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自賠責保険証明書とは?携帯方法や保管場所、紛失時の対応を解説

更新

2024/10/17

公開

2024/10/17

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自賠責保険に加入すると発行される「自賠責保険証明書」は、すべての車の運転に必要不可欠な書類であり、取り扱いを誤ると法律で罰せられることもあります。そこで当記事では、自賠責保険証明書の内容や扱い方、万が一紛失してしまった場合の対処法について解説します。

目次

    1.自賠責保険証明書とは

    自賠責保険証明書とは、自動車やバイクが「自賠責保険」に加入していることを証明する書類であり、正式名称は「自動車損害賠償責任保険証明書」といいます。すべての自動車・バイク(原動機付自転車や電動キックボードも含む)には、対人事故への補償を目的とした自賠責保険への加入が義務付けられており、加入時に必ず自賠責保険証明書が発行されます。

    自賠責保険証明書は車検や交通事故の際に必要となることから、運転中は必ず携帯しなくてはならず、不携帯の場合には罰則の対象になります。そのため、普段は車内に保管しておき、もし紛失した場合にはすぐに再発行の手続きを行う必要があります。

    2.自賠責保険証明書に記載されている情報

    自賠責保険証明書には、主に以下のような情報が記載されています。

    車両の情報(自動車登録番号・車体番号・種別)

    自賠責保険証明書では車両を名前ではなく、番号によって識別しています。具体的には、運輸支局の管轄区ごとに割り振られた「自動車登録番号」、または国土交通省から全車両に付与されている「車体番号」のいずれかが記載されています。

    車の種別欄に記載されている文言は、車両の使用形態と車種を表しています。たとえば「自乗」と記載がある場合は、その車両が「自家用かつ乗用」であることを意味します。

    契約者の情報(氏名・住所)

    自賠責保険は車両ごとに加入する保険ですが、実際の加入手続きを行うのは所有者です。そのため自賠責保険証明書には、加入契約を行った車両の所有者の氏名・住所も記載されています。

    ちなみに、結婚や転居などで氏名・住所が変わって自賠責保険証明書の内容変更を行っていない状態でも、罰則に問われることはありません。とはいえ、古い情報のままでは更新通知が届かないといったトラブルにつながる可能性もあるため、早めに加入先の保険会社へ変更を申請しましょう。

    保険の情報(会社名・加入期間・保険料収納済印など)

    自賠責保険は国の制度ではあるものの、実際の窓口となるのは民間の保険会社です。そのため自賠責保険証明書には、加入先の保険会社の名前のほか、保険料を受け取ったことを証明する保険会社側の押印や領収書なども記載されています。

    自賠責保険証明書の書面では、自賠責保険の加入期間も確認することができます。車検の実施には自賠責保険への加入が必須であるため、加入期間は必ず車検の有効期間をカバーする形で設定されているのが特徴です。

    3. 自賠責保険証明書の取り扱い

    自賠責保険証明書は、車を運転する際は必ず車内に携帯し、いつでも取り出せる状態にしておかなければなりません。自賠責保険証明書の携帯は自動車損害賠償法の8条によって定められた義務であり、違反した場合には30万円以下の罰金が科せられます。

    また、原付や126cc~250ccの軽二輪自動車の場合は、保険加入の事実と有効期限が記されたシール(保険標章)をナンバープレートの指定位置に貼り付ける必要があります。

    携帯する自賠責保険証明書に関しては、原本・コピーの指定はありません。とはいえ、自賠責保険証明書は事実の証明を目的とした書類であるため、可能な限りコピーではなく原本を携帯することが望ましいでしょう。

    4.自賠責保険証明書はどこにある?

