愛車を長持ちさせるためには、日頃からこまめに汚れを落とし、美しい状態を保つことが大切です。しかし、洗車スペースがないなどの事情によって、自宅で気軽に洗車ができない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときに便利なのが、コイン洗車場です。コイン洗車場であれば、硬貨(コイン)に対応した専用の機械を利用して誰でも気軽に洗車できます。
本記事では、コイン洗車場の使い方やマナー、用意しておきたいアイテムなどを解説します。
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1.コイン洗車場とは?
コイン洗車場とは、個人が利用できるセルフスタイルの洗車施設のことです。マンションやアパートにお住まいなどの住環境によって自宅で洗車ができなくても、コイン洗車場を利用すれば気軽に洗車ができます。
コイン洗車場ではセルフ洗車をサポートする大型の洗浄設備を備えており、数百円程度の料金で本格的に洗車できるのが魅力です。
コイン洗車場でできること
コイン洗車場は、ただ車を洗うスペースを提供してくれるだけではなく、愛車の外側から内側までを効率良く洗い上げる設備が用意されています。設備の内容は場所ごとに異なりますが、コイン洗車場で利用できる設備としては、主に次のようなものがあります。
機械洗車
多くのコイン洗車場でみられるのが、機械洗車の設備です。
機械洗車の設備にはおおむね2種類あり、1つはガソリンスタンドによく併設されている全自動の門型洗浄機、もう1つは高圧の水流を使う手動タイプのスプレー洗車機です。いずれも水洗いやワックス洗車など利用コースを選べるようになっており、数百円で効率良く車の汚れを落とすことができます。
ただし、どちらの機械を使ったとしても洗車後の細かな水滴は残ります。こうした水滴の拭き取りはご自身で行う必要があります。
手洗い洗車
機械洗車は手間なく汚れを落とすのに便利ですが、洗車時間は短く、洗い残しがあることもあります。丁寧な仕上がりを求める場合は、ご自身の目で確認しながら作業できる手洗い洗車がおすすめです。
コイン洗車場には、通常、洗車専用のスペースが設けられています。水道設備もあるため、洗車に必要なアイテムさえ準備すれば手洗い洗車が可能です。
洗車場にある自販機などで道具の販売や貸し出しをしていることもありますが、その都度お金がかかったり、最適な道具が売っていなかったり品切れになっていたりする可能性もあるため、可能な限りコイン洗車場に行く前に道具を揃えておくとよいでしょう。
なお、もしカーシャンプーがなくても、スプレー洗浄機を併用すればアイテム不足を補えます。
車内清掃
車体の外側だけではなく、内側まで清掃する設備が整っていることも、コイン洗車場の特徴です。
車内用の小型ハンディクリーナーや家庭用の掃除機とは異なり、コイン洗車場の掃除機は車内清掃に適したバキューム掃除機となっています。吸引力が高く、また先端が細いため小さなゴミも吸い取れます。また、エアーを噴射して吹き飛ばす機能もあるため、細かなチリやホコリを吹き飛ばすこともできます。
ほかにも、ローラー式のマット洗浄機を設置しているコイン洗車場もあります。ご自身で行うと負担の大きいフロアマットの丸洗いも、マット洗浄機を使えば簡単です。
2.手洗い洗車に必要なアイテム
コイン洗車場で手洗い洗車を行う際は、以下の道具を事前に準備しましょう。
- ボディ用の洗車スポンジやクロス(ボディ用・タイヤ用の2枚)
- ホイール用のブラシ
- バケツ
- 拭き取り用のタオルやクロス
- カーシャンプー(ボディ用・タイヤ用/中性タイプがおすすめ)
- ワックスやコーティング剤
このほか、車高の高い車の場合には、ルーフトップに手が届くように脚立も準備しておきます。
高圧洗浄機やカーシャンプー、ワックス、洗車用スポンジがあらかじめ用意されているコイン洗車場もあります。
コイン洗車場ごとに違いがあることを考慮して、現地で何が必要になるか、出かける前に確認すると良いでしょう。
3.手洗い洗車の方法
前述した通り、コイン洗車場は機械洗車だけではなくセルフでの手洗い洗車もできます。細部の汚れまでしっかり落としたい場合は手洗い洗車もおすすめです。
ここでは、コイン洗車場で手洗い洗車するときの手順や、きれいに車を洗い上げるコツをお伝えします。
手順①車を洗車スペースへ移動させる
コイン洗車場には通常、洗車スペースが用意されています。そこで、決められた場所に車を停めて、洗車アイテムを準備します。
手洗いの前にスプレー洗車機を利用する場合は、洗車機の所定の位置に車を停止させます。使い方は先述のとおりです。
手順②水で汚れを落とす
