自動車保険

台風の被害をカバーする自動車保険の補償はある?ゲリラ豪雨などの自然災害に備えよう

更新

2022/11/30

公開

2018/10/31

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台風による「大雨」や「洪水」、「暴風」などの自然災害が原因でご自身の車に被害があった場合、自動車保険で補償を受けられるのかと不安に思う方がいるかもしれません。

そこで、本記事では台風による損害が自動車保険で補償されるかについて詳しく解説します。また、どのくらいの保険金を受け取れるのか、注意点についても紹介するので参考にしてください。

目次

    1.台風で車に被害があった場合、自動車保険で補償される?

    台風により車に被害があった場合、自動車保険で補償されるのでしょうか。ご自身の車に被害があった場合と、他人の車に損害を与えてしまった場合に分けて解説します。

    台風によりご自身の車に被害があった場合

    車両保険をセットしておくと、台風によってご自身の車に生じた以下のような損害について補償を受けられる場合があります。

    • 飛来物(はがれ落ちた屋根や壁、看板など)の衝突により、車体にキズが付く
    • 電柱や街路樹などの倒壊により、車体が「へこむ」または「つぶれる」
    • 土砂崩れの発生により、車体が「損傷する」または「埋まって故障する」
    • 停車中の車が強風によって横転し、キズが付く
    • 洪水や冠水、河川の氾濫により、車が「流される」または「水没して故障する」

    多くの自動車保険会社の車両保険では、「一般型」と「エコノミー型」の2種類が提供されており、「エコノミー型」は「一般型」に比べて補償範囲が狭いのが特徴です。

    「おとなの自動車保険」の車両保険の場合、「一般車両」という条件を選ぶと他社の自動車保険における「一般型」と同等の補償内容になり、「車対車+A」という条件を選ぶと、他社の自動車保険における「エコノミー型」と同等の補償内容となります。

    ご自身に過失の無い台風によるご自身の車への被害は、いずれのタイプの車両保険でも基本的にカバーされます。

    台風により他人の車に損害を与えてしまった場合

    台風による強風などで他人の車と衝突し、他人の車に損害を与えてしまう場合もあるでしょう。車両保険はご自身の車(契約車)の損害に対する補償なので、他人の車に損害を与えた場合はカバーされません。

    相手方の車の損害を補償する保険に対物賠償保険がありますが、対物賠償保険は法律上の損害賠償責任を負った場合を対象としています。台風などの自然災害が原因で人的なミスがない場合は、例え他人の車に損傷を与えても、「不可抗力」とされ、そもそもの法律上の損害賠償責任が発生しないため、対象外となります。

    2.そもそも車両保険とは?

    車両保険は、契約している車が事故により損害を被ったり、盗難にあった場合に保険金をお支払いする保険です。
    「おとなの自動車保険」では、車両保険をセットするかしないかを選べるだけでなく、セットする場合は車両保険の補償内容をご自身のニーズに合わせて細かく選ぶことができます。では、それぞれの補償内容をご紹介します。

    車同士の事故

    交差点などで、他の車(バイクや原付も含む)と衝突した場合などの補償です。

    • 相手自動車の登録番号や、所有者・運転者、その住所などが確認できることが必要です。当て逃げをされた場合は、相手の詳細が確認できないため、ここでいう「車同士の事故」には該当しません。「単独事故・当て逃げ」を補償範囲に含めることで補償されます。
    • 車を2台所有していて、その車同士が事故を起こされた場合のように、所有者が同じ車同士の事故は、補償されません。

    火災・落書き・台風

    • 火災・爆発
    • 落書き・いたずら
    • 台風・竜巻、洪水・高潮などの水災
    • 物の落下・飛来(雹(ひょう)や雪も含む)
    • 走行中の飛び石によるフロントガラスなどの損傷

    上記の自然災害などにより、車が被害にあった場合の補償です。

    • 水災による損害も補償されますが、後述する「自宅・車庫での水災」を外した場合、ご自宅の車庫など通常の保管場所での水災が補償の対象外となります。
    • 車体に傷をつけられたなどの落書き・いたずら被害も補償されますが、タイヤだけをパンクさせられた場合などは補償されません。(ただし、盗難を除く)

    自宅・車庫での水災

    自宅・車庫に駐車中に、洪水などで車が水没した場合の補償です。立体駐車場など、洪水や高潮、台風、集中豪雨などの自然災害による浸水被害の心配がない場合は、この補償を外すことで保険料を抑えることができます。

    • 「自宅・車庫での水災」の補償を外した場合、車を通常保管する場所や、それと同等と判断される場所での洪水や高潮 台風・集中豪雨などの自然災害による浸水・水没などの損害が補償されません。 ただし、旅行先やショッピングセンターの駐車場など、通常の保管場所以外に駐車している場合は、「火災・落書き・台風」を補償範囲に含めることで補償されます。

    盗難

    契約している車が盗難にあった場合の補償です。車の部品の盗難も補償されます。また、盗まれた車で事故を起こされるなど、盗難されている間に被った車体の損害も補償されます。セキュリティ対策が万全など、盗難被害の懸念が少ない場合は、この補償を外すことで保険料を抑えることができます。

    • カーナビなどの付属品は、車室内だけで使用することを目的として、ご契約の車に固定されている場合のみ、盗難補償の対象になります。
    • タイヤは、車に装着されている状態で盗まれた場合は、車両保険で補償されます。しかし車から取外している時に盗まれた場合には、補償されません。

    単独事故・当て逃げ

    相手がいない事故、または相手が不明の場合の車両損害に対する補償です。車庫入れ時に壁にこすった場合や、ガードレールに衝突した場合などのいわゆる単独事故(自損事故)、また当て逃げされた場合などの損害を補償します。

    • タイヤがパンクしたなど、タイヤだけの損害の場合は、補償の対象になりません。

    3.台風による洪水で、駐車中の車が水没してしまった場合は補償される?

