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愛犬とドライブする際の注意点は?安全に乗車させるポイントや便利なグッズを解説

更新

2025/08/18

公開

2025/08/18

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犬を車に乗せる際には、事故や過度なストレスにつながることのないよう、乗車方法や健康状態などさまざまな事柄に気を配る必要があります。この記事では、愛犬とのドライブを安全で快適なものにするために、出発前に行っておきたい準備や車への乗せ方、運転中の注意点などを詳しく解説します。

目次

    1. 愛犬とのドライブは正しい知識で安全・快適に!

    犬を飼っているドライバーにとって、「愛犬とのドライブ」は普段の散歩とは違った特別な時間を過ごせる大きな楽しみであり、一度はやってみたいと憧れる方も多いことでしょう。しかし、ほとんどの犬にとって車は不慣れで怖いものであり、場合によっては車酔いで体調を崩してしまう可能性もあるなど、ドライブを楽しむまでにはいくつかのハードルも存在しています。

    また、「犬を膝の上に乗せる」「犬の身体を固定せずに乗せる」といった危険な乗せ方は道路交通法第55条第2項または第70条に抵触する恐れがあります。こうしたリスクを避け、愛犬と安心してドライブを楽しむためにも、愛犬とのドライブは正しい知識を持ち、十分に準備を整えた上で行うことが大切なのです。

    参考:e-GOV法令検索 道路交通法(乗車又は積載の方法)
    参考:e-GOV法令検索 道路交通法(安全運転の義務)

    2. 愛犬とのドライブ前にやっておきたいこと

    愛犬とのドライブを楽しむ際には、事前に以下のような準備を行っておくとより安心してスムーズに出発できます。

    犬を車に慣れさせる

    車に乗り慣れていない犬にとって、自動車は未知の匂いや音がする警戒すべき場所かもしれません。無理に乗せようとすると怯えたり暴れたりする可能性があります。まずは「エンジンがかかっていない状態で車に乗せる」「車の近くで遊ばせる」といった比較的簡単なチャレンジを重ねて、少しずつ車の存在に慣れさせていきましょう。

    また、普段使用しているタオルやおもちゃなど、愛犬の匂いが染みついたものを車内に置いておくのも安心感を高める有効な方法です。特に、乗車時にクレート(持ち運び用ハウス)を使用する場合は、日頃からクレートを安心できる場所として慣れさせておくと、車内でもリラックスしやすくなります。

    乗車スペースを確保する

    犬は犬種によって身体のサイズが大きく異なる動物であり、大型犬の場合には人間よりも広い乗車スペースが必要になることもあります。人と犬の双方が快適に乗車できるよう、愛犬のサイズに応じて十分な大きさの空間を車内に確保しておくことも重要です。

    犬を乗車させるスペースは必ずしもシートの上である必要はなく、身体やクレートをきちんと固定できるのであれば座席の足元やカーゴスペースでも構いません。ただし、激しく動いて運転の邪魔になる、エアバッグでケガをするなどの恐れがあるため、助手席に乗せるのは避けた方がよいでしょう。

    必要な持ち物を揃える

    ドライブの場合でも散歩と同様に、首輪や鑑札・迷子札、排泄物を回収するためのビニール袋などは必要となります。そのほかには、犬用のフードや飲料水、凍らせたタオルといった熱中症を予防するグッズも車内に準備しておくと便利です。

    散歩・食事を済ませておく

    車の揺れによって、犬のトイレが近くなることがあります。可能であれば、出発前に散歩を行ってトイレを済ませておくことをおすすめします。

    また、満腹状態では犬は車酔いしやすくなります。食事は出発の2時間前までに済ませてしまうか、普段よりもフードの量を減らしておくとよいでしょう。

    3. 愛犬を安全に車に乗せるグッズ

    運転中は安全のため、犬の身体を固定して動きを制限する必要があります。とはいえ、人間用のシートベルトはそのままでは犬には適していません。以下のようなグッズを使用して乗車させましょう。

    クレート(キャリー)

    簡易的な犬用ハウスであるクレートは、近年では車の座席やベルトに直接つないで固定できるものも多く、ドライブ時の乗車グッズとしてもおすすめです。

    クレートの利点は遮光性の高さにあり、日差しの強い時間帯でも安心して愛犬を乗せることが可能です。ハードタイプのクレートであれば、車酔いにつながる揺れへの対策にも役立ちます。

