自動車を所有していると毎年税金の支払いが発生します。なかでも排気量などに応じて課税される自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)(以下、本文中は「自動車税/軽自動車税」に省略)は毎年4月1日(基準日)時点の車両所有者に支払いの義務が発生します。
自動車税の納税通知書はいつごろ届いて、いつまでに支払わなければならないのか、何年ごとにいくら払うのかなど、自動車税/軽自動車税の気になる疑問を解説します。あわせて課税の仕組みや支払い方法、節約のポイント、滞納してしまった際のリスクもまとめました。
- 目次
-
1.車にかかる税金は4種類
自動車の所有に課される税金は、毎年に通知が届いてから納付する自動車税/軽自動車税、新規登録や車検時に収める自動車重量税など、これまで以下の4種類が存在していました。
- 自動車税/軽自動車税
- 自動車重量税
- 環境性能割
- 消費税
| 課税時期 | 納付先 | 税額を決める要素 | |
|---|---|---|---|
| 自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割) | 毎年4月1日 | 普通車...都道府県 軽自動車...市区町村 |
排気量など |
| 自動車重量税 | 新規登録(新規検査)時 車検時 |
国 | 車の重さなど |
| 環境性能割 | 購入時 | 普通車...都道府県 軽自動車...市区町村 ※当面の賦課徴収は都道府県による |
環境性能 |
| 消費税 | 購入時 | 国、地方 | 本体価格 |
しかしこのたび、税制改正により「環境性能割」が2026年3月31日に廃止されることとなりました。また、自動車税/軽自動車税における種別割の税率上乗せ特例も同日より廃止されます。
環境性能割が廃止される背景
元々2019年10月の消費税率引き上げに際して導入された環境性能割は、車両の取得時に発生し、環境性能(燃費)に優れた車ほど税額が安くなる税金としてエコカーの普及に貢献してきました。
しかしその一方で、車両取得時に消費税と環境性能割の両方が発生することを「二重課税」として問題視する声も多く、昨今の物価高を踏まえた国民の税負担軽減などを目的に廃止が決定しました。
なお、環境性能割の廃止後も「エコカー減税」は減税基準を厳格化した上で2年間にわたり継続します。また、「グリーン化特例」も条件の変更なく2年間の延長が予定されています。
そこで本記事では、環境性能割を除く車にかかる税金のなかでも、1年に1回排気量に応じて課税される「自動車税/軽自動車税」について詳しく解説します。
2.自動車税(種別割)とは
自動車税/軽自動車税とは、車の所有者に義務付けられている税金で、4月1日の時点で所有している自動車の総排気量に応じて課税されます。
金融機関やコンビニなどで支払えるほか、近年は電子決済で支払い手続きができる都道府県や市区町村も増えています(支払い方法については後ほど詳しく解説します)。
3.自動車税はいつ納付書が届いて、いつまでに支払う?
次に、自動車税/軽自動車税の支払い時期はいつごろか、またいつまでに支払う必要があるかを解説します。なお、自動車税/軽自動車は1年間分を前払いで支払う必要があります。
納税通知書はいつ届く?
自動車税の納税通知書が届くのは5月初め頃です。車検証に記載されている住所宛に納付書が郵送されますので、その時期になったら注意しておくようにしましょう。
納付期限はいつ?
