クルマ

車のサブスクリプションとは?メリットやデメリット、おすすめの人など徹底解説!

更新

2022/11/09

公開

2022/11/09

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

近年、「サブスクリプション」という月額課金制で利用できるサービスの利用が増えてきており、さまざまなサービスがサブスクリプションで利用できるようになってきています。

驚くことに、サブスクリプションで利用できるものの中には車もありますが、車をサブスクリプションで利用するのと購入して利用するのは、どう違うのでしょうか。

また、車のサブスクリプションにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

本記事では、車のサブスクリプションとはどういったものか、購入して利用する場合との違い、車のサブスクリプションのメリット・デメリットについて解説します。

目次

    1.サブスクリプションとは?

    車のサブスクリプションについて説明する前に、「サブスクリプション」とはどういったものかについて、簡単に説明しておきましょう。サブスクリプション(Subscription)とは、本来は定期刊行物の予約購読、定期購読といった意味を持つ英単語です。

    しかし最近では、「ある商品やサービスを定められた期間、一定額で利用できる仕組み」のことを指すことが多くなってきています。サブスクリプションを略した「サブスク」という呼び方で、さまざまなサービスが提供されています。

    定額制とは何が違う?

    サブスクリプションと混同しやすいのが、「定額制」です。定額制とは、定期的に決まった料金を支払い、サービスを利用したり、商品を受け取ったりできるサービスのことを指します。サービス提供側の最終目標は、顧客に固定の商品やサービスを提供することです。

    一方、サブスクリプションでは、料金プランやオプションなどをニーズに合わせて用意しており、顧客ニーズを満たして顧客満足度を向上させることに、より主眼が置かれています。サービス提供側はライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の向上を目指しているため、厳密な形での最終目標はないとも言えるでしょう。

    2.車のサブスクリプションとは?

    車のサブスクリプションも、「毎月定額で車を利用できる」という仕組みのサービスです。車を購入するわけではなく、契約期間中の各種税金や自賠責保険料、車検基本料などは毎月の料金に含まれているため、車を利用している間の出費を均等にすることができます。

    各自動車メーカーではさまざまな車のサブスクリプションサービスを行っており、たとえばトヨタでは「KINTO」というサービス名で、車のサブスクリプションサービスを提供しています。

    サブスクリプションと車の購入の違い

    車をサブスクリプションで利用する場合と、車を購入して利用する場合の違いを表でまとめました。

    サブスクリプション 購入
    支払い方法 毎月定額 ローンや一括
    契約方法 WEB契約が可能 販売店で購入するケースが大半
    諸費用 月額料金に含まれる 各種税金や車検費用などがかかる
    買い替え・乗り換え 乗り換えプランなどを利用すれば契約期間中の乗り換えも可能 ご自身のタイミングで行える
    メンテナンス・サポート 正規販売店にて受けることができる 販売店や整備工場などで受ける

    先ほども少し触れましたが、サブスクリプションでは諸費用が月額料金に含まれるので、各種税金や車検費用などでまとまった出費が必要になることはありません。

    また、車を購入する場合、新しい車に乗ろうと思うとあらためて車を購入する必要があります。しかし、サブスクリプションはあくまでも車を「借りて」利用するものであり、乗り換えプランなどを利用することで、契約期間中に乗り換えることが可能です。

    このように、車をサブスクリプションで利用するのと購入して利用するのでは、さまざまな点において異なるので、それぞれの特徴を踏まえたうえで、サブスクリプションで利用するのか、または車を購入するのかを検討しましょう。

    3.車のサブスクリプションはどのくらい広まっている?

    2021年におこなわれた調査会社スパコロの調査によると、車のサブスクリプションに対する認知度は全体の65.5%で、過半数の方が認知するサービスと言えます。ただし、「サービス内容までわかる」と答えたのは全体の27.7%、実際に利用している人も全体の0.5%にとどまっています。(※)

    (※)出典
    スパコロ『サブスクリプションサービスに関する調査 自動車編』

    認知度はまだまだ高いとは言えませんが、自動車メーカー各社ではそれぞれ力を入れているようです。例えば、トヨタでは初の新型EV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」をKINTOで発売しました。また、ボルボでは月額110,000円のサブスク100台に、約6倍と定員を大幅に上回る応募があったそうです。

    こういった事例からも、今後認知度や利用率が向上する可能性が大いにあると言えるでしょう。

    4.車のサブスクリプションのメリット

    車のサブスクリプションのメリットとしては、主に以下が挙げられます。

    • まとまった資金なしで車を利用できる
    • 諸費用込みの分かりやすい料金体系
    • 契約期間中でも車を乗り換えられる

    それぞれのメリットについて、詳しく説明します。

    まとまった資金なしで車を利用できる

    車を購入する場合、現金一括で購入する場合はもちろんのこと、ローンを組んで購入する場合も、ある程度の頭金が必要になります。そのお金を用意するのが難しい場合、車の購入に二の足を踏んでしまいがちです。