手洗い洗車では、はじめにボディに付いた汚れを水で落としきることが大切です。目に見えないような小さな砂粒やホコリでも、そのままスポンジやクロスで洗うとボディに傷を作る原因になりかねません。
ボディの汚れ落としには、コイン洗車場に付属する水道ホース、もしくはスプレー洗車機を利用します。汚れをもれなく落とすには、ボディの上から下へ、全体に勢いある水流をかけるのがポイントです。水圧で跳ねた汚れも丁寧に流しましょう。
ボディに付着する汚れには、花粉や黄砂、鳥のフンや虫の死骸、油汚れなど、水流だけでは落ちにくいものもありますが、できるだけ落としましょう。
手順③ボディを洗う
ボディの汚れはカーシャンプーの泡で洗い落とします。スポンジのこすり傷を作らないように、泡で洗うようにするのがコツです。シャンプーをバケツに入れ、水道ホースの水圧を利用すると良く泡立ちます。
たっぷりの泡をつけたスポンジは、一定方向に動かします。往復させたり円を描いたりすると、傷になりやすいので避けましょう。また、スポンジはこまめにバケツを戻し、汚れを落としながら洗います。
手順④タイヤホイールを洗う
ボディを洗い終わったら、タイヤホイールを洗います。もしタイヤがかなり汚れている場合は、タイヤホイール→ボディの順に洗うようにしましょう。
タイヤやホイールは汚れやすく洗いにくい形状なので、専用ブラシを利用するのがおすすめです。また、タイヤの汚れが気になる場合は、ホイールより先にタイヤを洗うようにしましょう。
一見、頑丈そうでも、アルミホイールや樹脂製のホイールキャップなどは傷つきやすいため、固いブラシやゴシゴシ洗いに注意してください。
手順⑤カーシャンプーを水で流す
車体全体を洗い終えたら、カーシャンプーを水で流します。このときもボディの上から下に向けて洗い流しましょう。
カーシャンプーのすすぎ残しは、イオンデポジット(水垢の跡)やウォータースポットによる塗装の劣化など、ボディを傷める原因にもなります。ドアの隙間やサイドミラー、車体の裏側など、隅々まで丁寧にカーシャンプーを洗い流してください。すすぎ残しが起こりやすい部分は、洗車用のクロスを湿らせて拭き取るのも効果的です。
手順⑥車を拭き取りスペースに移動させる
洗車が終わったら、拭き取りスペースへ車を移動させます。洗車スペースの利用者が待機しているときには、特にすみやかな移動を心がけましょう。
手順⑦クロスで水を拭き取る
車体に残った水滴を、タオルやクロスで拭き取ります。水滴は乾燥すると水垢になり、新たな汚れの原因になるので残さず拭き取るようにしてください。摩擦によるこすり傷を防止するため、タオルやクロスはあらかじめ湿らせておくことも大切です。
洗うときと同じく、一定方向にクロスを動かすのが美しく仕上げるポイントです。マイクロファイバー素材やセーム(皮布)など、吸水性の高い繊維を使った拭き取り用クロスを使うと拭き残しが少ないでしょう。
4.機械洗車の使い方
機械洗車、門型洗車機とスプレー洗車機の使い方について説明します。先述のとおり、門型洗車機とスプレー洗車機には、全自動と手動という大きな違いがあります。しかし、基本的な使い方は同じです。
- 停止位置に車を止めてエンジンを切る
- 精算機でコースを選択して料金を支払い、スタートボタンを押す
- 洗車開始
- 洗車終了後、車を移動させる
門型洗車機は洗車機が前後することで自動的に車を洗うタイプで、必ずしも車から降りることはありません。一方、スプレー洗車機は洗浄機を手にしてご自身で車を洗うタイプのため、車を降りてからスタートボタンを押しましょう。
また、門型洗車機にはドライブスルータイプもありますが、オーソドックスな門型洗車機との違いはほとんどありません。唯一の違いは、洗車が終わったあとの洗車場からの移動方法です。洗車を終えたあとに車をその場から移動するとき、門型洗車機の場合は車をバックさせますが、ドライブスルータイプは車をそのまま前進させます。
どちらのタイプも洗車後は専用スペースに車を移し、ボディに残った水滴をタオルなどで拭き取って洗車完了です。
拭き取りが終わったら、必要に応じてワックスやコーティング剤でボディを保護します。
5.機械洗車と手洗い洗車の使い分け法
コイン洗車場は、門型洗車機やスプレー洗車機を使った機械洗車、ご自身で気になる部分までしっかりケアできる手洗い洗車、どちらにも対応しています。機械洗車と手洗い洗車には、それぞれにメリットとデメリットがあるため、目的や状況に応じて上手に使い分けましょう。
ここでは、コイン洗車場を訪れたとき、機械洗車と手洗い洗車のどちらを使うのが適しているか、シチュエーション別に解説します。
機械洗車がおすすめのシチュエーション
