火災保険ガイド
火災保険料は控除を受けられる?地震保険料控除の金額や申請方法を解説
最終更新日:2026/1/26
火災保険は原則として控除の対象外ですが、地震保険や、一定の条件を満たす旧長期損害保険契約に対する保険料については、所得控除(地震保険料控除)の対象となる場合があります。本記事では火災保険が控除の対象になる条件や、地震保険料控除の金額・申請方法などを解説します。
火災保険は保険料控除の対象になる?
火災保険に加入している方の中には「保険料を支払っているなら税金の控除が受けられる」と考えている方も多いでしょう。しかし、火災保険料そのものは保険料控除の対象ではありません。地震保険とセットで契約している場合、地震保険料のみが控除対象となります。
火災保険は保険料控除の対象ではない
火災保険は、火災・落雷・風災などで建物や家財に生じた損害を補償するための保険で、税法上では保険料控除の対象外とされています。
そのため火災保険料を支払っても、年末調整や確定申告で所得控除を受けることはできません。(旧長期損害保険契約に対する経過措置は除きます)
「損害保険料控除」は廃止されている
過去には火災保険料なども対象とした「損害保険料控除」という制度が存在しました。しかし、この制度は平成18年の税制改正により廃止され(※)、平成19年1月1日以降に契約した保険からは適用されなくなりました。
現在では、地震保険料など地震保険料控除の対象となる保険料を除き、火災保険料は所得控除を受けることはできません。
(平成18年12月31日以前開始の一部長期損害保険契約については、地震保険料控除制度の経過措置として控除対象となる場合があります。)
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国税庁「No.1145 地震保険料控除」参照
地震保険に付帯している場合は控除の対象になる
火災保険と地震保険をセットで契約している場合、地震保険料部分のみが保険料控除の対象になります。これは「地震保険料控除」と呼ばれる制度で、地震や噴火、津波による損害を補償する保険に加入している人が控除を受けられる仕組みです。
そのため、火災保険料の中に地震保険料が含まれている場合は、その部分だけを確定申告または年末調整で申告すれば控除を受けられます。
地震保険料控除とは?
地震保険料控除とは、地震・噴火・津波などによる損害を補償するために支払った地震保険料が所得控除の対象になる制度です。
地震保険料控除の対象となる契約の条件
地震保険料控除を受けるためには、控除を受ける本人、または本人と生計をともにする配偶者や親族が所有し、居住・生活用の建物や家財を対象とした地震保険契約であることが必要です。
もし、居住用の建物ではない場合は、控除の対象外となるため注意しましょう。別荘や空き家、賃貸アパートなど、契約者やその親族が常時居住していない建物を対象とする地震保険は地震保険料控除の対象外です。
また、店舗併用住宅等の場合は、住居に使用している面積が全体の90%以上だと、地震保険料の全額が控除の対象となります。90%未満の場合は、居住部分の割合に応じて控除対象額を按分して計算します。(※)
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国税庁「法第77条《地震保険料控除》関係」参照
火災保険と地震保険のセット契約の扱い
多くの保険会社では火災保険と地震保険をセット契約として販売しています。火災保険部分は控除対象外であり、地震保険部分だけが控除対象となります。契約時に保険料が一括で表示されている場合でも、内訳として地震保険料が明記されているため、その金額をもとに控除額を算出します。
たとえば、年間の総保険料が40,000円で、そのうち地震保険料が10,000円の場合、控除対象となるのは10,000円分のみです。保険会社から発行される「地震保険料控除証明書」に記載されている金額をもとに申告すれば間違いがおこる心配はありません。
地震保険料控除の金額
地震保険料控除で受けられる控除額は、支払った地震保険料の金額に応じて決まります。所得税と住民税では控除額の上限が異なるため、それぞれの内容を確認しておきましょう。(旧長期損害保険料がある場合は、別途経過措置に基づく計算方法があります)