自動車税/軽自動車税の納付期限は、原則として5月31日です。
ただし、5月31日が土日祝などにあたる場合は、6月上旬まで延長が可能です(例外的に青森県と秋田県のみ、6月末が納付期限になります)。
住所変更や名義変更は15日以内に申告を
住所が変わった場合は、引越し後15日以内に車検証の住所変更登録をしてください。管轄の運輸支局等に届け出を行います(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)。手続きを忘れると、納付書が届かないなどの事態に見舞われてしまいますので注意しましょう。
東京都の場合は自動車税納税通知書の送付先変更をインターネット上で行うこともできます。自動車検査証(車検証)の住所変更手続きに時間がかかる場合はこちらを利用するのもよいでしょう。
※車検証の住所変更は別途行う必要があります。
※東京ナンバーの自動車のみ。軽自動車は市区町村に問合わせ。
また車を譲渡したときは管轄の運輸支局、または自動車検査登録事務所にその旨を登録し、名義変更(移転登録)の申告が必要です。
正しく届け出をしないと引き続き課税されてしまうことがありますので、確認するようにしましょう。この場合も、申告期限は車検証の記載事項に変更があってから15日以内です。
管轄の運輸支局等は以下のポータルサイトから検索できます。
運輸支局で名義変更や住所変更を行う際の手順や必要な書類など、詳しくは下記の記事で紹介しています。
4.自動車税の排気量別税額一覧
自動車税の納付額は車の排気量に応じて設定されていますが、車の新車登録時期や新車登録からの経過年数、用途区分によっても納付額が大きく異なります。
自家用乗用車の納付額は、エンジン排気量が0.5L増えるにしたがって累進的に上乗せされます。軽自動車は一律10,800円と定められています。
| 排気量 | 2019年9月30日以前に 新車登録された車の基本納付額 |
2019年10月1日以降に 新車登録された車の基本納付額 |
|---|---|---|
| 軽自動車 | 10,800円 | 10,800円 |
| 660cc超~1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
| 1,000cc超~1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 |
| 1,500cc超~2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 |
| 2,000cc超~2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 |
| 2,500cc超~3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円 |
| 3,000cc超~3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 |
| 3,500cc超~4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 |
| 4,000cc超~4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 |
| 4,500cc超~6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 |
| 6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円 |
年数が経過した車は重課対象になる
1台の車を長期にわたって乗り続けると、税金が上乗せされます。例えば、新車登録から13年が経過したガソリン車は、自動車税がおよそ15%増額されます。
ただし、ハイブリッドカーや電気自動車などのエコカーは13年が経過しても重課対象になりません。自動車税を抑えるなら、こうしたエコカーへ乗り替えるのも視野に入れてみてはいかがでしょう。
5.自動車の購入時期による税額の変化
自動車税/軽自動車税はその性質上、車を購入(登録)する時期によって課税される総額が大きく変わります。
というのも、自動車税は毎年4月1日時点の所有者に対して課せられますが、車の購入が年度途中の場合には課税期間が新車登録の翌月から翌年3月31日までの月割りとなります。そのため、なるべく月初に登録することで「税金がかからない期間」を長くできるのです。
一方、軽自動車税は月賦課税がなく、4月1日時点の所有者に課税されます。そのため年度途中に取得した場合、その年度分の軽自動車税は課税されません。4月2日以降のできるだけ早いタイミングで軽自動車を買えば、その分だけ税金の負担を軽減できます。年度途中に自動車や軽自動車を買い替える予定がある場合は、車の売却と購入の適切なタイミングを検討しましょう。
その他、以下のような制度を利用すれば、さらなる税額の減免も期待できます。
グリーン化特例
グリーン化特例とは、電気自動車やハイブリッド車など環境性能の良い車を購入した場合に、新車登録の翌年度分の税額が減税される特例措置です。
有効期限は2026年3月31日までとなっており、それまでに新車登録を行えば、燃費基準の達成基準の度合いによって最大でおおむね75%の減税が見込めます。
| グリーン化特例が適用される車両 | 軽減率 |
|---|---|
| 電気自動車 燃料電池自動車 プラグインハイブリット車 天然ガス自動車 |
おおむね75% |
| 2026年3月31日まで | |
また、適用期間中に初めて車両番号の指定を受ける減税対象車を取得した場合に限り、軽自動車もグリーン化特例の対象となります。
ただし、グリーン化特例が適用されるのは、普通車は新車登録の翌年度分から、軽自動車は減税対象車を取得した翌年度分からとなる点に注意しましょう。
地域ごとの減免制度
お住まいの地域によっては、障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳など)を取得している場合、自動車税や軽自動車税が減免されることがあります。例えば東京都では、上限45,000円の減免を受けることができ、納付額は上限を超えた分のみとなります。
また、東京都では独自に「ZEV(ゼブ)導入促進税制」という減免制度を導入しています。同制度では電気自動車、燃料電池自動車(水素を燃料とするもの)、プラグインハイブリッド自動車などを対象に、初回新規登録時の自動車税(月割)および翌年度からの5年度分の自動車税が減免されます。
自動車税は都道府県、軽自動車税は市区町村が管轄しているため、減免制度の有無や内容は地域や車種により異なります。詳しくはお住まいの地域の自治体へご確認ください。
6.自動車税の支払い方法

自動車税の支払い方法には、いくつかの種類があります。それぞれの詳細とメリット・デメリットについて解説します。自分に合った支払い方法を選んで、期限内に納付しましょう。
スマートフォンのアプリ決済
現金支払い
ペイジー
クレジットカード
7.納税証明書は保管するべき?
