軽自動車には通常黄色のナンバープレートが交付されますが、例外的に白色に近いナンバーを使用できる方法もあります。当記事では、軽自動車で通常と異なる白ナンバーや、図柄入りナンバーを装着したい際などに申請する「図柄入りナンバープレート」の種類や申請方法について解説します。
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1.軽自動車に白ナンバーを付けるには?
ナンバープレートの色は、普通自動車は白色(事業用車は緑色)、軽自動車は黄色(事業用車は黒地に黄色の文字)と車の区分に応じて分かれており、原則として自由に選ぶことはできません。
しかし、個別に申請することで交付される「図柄入りナンバープレート」から白い図柄のものを選択すれば、普通自動車以外の車も白色のナンバーを装着することができます。とはいえ、軽自動車の場合は白い図柄であっても周りを囲むように識別用の黄色い枠が付くため、普通自動車のものとまったく同様の白色ナンバーになるわけではない点には注意が必要です。
2.図柄入りナンバープレートとは
図柄入りナンバープレートとは、イベントの支援や地域振興などを目的に交付される、特別な図柄が描かれたナンバープレートです。交付申請には別途料金がかかるほか、入金額に応じて異なる図柄が選べる場合もあり、収益はイベントや自治体などへ寄付されます。
また、図柄入りナンバープレートの交付対象はこれからナンバーを付ける新車・中古車だけではなく、すでにナンバーを付けている車もいつでも申請が可能です。ただし、図柄の中には申請・交付期間が設定されており、期間内に手続きを行わなくてはならないものも存在します。
ちなみに、図柄入りナンバーを既存のナンバーと交換する場合、ナンバーの番号は基本的に引き継いで使用できますが、分類番号が二桁のケースなどでは一部変更が必要になることがあります。
図柄入りナンバープレートを使用できないケース
図柄入りナンバープレートの交付は普通自動車と軽自動車が対象であり、二輪車は使用できません。そのほか、以下のようなケースも図柄入りナンバープレートの交付の対象外となります。
- 車両番号のかな文字が「り・れ(事業用)」または「わ(レンタカー)」の軽自動車
- 分類番号が3桁以外の軽自動車
- 旧標板地名(品、栃木など)のナンバー
- 小型標板(23cm×12.5cm)のナンバー
また、ボートトレーラーなど、ナンバーが後面1枚のみの車両はWebでの交付申請ができません。地域の予約センターの窓口にて直接申請を行いましょう。
3.図柄入りナンバープレートの種類
図柄入りナンバープレートには、以下のような種類が存在します。
全国版図柄入りナンバープレート
全国版図柄入りナンバープレートは、地域を問わず申請が可能な全国共通デザインの図柄入りナンバープレートです。図柄は定期的に更新されており、現在交付されている令和4年版の図柄では白地に花柄があしらわれています。
交付料金のみを入金した場合には単色のデザインとなりますが、追加で1000円以上の寄付を行うことでフルカラー版も選択できます。
地方版図柄入りナンバープレート
地方版図柄入りナンバープレートは、交付される地域によって図柄が異なっており、各地域の風景や観光資源をモチーフとしたデザインが特徴です。ただし、導入している地域には限りがあり、エリア外からの申し込みはできません。
こちらも全国版同様、1000円以上の寄付でフルカラー版を選択することが可能であり、フルカラー版の図柄の中には白以外の色を基調としたものもあります。
特別仕様ナンバープレート
オリンピックやワールドカップといったイベントの際には、上記の図柄のほかに期間限定で特別な図柄のナンバープレートが交付されることがあります。特別仕様ナンバープレートも寄付金額に応じて選べる図柄が異なる場合が多いものの、図柄自体は全国共通です。
現在交付されているのは、大阪・関西万博の開催を記念したナンバープレートです。こちらは大阪・関西地域に限らず全国で申請が可能であり、イベント後も引き続き使用できます。
4. 図柄入りナンバープレートの申請方法
申請できる場所
図柄入りナンバープレートの交付申請は、Webからの申し込みが便利です。Web申請は以下の「希望番号・図柄ナンバープレート申込サービス」から行うことが可能です。
希望番号・図柄ナンバープレート申込サービスまた、交付申請は地域の予約センターの窓口でも受け付けています。お住まいの地域の予約センターの所在地は、以下のサイトから確認できます。
予約センター一覧そのほか、申請手続きはディーラーや整備工場、行政書士などに相談して委託することも可能です。
申請にかかる費用
交付申請の料金は、一般的な前後2枚セットの場合で7000円~1万円程度と幅があり、実際の金額は図柄や地域によっても異なります。加えて、ディーラーなどに申請や取付けを委託する場合は、交付料金のほかに別途手数料が発生することもあります。
交付にかかる期間
図柄入りナンバープレートは受注生産品のため、申請直後に受け取れるわけではありません。申請料金・寄付金の入金確認から交付までには、多くの場合10日~2週間程度かかります。
ちなみに、Webまたは窓口で自ら申請手続きを行った場合、完成したナンバーは地域の予約センターから受け取れます。ナンバーを受け取った後は、1ヶ月以内に管轄の軽自動車検査協会事務所にてナンバープレートの取付・交換を行いましょう。
使用終了後のナンバーの扱い
使用中の図柄入りナンバープレートは、新たに申請を行えば他の図柄のナンバープレートと交換したり、通常のナンバープレートに戻したりすることもできます。しかし、一度使用を終えた図柄入りナンバープレートを再度取り付けることはできません。
ただし、使用を終了した図柄入りナンバープレートは、取り外し後に不正使用防止用の穴を開けたうえで所有することが可能です。不正防止処理には別途手数料がかかる場合もあるため、詳細は地域の予約センターに問い合わせることをおすすめします。
5.監修コメント
ラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックの特別仕様ナンバープレートは「寄付なしの自家用軽自動車」に人気が集中しました。この両タイプは白地のプレートの右上に大会エンブレムが小さくあしらわれたデザインになっていたので、普通自動車のような白いナンバープレートを軽自動車に付けることができたからです。オリンピック・パラリンピックの特別仕様ナンバープレートは、4年間で交付された約289万4000件のうち、9割近くを「寄付なしの自家用軽自動車」が占めたといいます。
その影響からでしょう。軽自動車の図柄入りナンバープレートは、現在は全てに黄色い枠が入っているのでご注意ください。