所得税
所得税における地震保険料控除額は、以下のとおりです。
| 支払保険料が50,000円以下の場合 | 支払った保険料の全額 |
| 支払保険料が50,000円を超える場合 | 一律で50,000円 |
つまり、所得税の控除上限額は50,000円です。たとえば、地震保険料を年額30,000円支払っている場合、その全額が所得控除の対象となります。一方で、70,000円を支払っている場合でも、控除されるのは上限の50,000円までです。
住民税
住民税では、所得税よりも控除上限額が低く設定されています。
| 支払保険料が50,000円以下の場合 | 支払った保険料の全額×0.5 |
| 支払保険料が50,000円を超える場合 | 一律で25,000円 |
つまり、住民税での控除上限額は25,000円となります。たとえば、地震保険料が20,000円の場合は10,000円分、50,000円の場合は25,000円分の控除が適用されます。
地震保険料控除の申請方法
地震保険料控除を受けるためには、年末調整または確定申告で申請手続きを行う必要があります。自動的に控除されるわけではないため、証明書の提出を忘れないように注意しましょう。
年末調整
会社員や公務員など、給与所得者の場合は勤務先で行う年末調整によって控除を受けられます。以下の手順で申請を行いましょう。
- 1.
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保険会社から送付される「地震保険料控除証明書」を用意する
- 2.
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「給与所得者の保険料控除申告書」に支払った保険料と保険会社名を記入する
- 3.
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控除証明書を申告書に添付して勤務先へ提出する
年末調整では、控除証明書の原本が必要になります。紛失した場合は、保険会社に再発行を依頼しましょう。また、複数の地震保険に加入している場合は、すべての証明書をまとめて提出する必要があります。
確定申告
自営業者やフリーランス、または年末調整を受けなかった人は、確定申告で地震保険料控除を申請します。申請方法は以下のとおりです。
- 1.
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確定申告書の「所得控除」欄に地震保険料控除の金額を記入
- 2.
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保険会社から送付された控除証明書を添付
- 3.
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税務署に申告書を提出する(電子申告も可)
確定申告は毎年2月16日〜3月15日頃に行われます。e-Tax(電子申告)を利用すれば、自宅から手続きが完結するため便利です。特に自営業者の場合は、地震保険料控除を忘れて申告してしまうケースが多いため、注意しましょう。
地震保険料控除証明書の取得方法
地震保険料控除を申請するためには、地震保険料控除証明書の提出が必須です。地震保険料控除証明書は保険会社が契約者に対して毎年発行するもので、地震保険料の支払金額や契約内容を証明する書類となります。
郵送で取得する
多くの保険会社では、毎年10月〜11月にかけて地震保険料控除証明書を契約者宛に郵送で自動送付しています。万が一紛失してしまった場合でも、再発行の依頼が可能です。再発行手続きの方法は以下のとおりです。
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保険会社のコールセンターまたは公式サイトから再発行を申請する
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契約者情報(氏名・住所・証券番号など)を伝える
- 3.