自動車税/軽自動車税の納税証明書とは、税金を支払い、滞納がないことを証明するもので、納税通知書の右端に付いています。
原則として保管が必要とされる書類ですが、取り巻く環境は少しずつ変化してきています。
納税証明書が必要になるのはいつ?
以前は車検時に必要でしたが、オンラインで納税情報を確認できるようになったため、納税証明書の提出は不要です(普通自動車は2015年4月から、軽自動車は2023年1月から、二輪小型自動車は2025年4月から)。
ただし、以下のようなケースでは納税証明書が必要です。
- 納付してからすぐに車検を受ける場合
- オンラインで納税確認できるようになるまで数週間〜数か月とタイムラグが発生するため
- 二輪小型自動車(総排気量250cc超)の車検を受ける場合
- ただし2025年からオンライン対応予定
- 他の市区町村へ引っ越した後に車検を受ける場合
- 中古車の購入直後に車検を受ける場合
- 対象車両に過去未納がある場合
- 車を売却する場合
- 所有権解除手続きを行う場合
それぞれのケースの詳細をはじめ、納税証明書については以下記事で詳しく解説しています。
8.滞納してしまったときのリスクと支払い方法
もしうっかり忘れてしまったり、やむをえない事情で自動車税を滞納してしまったりしたら、いったいどうなるのでしょうか。
まず延滞金の発生・コンビニ支払いの停止などのペナルティーがあります。さらに延滞が続くと、車検が通らなかったり、資産が差し押さえられたりするなどのリスクがあります。
それらのリスクについて、項目ごとに紹介します。
延滞金の発生
自動車税を滞納すると、延滞金が発生します。2026年1月1日~2026年12月31日までの延滞金利率は以下のとおりです。
- 1か月までの滞納:納付額の2.8%
- 1か月以上の滞納:納付額の9.1%
全額が1,000円未満の延滞金は切り捨て(999円以下は延滞金がかからない)、100円未満の端数は切り捨てになります。
- 出典
- 国税庁 延滞金の割合
コンビニ支払いができなくなる
自動車税を滞納した場合、納付書に記載された取扱期限を過ぎるとコンビニでの支払いができなくなることがあります。
期限を過ぎてからの支払いについては自治体により対応が異なるため、自動車税は都道府県、軽自動車税は市区町村の案内に従ってください。
車検が通らない
滞納している状態では車検を受けることができないため、車検の有効期間が更新できず、その状態で運転すると「無車検運行」となってしまいます。
無車検での走行は道路交通法違反に当たる行為で、免許の取り消しや処罰の対象です。
資産の差し押さえ
自動車税を滞納し、延滞金が加算された納付書が届いた以降も支払わないままでいると、財産の差し押さえ通知が届き、給与や銀行口座の差し押さえが行われます。
給与の差し押さえの際には勤務先の会社に通知が届きますので、会社にまで自動車税を滞納していることが知られてしまうなど、信用を大きく損なうことにつながります。
滞納してしまったときの支払い方法は?
- 納付期限が過ぎた場合
- 納付書に書かれている連絡先に連絡をして、納付書を再送してもらうのが一般的
- ただし、対応は自治体によって異なり、再送が難しい場合には直接出向いて支払う必要があることも。電話で事前に確認するとよい
- 督促状が届いた場合
- 督促状は納付期限日を過ぎてから数回届く。納付書も兼ねているため、督促状に記載された期限内に定められた方法で支払う
- 督促状に気づかず、支払いができていないと差押通知書が送付され、給与などを差し押さえられてしまう可能性がある
9. 監修者コメント
2026年4月以降、税制改正により「環境性能割」が廃止されることが決定しています。しかしこれは、自動車を取得する際に課される税金の制度変更です。毎年4月1日時点の所有者に課される「自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)」は別の税目であり、引き続き課税されます。
両者は名称が似ているため、混同されることもありますが、課税のタイミングや目的が異なります。「環境性能割が廃止される=自動車税がなくなる」というわけではありませんので、制度の違いを正しく理解しておきましょう。
