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車を購入するまでの流れや費用、必要書類などを徹底解説!

更新

2024/12/09

公開

2024/12/09

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車の購入は、頻度は低いものの金額の大きな買い物です。車を初めて購入する方はもちろん、過去に購入した経験がある方でも、手順やかかる費用について不明な点があるでしょう。そこで今回は、初めての方でもわかりやすいよう、車を購入するうえで知っておきたい知識や、購入の流れをステップごとに解説します。

目次

    1. 車購入の全体の流れ

    初めて車を購入する方は特に、「何から準備すればいいのか」「どのような手順で進めるべきなのか」など、疑問が多いかもしれません。まず、全体の流れを知れば見通しが立ち、購入を進めやすくなります。大まかではありますが、車を買う時の流れは以下の通りです。

    1. 準備をする(かかる費用や購入場所を知る)
    2. 車を選ぶ
    3. 購入する(契約する)
    4. 納車する

    このように、流れ自体はそこまで複雑ではありません。また、契約時の必要書類の準備や保険の手続きなどは、基本的には販売店で教えてもらいながら進められます。しかし、車は大きな買い物になるため、希望と予算に見合う車選びや、将来の維持費用などもふまえたマネープランを立てることも必要になります。ご自身でもしっかり準備をしたり、計画を立てたりしておくと、よりスムーズに購入を進められるでしょう。

    2.車の購入にかかる費用

    車を購入する時には、車本体だけではなく、税金などさまざまな費用がかかります。車の購入時にかかる費用と、その後の維持にかかる費用を紹介します。

    購入時にかかる費用

    車両本体価格

    車両本体価格とは、車両そのものの費用です。車両本体価格は、車種や年式、新車・中古などによって大きく変わり、安ければ100万円以下、高ければ数千万円にのぼることもあります。

    オプション費用

    オプション費用とは、カーナビやドライブレコーダーなどの装備類の費用のことです。オプションには大きく分けて、「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」の2つがあります。メーカーオプションは、車の製造段階で取り付けられる装備なので、新車購入時のみ利用可能で基本的に後付けはできません。ディーラーオプションは、車が完成した後に取り付けられるので、後付け可能な装備となります。

    法定費用(税金・保険等)

    名称 概要
    自動車重量税 車の重さや用途、区分に応じて納める税金。取得時と車検の継続検査時に、車検の有効期間分の税金をまとめて納める。
    自動車税(種別割) 4月1日時点で車を所有している人に毎年課税され、税額は用途や総排気量に応じて決まる。
    自動車税(環境性能割) 燃費性能などに応じて納める税金。車の取得時に一度だけ納める。
    消費税 現時点(2024年11月現在)の税率は10%。車両本体やオプションに課税される。
    自賠責保険料 すべての車に加入が義務付けられている強制保険で、交通事故の被害者救済が目的。車種などによって金額が決められているので、どの保険会社で契約をしても保険料は一律。
    リサイクル料金(リサイクル預託金) 廃車時のリサイクルにかかる費用。購入時に先払い。

    その他費用・手数料

    その他費用・手数料は、主に販売店に支払う「検査・登録手続き代行費用」で、費用は販売店によって異なります。検査・登録手続き代行費用には、車庫証明(※)の取得や、車の検査・登録、希望ナンバー申請(依頼する場合のみ)手続きの代行費用などが含まれます。しかし、手続きによっては販売店に依頼せず、自分で行うことも可能です。

    車の保管場所が確保されていることを証明する書類。

    維持にかかる費用

    維持費用には、大きく分けると「走行に必要な費用」「メンテナンス費用」「税金」「保険料」の4つがあります。

    走行に必要な費用

    車を走行するには、燃料代や駐車場代、高速道路などの通行料がかかります。燃料代に関して、ガソリン車の場合はガソリン代、ディーゼル車の場合は軽油代、電気自動車の場合は電気代がそれにあたります。
    また、自宅の敷地内に駐車スペースがあればそこに車を停められますが、ない場合には駐車場を借りる必要があります。貸し駐車場は、多くの場合1〜2年契約で、賃料は1ヶ月ごとに支払います。また、高速道路などの有料道路を利用する場合には、都度通行料の支払いも発生します。

    メンテナンス費用

    代表的なメンテナンス費用には、車検代があります。車検とは、車が保安基準を満たしているかどうかを検査するもの。車の所有者は定期的に受ける必要があり、例えば一般的な自家用乗用車の場合、初回は3年後、それ以降は2年ごとに受けます。車検代には、検査手数料や点検費用、代行手数料などさまざまな費用が含まれます。
    また、車を安全かつ快適に走行するには、日常的なメンテナンスも欠かせません。洗車やエンジンオイルの点検・交換などを行う必要があり、それに伴う道具や消耗品などの購入費用もかかります。

