ほど買取価格が上がります。また、ボディタイプも買取価格に関係します。ミニバンや1BOXカーなどの実用車、維持費が安い軽自動車、コンパクトカーなど、実用性が高い車は安定した人気があり、SUVは時期的な流行のさなかにあります。スポーツカーは実用性には劣るものの車種によっては熱烈な人気があり、高値で取引されることもあります。
さらに、ボディカラーや装備も買取価格に影響します。万人に受け入れられやすい白・黒・シルバーなどの定番色は人気であるのに対し、赤や青、黄色のように派手な色は不人気色として価格が下がる傾向にあります。また、雪国で需要が高い4WDなどの機能や装備も相場に影響します。人気の車種はよく売れるため、在庫が少なくなると希少性が高まり、さらに値上がりする傾向にあります。
査定時期による影響
買取相場は常に変動しており、わずかな査定時期の違いでも買取価格は変化します。仕入れを強化する半期決算前の1〜2月や7〜8月は高額査定になりやすい時期です。
季節によっても人気が変動します。新生活が始まる3〜4月はコンパクトカーや軽自動車がよく売れ、レジャーに利用されるミニバンなどのファミリーカーは夏季休暇など大型の休みの前の時期に人気が高まります。暑い夏はオープンカー、雪が降る冬は4WDが人気です。
中古車販売店では傾向として車が売れる時期の前月あたりは買取を強化するため、買取相場も上がりやすくなります。つまり、需要が高まる少し前が車のベストな査定時期といえるでしょう。
車の状態
新しくきれいな車ほど買い手がつきやすいため、買取価格は高くなります。一方、年式と走行距離は車の価値のバロメーターとなるため、低年式車や多走行距離車ほど買取価格が落ち込みます。過去に大きな事故を起こし、車体骨格を修復・交換した事実も買取価格が下がる要因です。
また、外観の状態が悪いと機械部分まで悪い車と認識される傾向にあるため、極力外観をきれいに保つと査定額アップにつながります。さらに内装面においても、汚れや臭いはマイナス要素となります。きれいな状態を維持してきた車は古い車であっても相場より高値がつく場合があります。
円高・円安の影響
為替相場も中古車価格に影響します。円安になると車の輸出が増えるため、海外で人気の車種が高くなります。また、円高だと燃料価格が下がるため、車の需要が増えて買取価格の相場全体が上がる傾向にあります。
2.車の買取相場の調べ方
車の正確な買取価格は実際に査定してもらわなければ知ることができません。しかし、車種と年式、走行距離などに応じたおおよその相場であれば自宅などからでも調べることができます。その調べ方を解説します。
大手の買取業者の実績を調べる
手っ取り早く相場を知りたいなら、過去の買取実績を公開している買取業者のWebサイトを見てみましょう。車名・グレード・ボディカラー・年式・走行距離に応じた買取価格はもちろん、査定時期や買取場所などの情報まで公開している業者もあるため、似た条件の車を探せばおおよその査定額を知ることができます。中にはWebサイトで細かな条件を設定し、過去の買取価格を検索できる業者もあります。ただし、車の細かな状態は査定しなければわからないので、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
ディーラーの下取りシミュレーションを試す
一部の自動車メーカーやディーラーのWebサイトでは、車種や年式から下取り価格をシミュレーションできます。車種やグレード、年式、状態などを選択すればすぐに下取り査定額を提示してくれます。ただし、この査定額はあくまで参考価格となるため、一般的な買取価格よりも安くなりがちです。
一括査定サイトを利用する
車の買取価格を知るには、実際に査定してもらうのが最も確実です。とはいえ、1店ずつ買取業者を訪問して査定を受けるには多くの時間と労力がかかります。
手軽に買取価格の最高額を調べるなら、複数の業者へ同時に査定を申し込める「一括査定サイト」が便利です。車の情報を入力すれば、サイトに加盟する複数の業者が出張査定をしてくれるため、買取価格を比較しつつ、最も高く買い取ってくれる業者に売却できます。
