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軽自動車税はいくら?いつ支払うか、滞納した時のリスクについても解説

更新

2024/04/15

公開

2024/04/15

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軽自動車や原動機付自転車などを所有している人は、軽自動車税を毎年支払う義務があります。当記事では、軽自動車税の対象となる車両や税額、支払時期などについて紹介。また軽自動車税を節約する方法についても解説します。

目次

    1. 軽自動車税とは?

    軽自動車税(種別割)とは、軽自動車や原動機付自転車などを所有している人に課せられる地方税です。普通自動車の所有者に課税される「自動車税(種別割)」は、住民票のある都道府県に納めるのに対し、軽自動車税(種別割)は、住民票のある市区町村に納めます。

    課税対象は、4月1日時点で軽自動車等を所有している人です。4月2日以降に廃車にしたり、名義変更をしたりしても、その年度分の軽自動車税(種別割)は納めなくてはなりません。軽自動車税(種別割)の対象となる車両は以下の表の通りです。

    車種区分 条件
    軽自動車 三輪・総排気量660cc以下
    四輪・総排気量660cc以下

    原動機付自転車
    排気量50cc以下または定格出力600w以下
    排気量50cc超90cc以下または定格出力600w超800w以下
    排気量90cc超125cc以下または定格出力800w超1000w以下
    ミニカー(三輪以上で総排気量が20cc超50cc以下または定格出力250w超600w以下)
    特定小型原動機付自転車 定格出力600w以下、長さ1.9m以下・幅0.6m以下、最高速度20 km/h以下
    軽二輪車 総排気量125cc超250cc以下、被けん引車(ボートトレーラー等)
    二輪小型自動車 総排気量250cc超
    小型特殊自動車

    農業作業用自動車(コンバインやトラクターなど乗用装置のあるもの)、その他のもの(フォークリフト等)

    道路交通法の一部改正により、電動キックボードなどを指す特定小型原動機付自転車という新たな区分が設けられ、2024年4月1日以降は、基準を満たした特定小型原動機付自転車を所有している人にも、軽自動車税(種別割)が課せられます。

    2. 軽自動車税の税額はいくら?

    軽自動車税(種別割)は、車種区分と用途によって金額が定められています。普通自動車に課せられる自動車税(種別割)は、車種区分が同じでも排気量によって税額が異なりますが、軽自動車税(種別割)は車種区分ごとに一律です。

    軽自動車税(種別割)は、2016年度より新制度が適用となり、税額が引き上げられました。これにより、三輪および四輪の軽自動車に関しては、新規検査(はじめて車両番号の指定を受けた月)のタイミングによって、旧税率か新税率かが決まります。また詳細は後述しますが、三輪・四輪以上においては、燃費性能に優れた車両を除き、新規検査日から13年経過した車両は重課となります。それぞれの税額は、以下の通りです。

    ●軽自動車(三輪・四輪以上)の軽自動車税(種別割)※年間

    車種区分 新規検査日が2015年3月31日以前(旧税率) 新規検査日が2015年4月1日以後(新税率) 新規検査日から13年経過
    軽自動車 三輪 3,100円 3,900円 4,600円
    四輪 乗用 営業用 5,500円 6,900円 8,200円
    自家用 7,200円 10,800円 12,900円
    貨物 営業用 3,000円 3,800円 4,500円
    自家用 4,000円 5,000円 6,000円

    2015年3月31日までに新規検査をした車両は、13年経過するまでは旧税率が適用。

    ●原動機付自転車・二輪車等の軽自動車税(種別割)※年間

    車種区分  税率

    原動機付自転車
    排気量50cc以下または定格出力600w以下 2,000円
    排気量50cc超90cc以下または定格出力600w超800w以下 2,000円
    排気量90cc超125cc以下または定格出力800w超1000w以下 2,400円
    ミニカー 3,700円
    特定小型原動機付自転車 定格出力600w以下、長さ1.9m以下、幅0.6m以下、最高速度20 km/h以下 2,000円
    軽二輪 総排気量125cc超250cc以下、被けん引車 3,600円
    二輪小型自動車 総排気量250cc超 6,000円
    小型特殊自動車 農業作業用自動車 2,400円
    その他のもの 5,900円

    三輪・四輪以上の軽自動車税は新規検査から13年を超えると高くなる

    新規検査から13年を経過した三輪・四輪以上の車両は、およそ20%税率が上がります。理由は、日本国内では年式が古い車は環境へ与える影響が大きいと認識されているからです。

    これまで政府は、地球温暖化と大気汚染を防止するため、環境にやさしい車の開発・普及を進めてきました。環境への意識が高まる前に製造された車は、最近の車よりも、燃費性能や排ガス性能において劣る面があるとみられています。そのため、13年を経過した車両は、環境への負荷が大きいとされ、税率が上乗せされるのです。逆に、環境性能に優れた車は重課の対象になりません。具体的には、電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ガソリンハイブリッド自動車等が該当します。

    3. 軽自動車税を節税するには? 

