すでに車を所有しているものの、結婚や子どもが産まれるなどライフスタイルの変化によって、新たにもう1台購入することを検討している方もいると思います。
2台目を購入すべきかどうか判断するためには、車を2台持つことにはどのようなメリットや注意点があるのかを把握しておくべきでしょう。また、車を2台持つにあたっては維持費も気になるポイントです。
本記事では、2台目の車を所有するメリットや注意点、車を2台所有することによって増える維持費などを説明します。
- 目次
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1.2台目の車を所有するメリット
2台目の車を所有するメリットは、主に以下が挙げられます。
- 他の家族と使いたいタイミングが被っても車を利用できる
- 通勤や買い物など用途に応じて車を使い分けられる
- それぞれの車の負担や消耗を軽減できる
- 修理や車検に出す際に代車が必要ない
それぞれのメリットについて、詳しく説明します。
他の家族と使いたいタイミングが被っても車を利用できる
1台の車を家族で共有して利用する場合、ご自身が車を使いたいタイミングと家族の誰かが車を使いたいタイミングが重なるなどの不自由も出てくるかもしれません。しかし車が2台あると、例えば家族が通勤に車を使っても、もう1台の車を使ってスーパーに買物に行ったり友人とドライブに行ったりすることが可能です。
車を2台所有することで、行動の自由度が増すのは大きなメリットといえます。
通勤や買い物など用途に応じて車を使い分けられる
例えば、セダンタイプの車は通勤時の利用には向いていますが、週末に家族でレジャーに行く場合は、多くの荷物を積みたい場合などに手狭に感じる場合もあります。
反対に、大型のワゴンタイプの車は荷物を多く積めるので、家族でレジャーに行ったり帰省したりするときには便利ですが、通勤に利用するには小回りが利きにくく不便と感じる場合があるかもしれません。
タイプの異なる車を2台所有することで、用途に応じて車を使い分けることができるというメリットがあります。
それぞれの車の負担や消耗を軽減できる
車を長く使用していると負担や消耗が進みますが、車を2台所有して使い分けていれば、それぞれの車の負担や消耗の進行を抑えやすく、結果的に車を長く使い続けられます。
また、車の劣化が抑えられることで、万が一車を売却する際の買い取り価格も下がりにくいかもしれません。この点は、将来的に車の売却を検討している方にとってはメリットと感じられるでしょう。
修理や車検に出す際に代車が必要ない
車が何らかの理由で故障したり、車検に出したりする際には代車を借りることができる場合があります。
しかし、もし車を2台所有していれば修理や車検に出す際にはもう1台を利用すれば良いため、代車を手配する必要がありません。
また、代車に空きがなく借りられない場合があるほか、代車の車種が普段から利用している車とは異なることで使い勝手が分からなく不便に感じる場合でも、車を2台所有していることでリスクヘッジになります。
2.2台目の車を所有する際の注意点
2台目の車を所有する際の注意点としては、「2台分の駐車場を確保する必要がある」「維持費が増す」などが主に挙げられます。それぞれの注意点について、詳しく説明します。
2台分の駐車場を確保する必要がある
自宅に2台分の駐車スペースがある場合は特に問題ありませんが、駐車場併設のマンションやアパートなどでは、もう1台分の駐車スペースを新たに用意しなければなりません。
なお、駐車場が自宅から直線距離で2km以内でないと、車庫証明が発行できません。そのため、2台目の駐車スペースを確保する場合は、自宅からの距離にも注意する必要があります。
なお、車庫証明については下記の記事でも紹介しておりますので、併せてご覧ください。
車の維持費が増す
車を所有していると、毎年支払う自動車税種別割などの税金や車検、保険料やガソリン代などの維持費が発生します。
こうした維持費が増すことを踏まえ、2台目の車を購入する際には、車を購入費用だけでなく維持費についても考慮する必要があるでしょう。
3.車の2台持ちでかかる維持費はどのくらい?
車の維持費には、自動車税種別割などを含む税金や任意保険料、車検費用などさまざまあり、それらの費用は車の種類や排気量によって異なります。
支払い時期は各維持費によって異なりますが、自動車税種別割は1年に1回、任意保険料は基本的に1年に1回(契約内容によって異なる)、車検費用は2年に1回となります。
維持費は、車種によって異なります。「軽自動車と普通車(排気量1.5L)」「軽自動車と普通車(排気量2.5L)」「普通車(排気量1.5L)と普通車(排気量2.5L)」を2台持ちした場合にかかる年間の維持費の目安を、それぞれ表にまとめました。
項目 | 軽自動車と普通車 (排気量1.5L) |
軽自動車と普通車 (排気量2.5L) |
普通車(排気量1.5L)と 普通車(排気量2.5L) |
---|---|---|---|
自動車税 種別割 | 41,300円 軽自動車:10,800円 普通車(1.5L):30,500円 |
54,300円 軽自動車:10,800円 普通車(2.5L):43,500円 |
74,000円 普通車(1.5L):30,500円 普通車(2.5L):43,500円 |
自動車重量税 | 28,700円 軽自動車:12,300円 普通車(1.5L):16,400円 |
28,700円 軽自動車:12,300円 普通車(2.5L):16,400円 |
32,800円 普通車(1.5L):16,400円 普通車(2.5L):16,400円 |
自賠責保険料 | 25,250円 軽自動車:12,550円 普通車(1.5L):12,700円 |
25,250円 軽自動車:12,550円 普通車(2.5L):12,700円 |
25,400円 普通車(1.5L):12,700円 普通車(2.5L):12,700円 |
任意保険料 | 74,000円 軽自動車:36,000円 普通車(1.5L):38,000円 |
74,000円 軽自動車:36,000円 普通車(2.5L):38,000円 |
76,000円 普通車(1.5L):38,000円 普通車(2.5L):38,000円 |