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数日〜1週間ほどで再発行書類が届く
再発行手続きは無料で行える場合がほとんどです。確定申告や年末調整に間に合うように、早めに申請しておきましょう。
電子データをダウンロードする
一部の保険会社では、マイページや専用アプリから控除証明書を電子データとしてダウンロードできます。電子データ(PDF)は、e-Taxなどの電子申告にも利用可能です。郵送書類を待つよりも早く入手できるため、忙しい方やペーパーレスを希望する方におすすめです。
しかし、電子データを使用する場合はデータ形式が税務署指定の形式に対応しているかを確認してください。対応していない場合は、紙の証明書を提出する必要があります。
地震保険控除に関する注意点
地震保険料控除を正しく受けるためには、いくつかの注意点があります。控除の上限や申告時の条件を正しく理解していないと、控除が適用されないケースもあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
控除の上限額が決まっている
地震保険料控除には上限があり、地震保険料部分については所得税では5万円、住民税では2万5,000円までしか控除されません。そのため、年間に支払った保険料がそれ以上であっても、控除額が増えることはありません。
また、複数の保険契約を持っている場合でも、すべての地震保険料を合算して上限額が適用されるため注意してください。
控除証明書がなければ申告できない
地震保険料控除を申告する際は、地震保険料控除証明書の提出または添付が必須です。証明書を紛失した場合、たとえ保険料を支払っていても控除を受けられない可能性があります。
そのため、証明書が届いたら申告が終わるまで大切に保管し、万が一紛失した場合は再発行を早めに依頼しましょう。
納税者本人が保険料を支払っている必要がある
地震保険料控除を受けるには、納税者本人が保険料を支払っており、かつ、本人または生計を一にする配偶者やその他の親族が所有する家屋・家財を対象とした保険であるという要件を満たしている必要があります。
SOMPOダイレクトのじぶんでえらべる火災保険
控除を受けつつ、万が一の災害に備えたいとお考えの方におすすめなのが、SOMPOダイレクトの「じぶんでえらべる火災保険」です。火災保険に地震保険を付帯することで、地震による損害にも備えることができます。
ダイレクト型で保険料がお手頃なうえ、補償内容を自由にえらべるのが魅力です。内容が充実した保険をお探しの方は、SOMPOダイレクトの「じぶんでえらべる火災保険」への加入を検討してみてください。
火災保険の控除について知っておきたいこと
火災保険や地震保険の控除に関する知っておきたい情報を紹介します。控除の申請に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
Q. 火災保険料は年末調整で控除できますか?
火災保険料そのものは、年末調整での控除対象外です。しかし、火災保険に地震保険が付帯されている場合は、地震保険料の部分のみが「地震保険料控除」として控除対象になります。
控除を受けるためには、保険会社から送付される地震保険料控除証明書を提出する必要があります。
Q. 火災保険と地震保険をセットで加入している場合はどうなる?
火災保険と地震保険をセット契約している場合は、火災保険分は控除対象外、地震保険分のみが控除対象です。
保険会社から送られてくる地震保険料控除証明書に記載された金額を基に年末調整や確定申告を行いましょう。
Q. 持ち家ではなく賃貸でも控除は受けられる?
地震保険料控除の対象は、自己または生計を一にする配偶者その他の親族が所有する住宅または家財に対して契約した保険に限られます。
そのため、賃貸物件に住んでいる場合、家財保険に地震保険を付帯していなければ控除を受けられません。
Q. 法人契約の火災保険は経費になる?
法人契約の火災保険料は、個人の所得控除ではなく法人の経費として計上できます。
しかし、経費処理できる範囲は「事業用の建物・設備」に限られるため、個人の住居部分などは対象外となります。詳しくは税理士や会計担当者に確認しましょう。
Q. 控除証明書が届かないときはどうすれば良い?
毎年10月〜11月頃に保険会社から郵送されるのが一般的ですが、届かない場合は再発行の申請を行いましょう。保険会社のコールセンターやマイページから簡単に手続きが可能です。
火災保険は控除対象外だが節税できる場合もある
火災保険料そのものは所得控除の対象ではありませんが、地震保険料控除を活用することで節税が可能です。控除を受ける際は地震保険料控除証明書を用意し、年末調整または確定申告で申告手続きを行いましょう。不安がある場合は保険会社や税理士、火災保険の見直し相談ができる専門窓口に相談するのがおすすめです。
監修者プロフィール
熊谷 聡史(くまがい さとし)
ファイナンシャル・ジャパン株式会社所属/エグゼクティブ・ファイナンシャルコンサルタント
法人・個人を問わず、損害保険・生命保険の最適設計を多数手がける。特に企業リスクマネジメントや事業承継対策に強く、経営者向け保険・退職金制度設計など幅広い分野で実務経験を持つ。分かりやすく誠実な助言に定評があり、また上級相続診断士としての講演・執筆活動も行っている。
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