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ガス欠の症状や前兆とは?対処法も解説

更新

2022/06/08

公開

2022/06/08

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ガス欠はメーターさえしっかりと確認しておけば防げるトラブルです。しかし、高速道路上での渋滞や大雪による立ち往生など、給油がままならない状況では誰にでも起こり得るトラブルでもあります。

ここでは、いざガス欠になっても慌てないよう、ガス欠が起こる前の前兆やガス欠になった場合の対処法、ガス欠を防ぐための方法などを解説します。

目次

    1.ガス欠の前兆で起こる車の症状とは

    車には燃料メーターや残量警告灯が装備されており、メーターのメモリが「E」に近づくことや給油ランプが点灯することで燃料の減り具合を知ることができます。燃料が残り少なく、かつ以下のような症状が起こる場合は、ガス欠寸前だと判断できます。

    スピードが出なくなる

    エンジンに供給されるべき燃料がないためエンジン回転数が上がらなくなります。その状態ではアクセルペダルを踏んでもスピードが出なくなります。

    エンストを起こす

    燃料が少なくなると車体の傾きなどによって燃料がうまく供給されず、エンジンが停止する場合があります。エンストが頻発したり平地でエンストを起こしたりするようであればガス欠直前です。

    エンジンや排気音に異常が発生する

    エンジンが安定して稼働するためには空気に対して適切な量の燃料が必要であるため、ガス欠によって十分な燃料を確保できないエンジンは燃焼が不安定になります。その結果、エンジンから異常な音や振動が発生し、排気音の異常なども起こります。

    2.ガス欠になったら最初にすべきこと

    一般道でガス欠になったら、まずは追突などの二次災害を防ぐための安全確保が大切です。ハザードランプを点灯させて周囲に異常を知らせましょう。

    ガス欠になったとしても、いきなり車が完全停止してしまうわけではありません。惰性で走行できているうちに安全な場所に車を寄せます。ただし、エンジンが停止するとハンドルやブレーキペダルが重くなるため、強く力を込めなければ操作することはできません。道路を塞ぐようなかたちで停止してしまった場合は、周囲の交通に気を付け速やかに安全な路肩などに車を押して移動させます。

    高速道路でガス欠になった場合は、車の移動よりも先に発煙筒を使い後続車両に注意を促しましょう。三角停止板は視界状況に応じて、停止車両の50m以上後方に置きます。

    3.ガス欠になった際の対処方法

    ガス欠に陥ると、当然エンジンはかからなくなります。ガス欠で自走できなくなった場合の対処方法を解説します。

    ロードサービスを利用する

    ガス欠を起こしたら、JAFもしくはご加入中の任意保険に付帯されているロードサービスを利用するのがもっとも確実です。サービスカーがその場に駆けつけて燃料を補給してくれます。ただし、保険付帯のロードサービスの場合は無料で行える給油回数や燃料が限られている場合があるため、事前に保険内容を確認しておきましょう。なお、電気自動車が電池切れを起こした場合はその場で充電はできないため、最寄りの充電施設にレッカー等で移動してもらう必要があります。

    知り合いの車に牽引してもらう

    別の車に牽引してもらいガソリンスタンドまで移動する方法もあります。750kg以上の車両を牽引する場合は本来であれば牽引免許が必要ですが、故障などのやむを得ない場合限り免許なしでの牽引が認められています。

    ガス欠車両を牽引するには、車同士を5m以内の間隔を保持して丈夫なロープでつなぎ、ロープに30cm四方以上の白い布を付ける必要があります。牽引が必要になる場合に備えて、牽引ロープと白い布を車に常備しておくとよいでしょう。

    また、牽引されるガス欠車にはその車両を運転できる免許保有者が乗車し操作しなくてはなりません。前述したように、エンジンがかからない車はハンドルやブレーキペダルが重くなりますが、それでも牽引される車を適切に操作しなければ、牽引車両への追突や、ロープが切れるなどの事態に陥ってしまう恐れがあります。

    携行缶を使って給油する

    ガソリンスタンドで携行缶に給油してもらい、それを車に移す方法もあります。ただし、携行缶に給油してもらう際には本人確認と使用目的の確認が求められます。法律上や業務上の理由で携行缶への燃料給油ができないガソリンスタンドもある他、セルフスタンドで携行缶に給油する際は従業員でなければ給油できないと消防法で定められています。

    自力で近くのガソリンスタンドを目指す

    ギアをニュートラルに入れれば、小型車程度なら人の力でも押し動かすことができます。運転席のドアを開けてハンドル操作をすれば1人でも動かせます。ただし、上り坂や下り坂を押し動かすのは非常に危険です。渋滞の原因にもなるため、車を押して動かすのは平地で、かつ見える範囲にガソリンスタンドがある場合に限られます。

    4.ガス欠を未然に防ぐためには

    次に、ガス欠を防ぐための心構えや備えについて紹介します。

    こまめにガソリンメーターを確認する

    ガス欠を防ぐには、メーターで燃料残量を常にチェックしておくことが大切です。特に、知らない土地に向かう際や高速道路で長距離移動をする際、大雪警報などが発令されている場合は、渋滞や立ち往生に遭遇するなどの不測の事態に備えてあらかじめ燃料を満タンにしておきましょう。ハイブリッドカーなど優れた燃費性能が魅力の車であっても、その性能を過信しすぎないことが大切です。

    燃料が少なくなると点灯する燃料残量警告灯は、点灯からおおむね50km程度走行できるタイミングで点灯するように設定されています。しかし、実際の走行可能距離はエアコンの使用や乗員人数、速度や傾斜などの走行環境によって変わります。また、一部車両のメーターに表示されている残燃料をもとにした航続距離計も同じく概算であり、正確な走行距離を示すものではありません。

    携行缶を準備しておく

    ホームセンターやカー用品店などで販売されている携行缶に燃料を積んでおけば、いざガス欠になっても安心です。携行缶は自動車用燃料専用のものを準備し、取扱説明書をしっかりと確認してください。長期保管された燃料が変質してエンジン不調の原因となったり、古くなった携行缶が劣化・破損し燃料漏れを起こしたりする危険があるため、必要な時だけ燃料を入れて車に積むようにしましょう。

    5.監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント

    ガス欠はJAFの出動理由の中でも常にトップ10に入るほど頻繁に起きているトラブルです。まずは常にメーターをチェックする習慣づけをしましょう。

    特に高速道路を走行する際には事前のメーターチェックが不可欠です。高速道路にはおおよそ50km間隔でガソリンスタンドがあるものの、場所によっては150km以上に渡ってガソリンスタンドがない空白区間も存在します。一方、そうしたガソリンスタンド空白区間では、高速道路を降りても1時間以内に戻れば料金が加算されない「高速道路外給油サービス」をETC搭載車限定で試験的に運用している場所もあります。

    なお、高速道路上でのガス欠を含む整備不良による停車は「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」の罰則に該当し、反則点2点と普通車9,000円、二輪車7,000円の反則金が課せられます。交通違反を起こさないという観点からも、ガス欠の回避はドライバーの大きな責務だと言えるのです。

    監修:株式会社 日本交通事故鑑識研究所

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