    税金

    車の購入時にかかる費用でも紹介しましたが、購入後も「自動車重量税」「自動車税(種別割)」といった税金を定期的に納める必要があります。

    なお、適用期間中に環境性能に優れた車を新規登録した場合には「エコカー減税」が適用され、性能に応じて自動車重量税が1回限り減税・免税されます。自動車税(種別割)に関しても、電気自動車などの排出ガスや燃費性能に優れた車においては「グリーン化特例」という優遇措置が受けられ、適用期間中に新規登録をした場合、その翌年度の自動車税(種別割)が減税されます。

    しかし、自動車重量税は新規登録から13年、18年経過のタイミングで、自動車税(種別割)も、新規登録から13年(ディーゼル車の場合は11年)経過のタイミングで重課になります(電気自動車などの環境性能に優れた車に関しては、重課の対象外です)。

    自動車保険料

    自動車保険とは、自賠責保険では補償されない範囲をカバーできる任意加入の保険です。保険料は、補償内容や保険会社によって異なります。自動車保険の支払い方法は、一括か分割かどちらかを選べますが、トータルの出費を抑えたい場合には、一括払いがおすすめです。

    車の維持費用に関しては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

    関連記事
    「車の維持費は年間でどれくらいかかる?維持費の種類と節約のポイントを解説」

    3.車の購入先ごとの特徴

    車の主な購入先は、ディーラーと中古車販売店です。それぞれメリット・デメリットが異なるので、自分に合った方を選びましょう。

    ディーラー

    ディーラーとは、車のメーカーが契約を結んでいる正規販売店のことで、そのメーカーの車の販売やメンテナンスを行っています。良い点としては、自社製品の知識が豊富で、質の高いメンテナンスや手厚い保障、フォローを受けられること。しかし、新車の本体価格や車検代が割高になる傾向にあります。

    中古車販売店

    中古車販売店は、さまざまなメーカーや車種の中古車を販売しています。選択肢が多いので、いろいろな車を比較検討できる点、ディーラーで売られている新車に比べると車の価格が割安な点がメリット。ただし、各店が費用設定しているので、適正価格なのかはきちんと見極める必要があります。また、中古であるため、品質やコンディションにばらつきがあるのもデメリットです。

    4.購入する車の選び方

    車の使用目的を明確にする

    まずは、車の用途や乗せたい人数を明確にすることから始めましょう。例えば、毎日の通勤で使用するのか、日常の買い物で使用するのか、休日のレジャーで使用するのか等です。使用するシーンを想像してみると、「近距離の通勤で自分1人しか乗らないから、軽自動車で十分」「家族5人でキャンプに行きたいから、荷物を置くスペースが広くて、5人以上乗車可能なタイプが良い」など、それに合った車が見えてきます。

    予算を決める

    車の使用目的がある程度決まったら、予算を決めましょう。車は、車種や年式だけでなく、オプションや支払い方法でもかかる金額が変わってきます。あらかじめ、「いくらまでなら払っても良い」といった予算の上限を大まかにでも決めておくと、車選びに迷うことが少なくなります。

    新車か中古車かを決める

    車を買う時には、新車か中古車か、どちらかを選ぶことになります。

    新車のメリットは、ボディカラーやオプションを自分好みに選べること、最新の装備や機能が搭載されていることです。また、燃費性能に優れた「エコカー」であれば、税金を抑えられるのも魅力です。しかし、中古車より価格が高かったり、納車までに時間がかかったりする可能性があるのはデメリットです。
    中古車は、新車よりもリーズナブルなこと、選択肢が多いこと、納車までの時間が短いことがメリット。しかし、車の状態によっては維持費用がかさむ可能性があります。

    メーカーや車種の候補を決める

    ここからは、より具体的に車を選んでいきます。まずは、軽自動車やSUVなどボディタイプから絞っていくと良いでしょう。

    例えば、近距離の移動がメインなら小回りのきく「軽自動車」「コンパクトカー」、荷室が広いタイプが良いなら「ワゴン」「ミニバン」「SUV」などが候補に挙げられます。
    ボディタイプについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