    台風による洪水で駐車中の車が水没した場合に補償されるかどうかは、駐車していた場所によって異なります。

    「おとなの自動車保険」の車両保険では、契約中の車を通常保管している場所(ご自宅の車庫や月極駐車場など)に駐車していたときに被害にあった場合は、「自宅・車庫での水災」を補償範囲に含めることで補償されます。契約中の車を通常の保管場所以外に駐車していたときに被害にあった場合は、「火災・落書き・台風」を補償範囲に含めることで補償されます。

    4.台風の被害、車両保険でいくら受け取れる?

    車両保険をセットする際には、「免責金額」を設定することができます。免責金額とは、車に生じた損害のうち、自己負担となる金額です。例えば、車の修理額が25万円で、免責金額が10万円だった場合、車両保険からの補償は15万円、自己負担額は10万円となります。

    ただし、車両が物理的に修理不能、または修理費が保険金額を超える「全損」の場合は、免責金額を差し引かれることなく、車両保険金額の全額を受け取ることが可能です。

    免責金額を高く設定しておけば、車両保険を使用して車を修理した場合にご自身で負担する金額が増えますが、保険料を抑えることが可能です。設定を行う際には、免責金額を家計でカバーできるかどうかを考慮しましょう。なお、損害額が免責金額を下回る場合には保険金が支払われません。

    つづいて、「おとなの自動車保険」に加入している方が台風によって損害を受けたケースについて、車両保険でどのくらいの補償を受けられるのかみていきましょう。

    台風が原因で、運転中に何らかの物体と衝突した場合(免責金額5万円設定)

    まず、「台風が原因で、運転中に何らかの物体と衝突した事例」について考えてみます。

    例えば、車両保険金額を「50万円」、免責金額を「5万円」に設定していて、修理に「30万円」かかる場合、修理金額の30万円から自己負担額の5万円を差し引いた「25万円」が保険金として支払われます。

    台風によって車が全損した場合(免責金額なし設定)

    次に、「台風によって車が全損した事例」について考えてみます。

    台風で受けた損害額(修理代など)が保険金額(車両保険金額)を下回る場合、免責金額がゼロであれば、全額補償されます。ただし、被害額が保険金額を上回る場合、車両保険金額までしか補償されません。

    なお、「車両全損修理時特約」をつけていれば、修理費用が車両保険の保険金額以上となった場合でも、車両保険の保険金額に「50万円」を加えた額を限度として保険金が受け取れます。

    例えば、車両保険金額を「300万円」に設定した上で車両全損修理時特約をセットしたとします。万が一ご自身が事故を起こし、車の修理に「330万円」かかる場合、車両保険金額の300万円を超える「30万円」の部分も含め、「330万円」を保険金として受け取れます。

    上記内容はあくまでも例であり、損害状況によって実際に受け取れる金額は異なります。

    車両保険の使用で、等級が1つ下がる

    台風による被害で車両保険を使用すると、翌年のノンフリート等級が1つダウンし、「事故有係数」が1年加算されます。事故有係数とは、事故歴に応じて適用される割増引率のことで、この割増引率が適用される期間を「事故有係数適用期間」といいます。

    たとえば、現在9等級の方が台風の被害で車両保険を使用した場合、他に事故が無ければ翌年の等級は8等級の「事故有」の等級となります。

    自動車保険は同じ等級であっても、無事故の場合と事故有の場合で保険料が異なるため、その他の条件が同じ無事故の8等級の方と比べると、保険料は割高となります。

    5.台風時に運転する注意点

    台風が到来している状況下では、運転を避けることをおすすめします。しかし、子どもの送り迎えや仕事などでどうしても運転しなければならない場合もあるかもしれません。

    その場合は、国土交通省や各自治体の公式サイト上で公開されている「道路冠水注意箇所マップ」などを参考にして、「冠水している可能性が高い道路」を通らないようにしましょう。

    なお、車が浸水してしまったら、エンジンのウォーターハンマー現象や電気系統のショートによる出火・爆発の危険があるので、すぐに車から出て避難してください。

    水が引いても、ご自身でエンジンをかけてはいけません。JAFや自動車保険のロードサービスを利用するか、販売店、整備工場などに連絡して、プロに対応をお願いしましょう。

    6.まとめ

    台風によってご自身の車に被害があった場合は、車両保険で補償できる場合があります。例えば、飛来物の衝突により車体にキズがついたときや、強風によって車が横転して傷がついたときも対象です。

    ただし、車両保険はご自身の車に対する補償であるため、台風によってご自身の車が他人の車に損害を与えた場合などは対象外となるので注意しましょう。

    また、車両保険に加入していても、条件によっては補償の対象外となる場合もあります。車両保険の補償条件を「車対車(「おとなの自動車保険」での名称は「車との衝突のみ」)」にしていると台風による損害はカバーされません。

    補償範囲をある程度限定すると保険料が抑えられるというメリットがありますが、ご自身が必要だと思う補償内容と保険料とのバランスを考慮しながらご自身にぴったり合う補償選びをすることをおすすめします。

    「おとなの自動車保険」の詳しい補償内容についてはこちら

    新井 智美
    監修
    新井 智美(あらい ともみ)

    プロフィール:
    コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,000本を超える。

    資格情報:
    CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

    HP:https://marron-financial.com/

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