一括査定サイトの利用は、車買取相場サイトでチェックするよりも入力作業が多くなり、場合によっては個人情報を入力する必要もありますが、より正確な今の買取相場を知ることができます。ただし、一括査定を申し込み後は買取業者から電話やメールが届くため、対応するだけの余裕がある時に活用することをおすすめします。
SOMPOダイレクトでもオンライン買取査定業者をご紹介しています。
3.車の買取相場を調べるときのポイント
インターネットなどで買取相場を調べる際に注意したい具体的なポイントを3つ解説します。
全国の買取データを参考にする
買取相場は必ず全国データを確認しておきましょう。県外にもネットワークがある業者の場合、さまざまなニーズを踏まえて買い取りを強化している可能性があります。例えば、融雪剤の影響で車体が錆やすい雪国では雪が降らない地域の車が人気となっているようなケースです。海外人気が高い車種に輸出用として高値をつける業者もありますし、希少な車は価格や場所に関わらず高値がつきます。また、ネットワーク網が整った業者は輸送費用を抑えられるため、人気の車であれば遠方からでも車を買い取りたいと考える場合もあります。
過去6ヶ月~1年の買取相場を調べる
前述した通り、車の価格相場は時期によって変動します。また、ファッションのように流行が変化するうえ、ドラマや映画・漫画・アニメの影響で爆発的に人気が高まることもあります。そのため、売却したい車の買取相場は年式に関わらず直近かつ6ヵ月~1年間の情報を参考にしましょう。
年式や走行距離、査定時期のデータもチェックする
年式と走行距離は査定額に直結しますので、まずは何よりチェックすべき項目です。条件が近い車の実績価格を参考にすることで、実際に査定に出した場合に近い買取相場を知ることができます。また、市場や業者の在庫状況でも価格は変わるため、査定時期のデータも重要な情報となります。
4.買取査定を受ける前に確認しておくべきこと
車を売る際の流れは以下の通りです。
- 査定の申込み
- 実車の査定
- 査定結果の報告
- 売却契約
- 車両の引き渡し&入金確認
査定の申込みの前には、洗車や車内清掃、簡易的な整備や補修など、手軽に車の見栄えを良くできることは積極的に行いましょう。大切に乗られた車であることをアピールできれば査定額アップにつながる可能性があります。
一方、大きな損傷や故障がある車はあえて修理をせず、そのまま査定に出すのが得策です。大抵の場合、修理後の査定額よりも修理費のほうが高額になるため、結果的に損をしてしまう恐れがあります。また、事故歴や修復歴がある場合は隠さず正直に伝えましょう。どれだけきれいに修理したとしても修復箇所は露見します。査定後にその事実が発覚すると、買取を断られたり、違約損害金を請求されたりする恐れもあります。
売却契約が完了すれば車両を引き渡すことになります。その際は、カーナビに登録していた個人情報を確実に消去しておきましょう。またドライブレコーダーやオーディオ内に入れたメディアを抜き忘れていないか、トランクやグローブボックスなどに忘れ物がないかの確認も必須です。
5.車を売るならいつがいい?査定額を上げるポイント
車の価値は購入から時間が経つにつれてどんどん落ちていきます。年式と走行距離は査定額に大きく影響するため、走行距離は5万km、10万kmなどの大台に乗る前の査定をおすすめします。
また、モデルチェンジ発表後のタイミングは現行モデルの流通が増えることを見越して売値が下がる傾向にあります。売却を決めたらなるべく早く査定を依頼しましょう。
6.まとめ
大切に乗った車であればあるほど高値をつけて売り出したいと思うのが心情でしょう。しかし本文中にもある通り、車の査定額は、市場動向や季節、為替などの外的要因によって所有者の思惑とは裏腹に上下してしまいます。
つまり、具体的な価格がつけづらい中古車を高く売るには、車の状態だけでなくタイミングが重要となります。車に応じたベストな売却時期にあわせて査定のタイミングを調整し、より愛車に高い値段をつけて売り渡すことができるよう、買取相場の傾向はしっかり把握しておきましょう。