    関連記事
    「車の種類とは?ボディタイプやエンジンなど特徴ごとに解説」

    次に、ボディカラーや車体の形状などのデザイン、燃費や運転のしやすさなどの性能を具体的に考えて、車種の見当をつけましょう。

    車種の候補が決まったら、グレードとオプション選びに進みます。車は、同じ車種でも装備や性能の違いによって、いくつかのランクに分けられており、これを「グレード」と言います。もちろん、グレードが高いほどエンジン性能や内装の質などが良くなりますが、その分価格も高くなります。
    また、カーナビやドライブレコーダーなど、付けたいオプションについても、予算と相談しながら決めていきましょう。

    5.車を購入するまでの流れ

    実際に試乗してみる

    購入したい車がある程度決まったら、その車を販売しているカーディーラーや中古車販売店に連絡をして、試乗をさせてもらいましょう。実際に乗ってみることで、操作のしやすさ、シートの乗り心地などがわかります。また、車の大きさや荷室の広さなども、実物を見て確認しておきましょう。
    なお、当日に飛び込みで行くと、在庫がなかったり試乗用の車が用意されていないこともあるので、あらかじめ試乗予約をしておくのがおすすめです。

    見積りを取る

    購入してもいいと思う車であれば、店舗に見積りを取りましょう。なお、見積りは無料です。
    見積りには、車両本体価格やオプション価格、法定費用など、項目ごとに金額が提示されています。見積りを取れば、どれくらい購入費用がかかるのかが明確になり、予算の範囲内なのか、オーバーしているのかがわかります。
    初めて車を購入する方は、見積りを見てわからないことがあるかもしれません。その場合は、遠慮せずに店舗の担当者に質問や相談をして、疑問を解消しておきましょう。

    支払い方法を決める

    車の支払い方法には主に、「現金」「クレジットカード」「ローン」「残価設定」の4つがあります。家計や貯蓄に合わせて支払い方法を決めましょう。

    現金

    現金の場合は、基本的に一括払いです。利息が発生しないので、ローンに比べて支払い総額は安くなりますし、自動車の所有権も最初から自分名義になります。ただし、まとまったお金が一気に出てしまうので、家計への影響や貯蓄とのバランスを考えて判断する必要があります。支払いは、期日までに販売店が指定する口座に振り込みを行うのが一般的です。

    クレジットカード

    新車購入の場合、クレジットカードでの一括払いを受け付けていない店舗が多いです。なぜなら、店舗側はクレジットカード会社に手数料を支払わなければならず、クレジットカードの利用額が大きいほど、店舗側の利益が減ってしまうからです。
    新車の一部の代金や、中古車販売店ではクレジットカード払いができるケースもありますので、確認するとよいでしょう。

    クレジットカード払いのメリットは、ポイントが獲得できること。またクレジットカードは後払いになるので、その時点でまとまった現金がなくても、車を購入することができます。
    しかし、クレジットカードには利用可能枠が設定されていますから、限度額を超える可能性があります。また、分割払いやリボ払いを選択した場合には、別途手数料がかかるので、支払い総額が高くなってしまいます。

    ローン

    車の支払いでよく利用されるのが、ローンです。ローンとは、金融機関やディーラーからお金を借りて、その後分割で少しずつお金を返済していくこと。まとまったお金を準備できない場合に便利な支払い方法ですが、利息が発生するので、総支払額が高くなります。

    なお、ローンには主にディーラーローンと金融機関のローンの2種類あります。
    ディーラーローンとは、ディーラーが提携する信販会社やクレジットカード会社が提供するローンのこと。車の購入手続きとともにディーラーで契約ができるので、手間がかからないことや審査が比較的早く終わるのがメリット。しかし、金融機関のローンより金利が高い傾向にあること、ローンを完済するまでは車の名義がディーラーや信販会社になってしまうことがデメリットです。
    金融機関のローンは、銀行や信用金庫、信販会社で契約できるローンです。ディーラーローンよりは金利が低い傾向にあり、車の名義も最初から自分になりますが、審査に時間がかかることが多いです。

    残価設定

    残価設定とは、将来の下取り価格を予想し、その価格を差し引いた金額でローンを組むこと。例えば、本体価格300万円の車の下取り価格が100万円となった場合、ローンを組むのは200万円になります。ローン返済後は、新たな車に乗り換えるか、ディーラーに返却するか、残価を支払い自分名義の車にするかを選びます。
    メリットは、月々の支払額を抑えられる点。しかし、将来的に車を返却することを想定した仕組みなので、返済中は車のカスタマイズができないことがデメリットです。また、事故や故障などで査定額が下がった場合には、追加の支払いが発生するケースもあります。