車検代 | 50,500円 軽自動車:22,500円 普通車(1.5L):28,000円 |
55,000円 軽自動車:22,500円 普通車(2.5L):32,500円 |
60,500円 普通車(1.5L):28,000円 普通車(2.5L):32,500円 |
ガソリン代 | 77,800円 軽自動車:38,000円 普通車(1.5L):39,800円 |
80,800円 軽自動車:38,000円 普通車(2.5L):42,800円 |
82,600円 普通車(1.5L):39,800円 普通車(2.5L):42,800円 |
メンテナンス費用 | 33,000円 軽自動車:15,000円 普通車(1.5L):18,000円 |
35,000円 軽自動車:15,000円 普通車(2.5L):20,000円 |
38,000円 普通車(1.5L):18,000円 普通車(2.5L):20,000円 |
駐車場代 | 348,000円 軽自動車:174,000円 普通車(1.5L):174,000円 |
348,000円 軽自動車:174,000円 普通車(2.5L):174,000円 |
348,000円 普通車(1.5L):174,000円 普通車(2.5L):174,000円 |
合計 | 678,550円 軽自動車:321,150円 普通車(1.5L):357,400円 |
701,050円 軽自動車:321,150円 普通車(2.5L):379,900円 |
737,300円 普通車(1.5L):357,400円 普通車(2.5L):379,900円 |
※自動車税種別割・軽自動車税種別割は2023年1月時点の金額です。また、2019年10月1日以降に初回登録した車に適用される金額です。
※自賠責保険料は本州在住の場合の金額です。
※車検費用は自賠責保険料を除いた金額です。
※ガソリン代はレギュラー(167円/L)を年間5,000km走行した場合の金額です。
※メンテナンス費用とは車の修理代や消耗品の交換費用などを足したものです。
上の表でまとめた維持費の負担を踏まえたうえで、車を2台所有する場合の車種などを検討するのも良いでしょう。
4.維持費を抑えながら車を2台持ちする方法
維持費を抑えながら車を2台持ちするためには、「2台目は軽自動車や排気量の小さな車にする」「車の利用状況に合わせて自動車保険に加入する」などを検討するのも良いでしょう。それぞれについて、以下で詳しく説明します。
2台目は軽自動車や排気量の小さな車にする
先ほど少し触れたように、車の維持費は車の種類や排気量によって異なります。車の排気量が増えるほど維持費が高くなる傾向にありますが、近隣のスーパーに買い物に行く際に利用するのが主な用途なのであれば、大きな車ではなく軽自動車などでも事足りる場合もあります。
例えば、1台目がワゴンタイプの車だったとしても、2台目を軽自動車や排気量の小さな車にすることで、自動車税種別割・軽自動車税種別割やガソリン代などの維持費を抑えるというのもひとつの考え方です。
車の利用状況に合わせて自動車保険に加入する
車を所有する場合、自賠責保険のほかに自動車保険(任意保険)に加入するのが一般的で、オプションや特約など様々な選択が可能です。
オプションや特約は補償の幅を広げるために効果的なため、ご自身の車の利用状況に合わせてセットすると良いでしょう。
例えば、ご自身の車で友人などとドライブに行く機会が多い方は、ご自身の車(契約車)に搭乗している友人がケガした際に補償する「搭乗者傷害特約」をセットしておくと、同乗者が交通事故でケガをしてしまったときの損害を補償してくれます。搭乗者傷害特約は、事故によるケガで入院や通院をしたときに、定額で補償されますので、入院時にかかる当座の費用を受取れるなどのメリットがあります。
オプションや特約をセットすると、その分保険料は上がりますが、保険料を気にするあまり補償を減らしすぎると、いざという時に十分な補償を受けられないことがあるため、必要に応じて判断しましょう。
また、車を2台所有していると、「セカンドカー割引」が適用できる可能性があります。セカンドカー割引とは、適用条件を満たすことで、2台目以降の車で新たに自動車保険を契約する際に保険料が割り引かれる仕組みのことです。
対象者は、1台目のお車の等級が、2台目のお車の保険始期日時点で11等級以上であることなど、1台目の車と2台目の車でそれぞれ以下のような条件を満たす必要があります。
1台目の車 | 2台目の車 | |
---|---|---|
等級 | 11等級以上 | 今回初めて自動車保険を契約する車 |
用途車種 | 自家用8車種(※) | 自家用8車種(※) |
所有者 | 個人 | 次のいずれかである
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自動車保険の記名被保険者 | 個人 | 次のいずれかである
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(※)自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車、自家用軽四輪貨物車、自家用小型貨物車、自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)、自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)、特種用途自動車(キャンピング車)
条件を満たした対象者が新たに2台目以降の車を契約する場合、通常は6等級から始まるノンフリート等級を、7等級からスタートすることができます。等級が上がるほど保険料の割引率が高くなるので、2台持ちの維持費を抑えるのに効果的です。
5.車を2台持ちする場合は維持費を抑える工夫を
車を2台所有していると、用途によって使い分けられる、それぞれの車の負担や消耗を抑えられるなどのメリットがあります。しかし、2台所有している分、維持費は1台のときよりも増えることには注意しなければなりません。2台目は軽自動車にする、セカンドカー割引を利用するなど、維持費を抑えることを意識しましょう。
車を2台所有することで、生活や行動の自由度は広がりますが、維持費や保険加入などの必要性も考え、快適なカーライフを送りましょう。