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軽自動車で高速道路は走れる?高速料金や割引制度、走行時の注意点などについて解説

更新

2025/06/02

公開

2025/06/02

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車体サイズが小さく小回りがきく軽自動車。通勤・通学など街中で利用されることが多いので、「高速道路を走ってもいいのか」「危ないのでは」と不安や疑問を抱いている方もいるかもしれません。当記事では、軽自動車で高速道路を走るメリットや注意点、高速道路の走行に適した軽自動車のおすすめの選び方まで紹介します。

目次

    1. 軽自動車でも高速道路は走行可能!

    軽自動車は普通車に比べるとエンジンパワーが少ないため、高速道路を走れるのかと疑問に思う方もいるでしょう。ですが、法的には軽自動車でも問題なく高速道路を走ることができます。

    対して、高速道路が通行禁止の車種は以下の通りです。

    • ミニカー
    • 総排気量125㏄以下の普通自動二輪車
    • 原動機付自転車

    また、高速道路には制限速度があり、最低速度は時速50kmです。そのため、農耕用作業車などの時速50km以上出ない車や、けん引のために時速50km以上で走れない車も、高速道路を走行できません。

    2. 軽自動車で高速道路を走るメリットは、料金の安さ

    高速道路の料金が普通車より安い

    高速道路では、区間ごとに高速料金が発生します。軽自動車の高速道路料金は、普通車よりも2割程度安く設定されていることが多いです。

    例えばNEXCO東日本では、「軽自動車」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」の5つの車種に分けて料金を設定しており、料金を決めるポイントは、「道路への負荷」「車が道路で占有するスペース」「高速道路を利用することによる経済的なメリット」です。

    軽自動車は車両重量が軽いことから道路に与える負荷が少なく、サイズも小さいため道路上で占めるスペースが小さいです。そのため、軽自動車の高速料金は普通車よりも安く設定されているのです。

    ただし、NEXCO各社の高速道路および首都高速以外の有料道路においては、普通車でも軽自動車でも高速道路料金が変わらない場合もあります。

    高速料金を普通車と比較

    では、実際に普通車と軽自動車ではどれくらい高速料金が違うのか比較してみましょう。
    各車種の高速料金は以下の通りです。

    <東京IC〜厚木IC(東名高速道路)>

    • 普通車:1300円
    • 軽自動車:1070円

    通常料金・ETC料金

    2025年4月時点、平日昼間の場合

    普通車と軽自動車では高速料金に230円の差があり、やはり、軽自動車の方が2割程度安いことがわかります。上記の例ではわずかな差に感じるかもしれませんが、利用区間が長かったり、高速道路を利用する機会が多いほど、大きな差になるでしょう。

    3. 軽自動車で高速道路を走る時の注意点

    運転計画をしっかり立てる

    軽自動車だけに限りませんが、長距離の運転や高速道路での運転に慣れてない場合、また初めてのルートを走行する場合には、運転計画をしっかり立てるようにしましょう。特に、軽自動車は普通車に比べると振動や騒音の影響を受けやすかったり、車内スペースが狭い車種が多く、疲れやすい傾向にあります。そのため、事前に休憩場所のめどを立てておくこと。また、燃料タンクの容量が小さい車種も多いので、給油ポイントを把握しておくことも重要です。
    まずは、出発地から目的地までのルートを調べ、移動にかかる時間を把握しましょう。そして、ルート上の休憩できそうなサービスエリアやパーキングエリア、給油ポイントをチェックします。なお、運転の直前には、ルート上での渋滞や事故が発生していないかも調べておきましょう。

    運転前には車の点検を行っておく

    万一、高速道路上で車に異常が発生すると、大きなトラブルや事故につながりかねません。こうしたリスクを減らすためにも、運転の前にはきちんと車の点検をしておくことが大事です。また、高速道路で最も多いトラブルの一つが、タイヤのトラブルなので、タイヤのチェックは欠かさず行うようにしてください。

    <主な点検ポイント>

    • 燃料や冷却水、エンジンオイルの量
    • ファンベルトの状態
    • タイヤの空気圧や溝

    追い越し車線は避けて走る

    軽自動車は普通車に比べるとパワーが劣ります。十分な加速ができない中で追い越し車線を利用すると、後続車との距離が縮まり、リスクが高まることも。そのため、スピードを出す車が多い追い越し車線はできるだけ避けることをおすすめします。
    また、軽自動車に限ったことではありませんが、追い越し車線を走り続けることは違反行為にあたります。追い越しをしたら、速やかに左側の走行車線に戻りましょう。