    しかし、サブスクリプションであればまとまった資金は必要ないので、より車を利用しやすくなります。

    諸費用込みの分かりやすい料金体系

    車を購入すると自動車税や自動車重量税・保険料(自賠責保険、任意保険)など、さまざまな費用が必要になります。

    サブスクリプションの場合は、月額料金内にそういった費用が含まれているので、各種費用のことを気にすることなく便利です。自動車税や自動車重量税の支払いによって、お金がまとまって出ていくこともありません。

    契約期間中でも車を乗り換えられる

    車を購入する場合、乗り換えるためにはまた新しい車を購入しなければなりません。サブスクリプションの場合は、契約期間中でも別の車に乗り換えられるプランも設けられています。その際の料金などは、会社やプランによって異なるので確認が必要です。

    気軽に車を乗り換えたい方にとっては、サブスクリプションは非常に便利です。

    5.車のサブスクリプションのデメリット

    逆に車のサブスクリプションのデメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。

    • 走行距離制限がある
    • 中途解約に解約金がかかる場合がある
    • 必ずしも乗りたい車に乗れるとは限らない
    • 車の返却時は原状回復をする必要がある

    それぞれのデメリットについて、詳しく説明します。

    走行距離制限がある

    サブスクリプションで車を利用する場合、「○ヶ月、○年で××km以内」というような形で走行距離制限が設けられていることが多いです。例えば、3年プランで54,000km、5年プランで90,000km、7年プランで126,000kmなどといったような形です。

    頻繁に長距離のドライブをしたいと考えている方の場合、この走行距離制限が足枷になる可能性があります。

    中途解約に解約金がかかる場合がある

    サブスクリプションで車を利用する場合、原則として中途解約することはできません。やむを得ず中途解約する場合は、別途解約金を支払わなければならないケースが多いです。

    基本的に契約期間は3年からなどの長期契約が前提のところが多いため、ある程度の期間車を使い続けるかどうかを事前に考えたうえで、契約すべきかどうかを検討しなければなりません。

    プランによっては解約金を支払わずに利用できる場合もあるので、海外転勤などのやむを得ない理由で途中解約する可能性がある場合は、そういったプランを検討すると良いでしょう。

    必ずしも乗りたい車に乗れるとは限らない

    車を購入する場合は、ご自身が乗りたい車を選んで購入することができます。ただし、サブスクリプションではサービスの提供側が利用できる車種を決めるため、乗りたい車がサブスクリプションの対象になっていない可能性も考えられます。

    そのため、サブスクリプションというシステムを気に入っていたとしても、そのシステムではご自身が乗りたい車に乗ることができない、という状況に陥る場合もあります。

    車の返却時は原状回復をする必要がある

    サブスクリプションで利用する車は、あくまでも「借りている」ものです。そのため、契約期間が満了して車を返却する際は、原状回復を行わなければなりません。

    原状回復ができなければ追加精算を求められるため、修理が必要な大きなキズなどを付けないように十分注意する必要があります。

    6.車のサブスクリプションに向いている人とは?

    ここまで何度か触れていますが、車のサブスクリプションは年単位での利用が前提となります。そのことを踏まえたうえで、車のサブスクリプションに向いている人について、以下のようにまとめました。

    • 初期費用を抑えて車を利用したい人
    • 毎月の負担を一定にしたい人
    • 乗りたい車があったらすぐに乗り換えたい人
    • 好きなメーカーが決まっている人

    車のサブスクリプションでは頭金などの初期費用を用意する必要がなく、月額料金を支払うだけで車を利用できます。初期費用の負担が厳しく車の利用を諦めていた人にとっては、非常に助かるサービスと言えるでしょう。

    また、月額料金には自動車税や自動車重量税・保険料などの費用が含まれています。そのため、車にかかる出費を毎月一定にすることが可能です。家計の管理をするうえで、毎月の負担に大きな変動がないことは非常に重要なポイントです。

    車のサブスクリプションのプランには、契約期間中でも別の車に乗り換えられるようなものがあります。そういったプランを利用することで、乗りたい車ができたときに待たずにすぐに乗り換えることが可能です。気になる車はすぐに試してみたいという方は、このようなプランを選んで利用しましょう。

    サブスクリプションで利用できる車は、基本的にサービスを提供しているメーカーが取り扱っている車種に限定されます。そのため、好きなメーカーが決まっている方にとっては、嬉しいサービスと言えます。

    7.車の「サブスクリプション」はライフスタイルに合わせて検討を

    車のサブスクリプションとは、「毎月定額で車を利用できる」という仕組みのサービスです。

    諸費用込みの分かりやすい料金体系で利用できることや、まとまった資金なしでも利用できることなどがメリットです。その一方で、走行距離制限や契約期間などの制約があることはデメリットとして考えられます。

    車のサブスクリプションを利用するかどうかは、メリットや注意点を踏まえたうえで判断するようにしましょう。

    おとなの自動車保険はこちら

    木下 隆之
    監修
    木下 隆之(きのした たかゆき)

    プロフィール:
    明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務。独立後、プロレーシングドライバーとして活躍。全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。雑誌にも11本の「連載エッセイ」に執筆。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る