最終更新日:2023/11/8

火災保険を使うデメリットはある?保険金を請求する方法や注意点を解説

火災保険に加入していて保険金を請求した場合、デメリットはあるのでしょうか。例えば、自動車保険は契約中に事故を起こして保険を使うと、翌年度の等級が下がって更新後の保険料が高くなることがあります。そのため、火災保険にも同じようなデメリットがあるのではと考える方もいるかと思います。

本記事では、火災保険を使うデメリットがあるのか、実際に火災保険の保険金を請求する方法や注意点とあわせて解説します。万が一住宅などが何らかの損害を受けたときのために、火災保険の正しい知識を身につけましょう。

火災保険とは?

火災保険とは、火災のほか、風災・雹(ひょう)災・雪災・水災といった自然災害、水濡れ、盗難などによる損害、またそれらの損害発生に付随する費用などを補償する保険です。

「火災保険」という名前ですが、実際には建物や家財の損害を幅広く補償する損害保険です。

火災保険は自宅の失火だけではなく、隣家からのもらい火など類焼による損害への備えにもなります。失火元は、失火責任法により「重大な過失」がなければ損害賠償責任を負いません。隣家の失火により自宅が燃えても、ほとんどのケースで隣家に損害賠償を請求できないのです。このようなもらい火で自宅が焼失したときも、ご自身で加入している火災保険から保険金が支払われます。

ただ自宅からの失火で隣家に損害を与えてしまった場合でも、火災保険は役立ちます。法律上の賠償責任はなくても、損害を与えてしまったことに対する近隣住民への心理的な負担は生じます。火災保険に「類焼損害補償特約」や「失火見舞費用特約」をつけていれば、隣家へ見舞金などを支払うときの金銭的な負担を軽減できます。
SOMPOダイレクトの「じぶんでえらべる火災保険」では「諸費用補償特約」で失火見舞費用が補償されます。

このように、火災保険は火災や自然災害、盗難などによるさまざまな経済的なリスクから、ご自身やご家族の生活を守ってくれるものです。

火災保険を使うのにデメリットがない理由

結論からお伝えすると、火災保険を使っても特にデメリットはありません。ここでは、その仕組みを具体的に解説します。

保険金を請求しても保険料は高くならない

火災保険を使って保険会社から保険金を受け取っても、保険の対象である建物や家財が全焼するなどして契約が終了する場合を除いて保険金額は減らず、契約時の金額に復元されるのが一般的です。

これは「保険金額自動復元方式」といわれる方式で、個人向けの火災保険で採用されています。

保険金額自動復元方式の火災保険では、1請求あたりの保険金支払額が保険金額に満たない場合、もしくは保険金額80%相当を下回る場合、2回目以降も当初の保険金額を上限として損害額に応じた保険金を請求できます。

復元される保険金額に対して追加で保険料を支払う必要はなく、保険を使っても保険料は高くなりません。

ただし、基本補償の保険金額は復元されても、特約の保険金額は復元されないケースがあります。

例えば、SOMPOダイレクトの「じぶんでえらべる火災保険」の「高額貴金属美術品等補償特約」の場合、盗難補償特約(家財)によって補償される盗難などの場合では、1契約年度で100万円が限度額となっています。そのため、この特約から同じ契約年度内に70万円の保険金を受け取っている場合、2回目に請求できる保険金額の上限は30万円となります。

保険開始日が2013年6月1日以降の契約の場合

支払事由に該当した場合は保険金を受け取る権利がある

火災保険の保険金の支払事由に該当した場合、被保険者は保険金を請求して受け取る「権利」があります。「義務」ではないので保険を使うかどうかは自由です。

保険金の請求には手間がかかりますが、損害が小さく受け取れる保険金がわずかなケースを除けば、メリットが上回るケースが多いといえます。

もし受け取れる保険金が少額なら請求しなくても良いと感じる方は、あらかじめ免責金額(自己負担額)を設定しておくと良いでしょう。

免責金額とは、保険金支払対象になる損害額のうち自己負担となる金額のことです。損害額が免責金額以下であれば、保険金は支払われないため、請求する必要もありません。

免責金額を設定すると設定した自己負担額を差し引いた保険金しか受け取れませんが、保険料を抑えられるメリットがあります。

火災保険を使うときに注意すること

火災保険を使うときに注意すること

先述のとおり、火災保険を使うデメリットはありませんが、注意すべき点はあります。ここでは火災保険を使うときに注意すべき3つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント1:保険金の請求には3年の時効がある