    車間距離を意識する

    道路上では、前の車が急ブレーキを踏んだり、速度を落としたりしても、追突しないために適切な距離を取らなければいけません。特に車高が低い軽自動車は、車高の高いトラックなどからは見えにくいので、長めに車間距離を取った方が安全です。

    適切な車間距離は、ブレーキを踏んでから停止するまでの「停止距離」で決まります。例えば、時速80kmで走っていた車がブレーキを踏んで完全に停まるまでには76m、時速100kmの場合は112mと、スピードが速いほど、その距離が長くなります。また、雨で路面が濡れている場合は、さらに停止距離が延びるので、晴天時より2倍、車間距離を確保するようにしてください。

    強い横風を受けても慌てない

    軽自動車は車両重量が軽く、風にあおられやすいです。特に、車高が高いタイプや車の面積が広いタイプほど、風の影響を受けやすくなります。大型車が通過する時やトンネルの出入り口などは、強風が吹きやすいので注意して運転しましょう。
    もし強風にあおられてハンドルを取られたり車体が揺れたりしても、慌てないことが大事です。ハンドルをしっかり握り、落ち着いて運転を続けるようにしましょう。前後の車に注意しながら、少し速度を落とすことも有効です。

    4. 高速道路を安全・快適に走るための軽自動車選びのポイント

    ターボエンジン搭載車を選ぶ

    ターボエンジンとは、排気ガスを利用してタービンを回し、圧縮した空気をエンジンに送る装置のこと。ターボエンジンが付いていると、加速力が高まります。軽自動車の中でも、ターボエンジン付きのタイプを選べば、高速道路の走行車線はもちろん、追い越し車線での追い越しもよりスムーズに行えるようになるでしょう。ただし、ターボエンジン付きのタイプは燃費が悪くなるので、その点はデメリットになります。

    運転支援システム搭載車を選ぶ

    近年では、ドライバーの運転を支援するシステムを搭載した車も登場しています。例えば、前の車との安全な車間距離を保ってくれる「車間距離制御装置」や、車線をはみ出しそうになった時に警告をしてくれる「車線逸脱警報装置」などがあります。軽自動車で高速道路を運転することに不安を感じる方は、こうした運転支援システムが搭載された車も選択肢の一つに入れると良いです。

    車高が低い車を選ぶ

    前述した通り、車高が高いと風の影響を受けやすくなります。風にあおられることを避け、安心して運転したいといった場合には、車高の高い「ハイトワゴン」などのタイプではなく、車高が低めの「セダン」や「スポーツタイプ」といったモデルを選ぶと良いかもしれません。

    5. 軽自動車で高速道路をお得に乗るコツ

    ETC割引を活用する

    高速道路料金の支払い方法は主に、現金、クレジットカード、ETCカードの3つです。このうち、ETCカードを使用することで、高速料金が割引になります。割引にはいくつか種類があり、例えばNEXCO東日本では、以下のようなサービスを提供しています。高速道路を少しでもお得に利用したいといった方は、このような割引制度を活用すると良いでしょう。

    <平日朝夕割引>

    平日6時〜9時、17時〜20時の利用が対象。利用回数に応じた還元率(5〜9回:約30%、10回以上:約50%)を割引対象区間の通行料金に適用。ただし、平日朝夕割引を利用するには、事前にETCマイレージサービスの登録が必要です。

    <休日割引>

    GWや年末年始などの交通混雑期を除く土日祝の利用で、30%割引。

    <深夜割引>

    午前0時〜午前4時の利用で、30%割引。

    それぞれ割引対象外の車種や区間、道路があるので、利用の際には高速道路のホームページを確認してください。

    6. 監修コメント

    最近は以前よりも衝突安全性能が高まっていますが、普通車と比べると、やはり軽自動車のボディ剛性は低いといえます。高速道路における事故のニュースなどをみると、後ろから押しつぶされた軽自動車が映し出されることがあります。
    そうした事態を避けるためにも、軽自動車で高速道路を走行する際は後続車にも気を配ることが大切です。渋滞の発生を確認したら早めにハザードランプを点滅させるなど、できる限りの注意を払うようにしましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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