コンパクトで小回りがきき、維持費も抑えられるとして人気の軽自動車。軽自動車の購入を検討している方の中には、軽自動車は何人乗りなのかという疑問をお持ちの方もいるかもしれません。軽自動車は、原則4人乗りですが、12歳未満の子どもを乗せる場合には、5人乗りが可能になるケースもあります。当記事では、軽自動車の定員ルールや罰則などについて紹介します。
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1. 軽自動車は何人乗り?
定員は原則4人まで
軽自動車の乗車定員は、車検証にも記載されていますが、4人までです。近年は、車室空間が広めに設計されているタイプもありますが、軽自動車の規格は、「長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下、排気量660cc以下」と定められています。一方、普通車の規格は、「長さ4.7m以上、幅1.7m以上、高さ2.0m以上、排気量2000cc以上」。このように軽自動車は普通車と比べると、サイズも排気量も小さいため、定員は原則4人となっています。ただし、軽トラックやクーペなど、2シートタイプの軽自動車の定員は2人です。
2. 例外的に5人乗りが可能なケースも
12歳未満の子どもが乗る場合
上記では、軽自動車の定員は4人と説明しましたが、例外的に5人乗りが可能となるケースもあります。それは、12歳未満の子どもが3人乗る場合です。
国土交通省の道路運送車両の保安基準第53条2では、「前項の乗車定員は、12歳以上の者の数をもって表すものとする。この場合において、12歳以上の者1人は、12歳未満の小児又は幼児1.5人に相当するものとする」と定めています。つまり、乗車定員に関するルールは以下のとおりです。
- 12歳以上は大人、12歳未満は子どもとしてカウントする
- 大人2人=12歳未満の子ども3人
そのため、「大人2人+12歳未満の子ども3人」といった5人乗りが可能です。しかし、「大人3人+12歳未満の子ども2人」は定員オーバーということになります。
安全面から5人乗りは避けた方が良い
道路運送車両の保安基準第53条2で言及されているとおり、一部ケースでは5人乗りが可能になります。しかし、安全面を考慮すると5人乗りはすすめられません。
なぜなら、シートベルトの数が足りないからです。軽自動車に設置されているシートベルトは、4つなので、シートベルトを着用できない人が出てきてしまい、危険性が高まります。
もう一つの理由は、チャイルドシートやジュニアシートを設置した場合のスペースの問題です。6歳未満の子どもを車に乗せる際には、チャイルドシートの着用が義務付けられており、10歳頃までの子どもにはジュニアシートの着用が推奨されています。チャイルドシートやジュニアシートを設置すると、スペース的に5人乗るのは厳しくなるでしょう。
ただし、乗車する子どもが多いために、すべての子どもがシートベルトを装着できない、もしくはチャイルドシートを設置できない場合には、例外が認められ、違反にはなりません(乗車定員を守っている場合に限る)。とはいえ、安全性を考慮すると、シートベルトやチャイルドシートを装着しないまま子どもを乗せるのは非常に危険なので、5人乗りは避けましょう。
3. 軽自動車で定員オーバーした時のリスク
事故のリスクや被害が大きくなる
乗車定員内であったとしても、5人以上を車に乗せるのは様々なリスクが伴います。乗車人数が多ければ多いほど重量が増すため、ブレーキの制動距離が長くなったり、ハンドルを切った時にコントロールを失ったりする場合があります。それが原因で、大きな事故につながる可能性もゼロではありません。
また、シートベルトを装着していないと、事故発生時に車内で体を強く打ち付けられたり、車外に放り出される危険性があります。
定員外乗車違反として罰則対象
道路運送車両の保安基準第53条で定められた乗車定員のルールを破った場合は、法律違反となります。「定員外乗車違反」として、反則金6,000円と違反点数1点という罰則が科せられます。
チャイルドシートの装着を怠ることも罰則対象
原則として、6歳未満の子どもにはチャイルドシートの着用義務があります。そのため、チャイルドシートを着用せずに6歳未満の子どもを乗せて車を運転した場合には、「幼児用補助装置使用義務違反」として違反点数1点の罰則対象になります。
このように、軽自動車の5人乗りには、罰則や事故時の被害が増大するといったリスクがあります。子どもの成長や家族構成の変化に伴って、自動車の使用状況を見直したり、買い替えを検討することも大切です。
4. 監修コメント
例えば6歳未満の幼児1名と12歳未満の小児3名を軽自動車に同乗させるとなった場合、後部座席のスペースを確保するために、助手席にチャイルドシートを設置したくなるかもしれません。しかし、チャイルドシートの設置位置は後部座席が推奨されています。後部座席の中でも助手席の後方は歩道側になるので、乗せ降ろし時の安全性も高くなるといえます。
停車時に運転席から幼児の様子を確認しやすいというメリットもあるので、チャイルドシートは助手席側の後部座席に設置することをおすすめします。