    自賠責保険証明書は、自動車の場合は車検証などと一緒に車のダッシュボードやサイドポケットなどに入れて保管するのが一般的です。バイクの場合には、シート裏などに取り付けられる市販の書類入れを使うのもよいでしょう。

    ちなみに、自賠責保険証明書は車検の際にはメンテナンスノートや車両の取扱説明書とまとめて扱われることが多いです。紛失が疑われる場合には、それらの書類・資料と一緒に収納されている可能性が考えられます。

    5. 自賠責保険証明書の更新手続き

    自賠責保険には契約期間が設定されており、車を運転し続ける限りは絶えず更新を行わなければなりません。更新手続きは車検の際に業者が代行するケースが一般的であり、代行の費用も車検の料金に含まれていることが多いです。

    ただし、原付や250cc以下のバイクは車検の義務がないため、契約者が自身で更新を行う必要があります。更新手続きは保険会社の支店のほか、一部の郵便局やコンビニエンスストア、インターネットなどから行うことが可能です。

    注意すべきなのは、更新のたびに自賠責保険証明書も新たに発行される点です。自賠責保険の更新が完了したら、必ず新しい自賠責保険証明書の内容に誤りがないか確認を行いましょう。

    更新時の必要書類

    更新に必要な書類は車両の種類によって異なります。自動車や250ccを超える二輪車といった車検の義務がある車種の場合、更新には以下の書類が必要になります。

    • 自動車検査証(車検証)
    • 現在契約中の自賠責保険証明書

    一方で、原付や軽二輪など、車検の必要がない車種の更新手続きには以下のような書類が必要です。

    • 標識交付証明書(原付の場合)
    • 軽自動車届出済証(軽二輪の場合)
    • 現在契約中の自賠責保険証明書

    6. 自賠責保険証明書を作成する際の注意点

    自賠責保険証明書を紛失した場合には、直ちに再発行の手続きを行わなくてはなりません。

    再発行の申請先

    再発行の申請は、加入先の保険会社に対して行います。申請の方法は保険会社によっても異なりますが、必要書類を郵送するか、窓口に印鑑と本人確認書類を持参して手続きを行う方法が一般的です。

    もし加入していた保険会社がわからない場合には、車両を購入した店舗または車検を行った業者に連絡を取り、記録を確認するとよいでしょう。

    再発行時の必要書類

    再発行の申請時には、申請の内容に応じて必要な書類が変わります。紛失・盗難などにより、自賠責保険証明書が手元にない場合には以下のものを用意します。

    • 本人確認可能な身分証明書(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)
    • 印鑑(シャチハタは不可)
    • 車検証(車両情報の確認に必要)
    • 再発行申請書(加入保険会社の営業窓口で発行)

    また、自賠責保険証明書は残っているものの、損傷や汚損によって内容が識別できなくなってしまった場合の再発行申請では以下のものが必要です。

    • 印鑑(シャチハタは不可)
    • 損傷した自賠責保険証明書(自賠責保険証)

    ちなみに、契約者の代わりに第三者が保険会社の窓口で手続きを行う場合は、上記のほかに再発行申請書への署名捺印と本人確認書類も必要になります。併せて、保険会社に対しても事前に確認の連絡を行った方がよいでしょう。

    再発行の費用

    自賠責保険の更新には料金が発生するものの、自賠責保険証明書の再発行に関しては多くの保険会社が無料で対応しています。とはいえ、実際の費用は企業や申請内容によっても異なるため、個別に確認することが望ましいでしょう。

    再発行までの期間

    申請手続きから再発行の完了までには、多くの場合1~2週間程度かかります。ただし、必要な書類が揃っている場合には、保険会社の窓口で手続きを行うことで即日再発行できるケースもあります。

    また、再発行されるまでの期間中は、誤ってその車を運転してしまわないように注意が必要です。仮に再発行の手続きが済んでいたとしても、自賠責保険証明書を紛失したままの状態で車を運転することは不携帯にあたります。

    7.監修コメント

    基本的に任意保険は自分で保険会社を選んで加入しますが、自賠責保険は販売店や車検を受け付けた業者が保険会社に依頼し、加入されています。そのため、加入先の保険会社が任意保険と自賠責保険で異なることがよくあります。
    自賠責保険証明書の再発行や変更の申請は、自賠責保険の加入先の保険会社に対して行います。自賠責保険の加入先は販売店や車検を受け付けた業者がいつもお願いしている保険会社になっていることも多いので、画像やコピーなどで控えを取っておくことをおすすめします。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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