    ドライブシート・ドライブボックス

    ドライブシート・ドライブボックスは座席の上に設置して犬を乗せるグッズであり、犬が顔を出せるものや、生地がメッシュ構造になっていて内部が見えるものなどが存在します。愛犬が密閉型のクレートを嫌がる場合や、運転中に愛犬の状態をこまめに確認したい場合に適しています。

    犬用シートベルト

    リード型の犬用シートベルトは持ち運びがしやすく、乗車スペースを広く使えることから、クレートに収まらないような大型犬を含めたさまざまな犬種に使用できるのが強みです。

    ただし、事故の際などには強く引っ張られて犬の身体に負担がかかりやすいため、使用する際は首輪ではなくハーネス(胴輪)につなぎ、可能であればドライブシートなどを併用してあげましょう。

    4. 愛犬とドライブする際の注意点

    ここからは、実際に愛犬を乗せて車を運転する際の注意点を紹介します。

    ドア・ウインドウをむやみに開けない

    車のウインドウを大きく開けると、そこから顔や身体を出した犬が他の車と接触したり、外に飛び出したりしてしまう恐れがあります。ウインドウの開閉は最小限にとどめ、換気も犬が足や鼻を出せない程度の幅で行いましょう。

    また、犬が誤ってドアを開けてしまう事故を防ぐため、ドアロック(チャイルドロック)をかけておくと安心です。車から降ろす際も、急な飛び出しによる事故を防ぐため、リードをしっかり持ってからドアを開けましょう。

    車内の温度・日当たりに気を配る

    狭い車内やクレートの中では、犬は自力で体温調節を行うことが困難です。また、後部座席やカーゴスペースと運転席では室温が大きく異なることも多いため、遮光シートやエアコンを活用し、愛犬の居場所を快適な温度に保つことが求められます。

    特に、停車中の車内温度は急激に上昇します。熱中症は命に関わるため、たとえ数分でも犬だけを車内に残すのは絶対にやめましょう。

    余裕を持って運転する

    長時間の走行や強引な運転も、車内の犬に不安やストレスを与え、車酔いなどの体調不良の原因となってしまいます。安全運転はドライバーにとって当然の義務ではありますが、愛犬を乗せている間はいつも以上に慎重な運転を心がけ、適度に休憩を設けながら走行しましょう。

    5. もし愛犬が車酔いしてしまったら?

    どれだけ慎重に運転していたとしても、その日の体調や環境によって犬は車酔いしてしまうことがあります。もし車酔いが疑われる場合には、以下のような点を踏まえて落ち着いて対処しましょう。

    犬の車酔いのサイン

    車酔いしている犬には、主に以下のような兆候が見られます。

    軽症:落ち着きがなく動き回る、呼吸が荒くなる、よだれが出る
    重症:下痢をする、嘔吐する

    人間とは違い、犬は飼い主に対して自ら体調不良を伝えることができません。愛犬が発する車酔いのサインを見逃さないようにしましょう。

    犬の車酔いへの対処法

    犬が車酔いした際には、まずは車を安全な場所に停めて外の空気を吸わせ、落ち着いたのを確認してから吐しゃ物や排泄物などの処理を行うことが大切です。しばらく様子を見た後は、愛犬の状態に応じて予定を変更し、場合によっては休ませることも視野に入れましょう。

    また、脱水症状を起こしている場合には、一度に多量の水を飲ませるのではなく、間隔を空けて少しずつ水分を補給してあげましょう。こうした対処を行っても症状の改善が見られない場合には、近くの動物病院などを受診しましょう。

    6. 監修コメント

    ペットも家族の一員に考えられるようになっている昨今ですから、ペット用の車載グッズも充実してきました。ディーラーではペット用のオプションメニューを用意していることもあります。ネットショップで、ペットのためのカー用品を日々探しているという方も多いことでしょう。
    そうした方々にぜひ訪れてほしいのが、全国各地で開催されているキャンピングカーショーです。ペット用品コーナーを特設していることもありますし、ペットとの同伴が可能な会場も多くあります。
    ペット第一のデモカーが展示されていることもよくあるので、愛車のカスタマイズのヒントにもきっとなるはずです。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター®︎。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。20年以上にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。許認可申請、入管申請取次、遺言書作成サポートなど法務のほか、記事監修や執筆業も多数手掛ける。自動車業務に熟達した行政書士だけが登録を認められる、ナンバープレートの出張封印が可能な「丁種会員」でもある。

    HP https://inokuchi.pro/

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