機械洗車は、短時間で効率的に車を洗うのに適した方法です。洗車時間はわずか5~10分、とくに門型洗車機であればただ待っているだけできれいに洗いあがります。
じっくり洗う時間がないときや急な汚れに困っているとき、洗車道具を用意していないときなどは、機械洗車を活用しましょう。
手洗い洗車がおすすめのシチュエーション
手洗い洗車は、車全体をまんべんなく洗うこともできれば、ルーフトップ、タイヤホイールなど気になるところを重点的に洗うこともできます。
使うアイテムも力加減もご自身でコントロールできるので、鳥のフンなどの頑固な汚れがあるとき、久しぶりの洗車で汚れの蓄積が気になるときにおすすめです。
また、ボディと窓、タイヤなどで洗剤を使い分けたいなど、洗車にこだわりがある方にも手洗いがぴったりです。
6.コイン洗車場でのマナー
コイン洗車場はたくさんの人が利用します。気軽に使える場所であるからこそ、利用者一人一人がマナーを守ることが大切です。
マナーといっても何も特別なことはありませんが、気を付けたいのが長時間の利用です。洗車にかける時間は人それぞれですが、混雑した時間帯にはできるだけスピーディーに作業を終えて、次の方にスペースを譲るのがマナーです。
また、コイン洗車場は専用スペースを設けることで、利用者が効率良く作業できるように場内が整備されています。車の移動をせず、洗車スペースで拭き取りやワックスがけまで行うなど、場内のルールに反した利用は避けましょう。
7.コイン洗車場に行くタイミングはいつが良い?
洗車の目安は月1回とされています。ただし、車の保管場所や使用頻度など、環境によって車を美しく保てる洗車頻度は異なります。
保管場所については、紫外線や雨、砂ぼこりなどから遮断されるガレージやカーポートであれば月1回でも良いでしょう。しかし、屋外の駐車場の場合は天気や外気の影響を受けることを考え、1~2週間に1回は洗車しておきたいところです。
たとえ屋内で保管していたとしても、通勤で毎日利用するなど使用頻度が高い場合には汚れが蓄積しやすいため、こまめな洗車がおすすめです。
また、鳥のフンや虫、花粉など落ちにくい汚れがついたときには、放置することで塗装にダメージを与える可能性があるため、その都度洗車するようにしましょう。
8.コイン洗車場以外にどんな洗車場がある?
コイン洗車場は思い立ったら気軽に車を洗える便利なスポットですが、近年、減少傾向が続いているため数が少なく、近隣に見当たらないという方もいるかもしれません。とはいえ、汚れた愛車を放っておくのは良くありません。
そこで、コイン洗車場が使えないときの選択肢として、覚えておきたい洗車場を2つ紹介します。
ガソリンスタンドのセルフ洗車機
ほとんどのガソリンスタンドに、コイン洗車場でも良く見られる、門型のセルフ洗車機が併設されています。ドライブスルー式が採用されていることも多く、まさにファストフードのドライブスルーを利用する感覚で、車から降りることなく洗車することも可能です。
セルフ洗車機を設置するガソリンスタンドには、水滴の拭き取りスペースも用意されています。車を移動させて水滴を拭き取れば、洗車完了です。
ただし、コイン洗車場のように洗車スペースはないため、細かな汚れが気になってもご自身で手洗いすることはできません。ガソリンスタンドのスタッフによる手洗いサービスはありますが、ご自身で手洗いするのに比べると割高になります。
洗車専門店
洗車専門店も洗車場の1つとして覚えておきたい場所です。
洗車のノウハウを知るプロのスタッフが、洗車に適したアイテムを使い、愛車を美しく磨き上げてくれます。プロによる洗車なので、コーティング直後の車であっても、コーティングを守りながら汚れだけを落としてもらえ、美しさをより長持ちさせることにつながります。
ただし、セルフの手洗いよりも時間がかかるというデメリットがあります。ほとんどの洗車専門店は予約不要ですが、特に繁忙期は混雑する場合があることや洗車にかかる時間を把握するためにも、あらかじめ予約しておくと安心です。また、シンプルな洗車コースでも2,000~3,000円程度であるなど、費用が高めであることも考慮しましょう。
洗車専門店のなかには、自宅や勤務先、駐車場などに「出張洗車」してくれるところもあります。SOMPOダイレクトでは、カーライフサービスの一環として、出張洗車の優待情報を提供しています。誰でも利用できますのでご活用ください。
9.コイン洗車場はマナーを守って正しく使用しよう!
車の洗車は、ただ見た目を美しく保つだけではなく、塗装へのダメージやサビを防ぐメンテナンスの1つです。
一定ペースでコイン洗車場に通えば、愛車をより長持ちさせることができます。コイン洗車場は多くの方が利用するので、ご利用の際はほかの利用者への配慮を忘れず、マナーを守ることも大切です。