    6.車の購入手続きの流れ

    契約する

    購入する車を決めたら契約に進みます。ただし、新車は契約から納車までに数ヶ月以上かかることもあります。「契約後、すぐに車に乗る予定があったのに、納車が3ヶ月後だった」といった事態にならないためにも、事前に納車時期を確認しておきましょう。

    必要な書類を揃える

    契約をしたら、必要な書類を揃えましょう。中には発行までに時間がかかる書類もあるため、早めに準備を進めることが大事です。必要書類は次項で詳しく紹介します。

    自動車保険に加入する

    車の契約をしたら、納車までに自動車保険の加入をしておくとよいでしょう。「自賠責保険に入っているから、自動車保険は入らなくても良い」と考える方もいるかもしれませんが、自賠責保険の補償内容は対人賠償のみです。交通事故により相手方の車や自分の車が破損した場合、運転者自身が怪我をした場合は補償されません。また、対人賠償においても限度額が決められているので、それを超える場合には自費で支払う必要があります。このような事態に備えて、自動車保険には加入しておくと安心です。

    自動車保険はディーラーや中古車販売店で加入をすすめられることも多いですが、自身で保険会社を選ぶことも可能です。保険会社やプランによって補償内容や保険料が異なりますから、いろいろな自動車保険を比較検討して、自分に合ったものを選びましょう。

    近年では代理店を通さずに、インターネット上で手続きができる「ネット型自動車保険」もあります。代理店が間に入っていないため営業コストなどがかからず、代理店型に比べて保険料が割安になることが多いです。自動車保険の保険料を抑えたい方は、ネット型自動車保険の見積りをとってみるといいでしょう。

    納車

    納車は、カーディーラーや中古車販売店などでの店頭納車か、自宅納車のどちらかです。納車後は、車体に傷がないか、ワイパーやエアコンなどがきちんと作動するか、契約通りにオプションが付いているか等、きちんと確認をしましょう。

    7.車の購入時に必要なもの

    車の購入時に必要な書類は、普通車と軽自動車でやや異なります。それぞれの必要書類は以下の通りです。

    <普通車の購入時に必要なもの>
    必要書類 準備する人 備考
    運転免許証 購入者自身
    印鑑証明書 購入者自身 市区町村の役所で発行する。
    実印 購入者自身
    車庫証明書 購入者自身、もしくはディーラー・販売店を介して行政書士に代行依頼 車の保管場所を管轄する警察署にて手続きをする。
    車検証 ディーラー・販売店
    自賠責保険証 ディーラー・販売店
    委任状 ディーラー・販売店
    <軽自動車の購入時に必要なもの>
    必要書類 準備する人 備考
    運転免許証 購入者自身
    住民票 購入者自身 市区町村の役所で発行する。
    印鑑 購入者自身 認印でも可。
    保管場所届出

    適用地域に居住している場合のみ。

    購入者自身、もしくはディーラー・販売店を介して行政書士に代行依頼 車の保管場所を管轄する警察署にて手続きをする。
    車検証 ディーラー・販売店
    自賠責保険証 ディーラー・販売店
    委任状 ディーラー・販売店

    普通車の購入時には、車の保管場所が確保されていることを証明する「車庫証明書」の提出が必要になります。発行には約3~7日かかるので、計画的に準備を進めましょう。軽自動車は、車庫証明書の提出の代わりに「保管場所届出」という手続きが必要ですが、適用地域外に住んでいる場合は手続きが不要です。それぞれの詳しい取得方法などは以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。

    関連記事
    「車庫証明とは?取得条件や申請に必要な書類について解説」
    関連記事
    「軽自動車には車庫証明がいらない?必要な地域や書類、書き方などを解説」

    また、ローンを組む時には口座届出印が追加で必要になるなど、ケースによって必要書類が異なることがあります。必要書類に関しては、販売店に確認するようにしましょう。

    8.監修コメント

    車を保有する方法として、最近増えているのがカーリースです。カーリースは「車のサブスク」とも呼ばれていて、設定した残価を除いた車両本体価格を月々のリース料金として支払います。本記事にある残価設定ローン(残クレ)に似ていますが、カーリースでは税金や車検費用、自賠責保険料などの一部の維持費がリース代に含まれます。
    カーリースの期間終了後は車を返却するのが一般的ですが、買取りや再リース、無償譲渡が可能な契約もあります。車にかかる費用をなるべく一定に保ちながら、人気車種の新車を保有できることでも注目を集めています。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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