火災保険の保険金には3年の時効があります。これは保険法によって定められており、保険金を請求する権利が生じたとき(保険金の支払事由となる損害が発生した日の翌日)から3年経つと、原則として請求権が消滅します。

ですので、保険金を請求する権利が発生した時点から3年以内であれば、損害を受けた箇所を修理したあとでも保険金の請求が可能です。

ただし、損害状況や支払事由となる事故と損害との因果関係を立証できないと、保険金額が減額されたり、支払われなかったりする可能性があります。損害状況を写真に残しておく、罹災証明や修理費用の請求書・領収書を保管しておくなど、損害を証明できる証拠を残しておくことが大切です。

大規模災害の場合など、時効後も例外的に保険金が支払われるケースもあります。まずは保険会社に問い合わせてみましょう。

ポイント2:保険金額の80%相当以上を受け取ると契約が終了する

火災保険は、一般的に1回の請求で保険金額の80%相当を超える金額を受け取ると「全損」扱いとなり、損害が発生した時点にさかのぼって火災保険契約が終了します。このとき、火災保険にセットした特約や地震保険も契約終了となります。

しかし、保険金額の全額の受け取りを条件とする保険会社もあるなど、保険会社によって対応が異なります。詳しくは各保険会社の火災保険の契約内容を確認しておくと安心です。

ポイント3:保険金請求代行業者に注意する

火災保険の保険金請求手続きは、それほど難しくありません。しかし、「初めての請求で不安」「大きな災害後で手間や負担をかけたくない」といった理由で代行業者に保険金請求を依頼し、トラブルになるケースが増えています。

トラブルの例としては、高額な手数料を要求する、修繕工事まで行って保険金では払いきれない高額な修繕費を請求するなどさまざまです。なかには、わざと家屋を損傷させて保険金を請求する詐欺行為を行う業者もいます。

火災保険の保険金請求手続きは、契約している保険会社や保険代理店に無料で相談でき、サポートを受けられます。不安や疑問な点があれば、まずは保険会社や保険代理店に問い合わせましょう。また、日本損害保険協会などでも注意喚起を呼びかけるホームページを開設しているので、参考にすると良いでしょう。

火災保険の使い方とは?申請の流れ

実際の一般的な火災保険の保険金請求から受け取りまでの流れは次のとおりです。

保険会社または、契約した代理店に損害発生を連絡する

保険金請求に必要な書類を受け取る

請求書類を記入し、提出書類とあわせて保険会社に提出する

保険金支払額確定後、保険金を受け取る

多くの保険会社では、基本的にこのような流れで保険金が支払われます。保険会社に提出する書類には、保険会社より送付された保険金請求書のほか、損害物の写真や業者による修理見積書などがあります。

また、SOMPOダイレクトをはじめとした多くの保険会社が24時間365日・年中無休で、電話による事故受け付けに対応しています。

LINEの公式アカウントから質問も可能

前述のとおり保険金請求の手続きには揃えなければならない書類も多いため、手順などに不安がある場合はスマホアプリのLINEで手続きに関する不明点などに答えてくれる保険会社もあります。

例えば「じぶんでえらべる火災保険」では、保険会社に電話で損害を報告したあとは、事故対応の専任担当者とのやりとりをLINEでスムーズに行うことができます。文章だけでなく、写真もLINEで送信可能なので便利です。

火災保険を使うデメリットはない。注意点を理解したうえで利用を検討しましょう

火災保険を使うデメリットはありません。自動車保険のように、保険を使ったら更新時に保険料が高くなることもありません。

また、保険金を請求する権利には時効があり、損害を受けてから時間が経つほど損害状況や因果関係の立証も難しくなってしまいます。忘れずに早めに請求するようにしましょう。

火災保険の仕組みを知って、日常生活での安心に役立てましょう。

監修者プロフィール


竹国 弘城

竹国 弘城

証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自分のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうためのサポートを行う。【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®

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