    グリーン化特例を活用する

    環境性能に優れた車両に対しては軽自動車税(種別割)の税率が軽減されます。この措置を「グリーン化特例」といいます。グリーン化特例は、電気自動車や燃料電池自動車などの条件を満たす車両が適用期間中に新規検査を受けた場合、翌年度分の軽自動車税(種別割)がおよそ25〜75%軽減されるものです。なお、グリーン化特例は軽自動車税(種別割)だけではなく、普通自動車に課される自動車税(種別割)にも適用されます。この場合は、プラグインハイブリッド自動車も対象車両になります。

    4月2日以降に購入する

    軽自動車税(種別割)は、4月1日時点の軽自動車等の所有者に課税されると説明しました。逆に言えば、4月1日時点で軽自動車を所有していない場合には、その年度分の軽自動車税(種別割)は課税されません。そのため、4月2日以降に軽自動車を購入すれば、税金を節約することができます。

    ちなみに、普通自動車にかかる自動車税(種別割)に関しては、4月2日以降の年度途中に車を取得した場合、取得月の翌月分から月割りで課税されます。月初に購入しても月末に購入しても、支払う税金は変わらないため、月初に購入した方が税金がお得になるといえます。

    4. 軽自動車税はいつ支払う?

    自治体から届く納税通知書に記載されている納付期限までに納付します。軽自動車税(種別割)の納付期限は5月末日に設定されていることが多いです。一部の自治体は納付期限を4月末日や6月末日に設定している場合もあります。

    5. 納税通知書はいつ届く?

    納税通知書は、毎年4月1日時点の軽自動車等所有者が対象で、原則的には5月初旬〜中旬頃に届きます。また、納税通知書は車検証に登録している住所に届きますので、引っ越しなどで住所が変わった場合には、すみやかに手続きを行いましょう。

    6. 軽自動車税の支払い方法

    軽自動車税(種別割)は、銀行や郵便局、コンビニエンスストアなどで支払うことができます。自治体によっては、クレジットカード決済やスマホ決済、電子マネー決済、地方税お支払サイトに対応していることもあります。

    ただし、クレジットカード決済やスマホ決済、電子マネー決済、地方税お支払サイトを利用して納付した場合には、領収証書は発行されません。領収書が必要な場合や、継続検査(車検)用の納税証明書が必要な場合は、金融機関やコンビニエンスストア等の窓口などで納付をしましょう。

    7. 一部車種は車検時の納税証明書の提出が不要に

    これまで、継続検査(車検)を受ける時には、軽自動車税(種別割)を納付したことを証明する「納税証明書」が必要でした。しかし、2023年1月より軽自動車税納付確認システム(軽JNKS)の運用が始まったことに伴い、三輪・四輪軽自動車に関しては、納税証明書の提出が不要になりました。これは、軽JNKSを介して、軽自動車検査協会が納付情報を確認できるようになったからです。

    ただし、二輪の小型自動車(排気量250cc超)は対象外なので、これまで通り、紙の納税証明書が必要になります。また以下のケースにおいても、紙の納税証明書が必要になることがあるので注意しましょう。

    • 中古車の購入直後
    • 他の市区町村に引っ越した直後
    • 対象車両において、過去に未納がある場合
    • 納付後すぐに継続検査(車検)を受ける場合

    8. 軽自動車税の支払いを滞納した時のリスク

    軽自動車税(種別割)を納付期限を過ぎても支払わない場合、さまざまなペナルティが課せられます。

    延滞金が加算される

    納付期限を過ぎた翌日から延滞金が発生し、納める日までの日数に応じて加算されていきます。利率は、納付期限の翌日から1ヶ月以内は2.4%、1ヶ月を過ぎると8.7%になります(※)。ただし延滞金が1,000円未満の場合は切り捨てとなり、加算はされません。

    2022年1月1日〜2024年12 月31日の場合。延滞金の利率は、銀行の新規の短期貸出約定平均金利を基準に定められているため変動する場合があります。

    車検が受けられない

    軽自動車税(種別割)を滞納すると、車検を受けることができません。もし車検切れの状態で公道を運転すると、「無車検運行」にあたり、道路運送車両法違反となります。「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」「違反点数6点」といった罰則が科され、免許停止処分となるので、注意しましょう。

    財産の差し押え

    軽自動車税(種別割)を滞納した人には、督促状が送られてきます。この督促状も無視し、滞納を続けると、給料や銀行口座の預貯金、不動産などの差し押さえが行われる場合があります。勤務先や取引先などが調査されるので、職場にも税金の支払いを滞納していることが知られてしまいます。信用を大きく損なう可能性が高いため、滞納はせずにきちんと納付するようにしましょう。

    9. 監修コメント

    2023年の法改正により、一定の基準に該当する電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」という新たな区分に入ることになりました。ナンバープレートを取り付けている電動キックボードは特定小型原動機付自転車になるので、軽自動車税(種別割)を納付する必要があります。

    その税制が初めて適用されるのが2024年、つまり今年の春です。電動キックボードを所有している人は、郵便物を定期的にチェックするようにしましょう。そして、納税通知書が手元に届いたらできる限り早く軽自動車税(種別割)を納付しましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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