夏休みの家族のアクティビティといえばやはりキャンプ。しかし心配なのが昨今の猛暑。「できるだけ涼しい場所でファミキャンをしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は国内外500ヶ所以上を巡った経験を活かし、自らもキャンプ場を運営する達人・佐久間亮介さんに、夏のキャンプ場選びのコツと、涼しく過ごせるおすすめのファミリーキャンプ場6ヶ所所を紹介いただきます。
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- <プロフィール>
佐久間亮介さん -
脱サラ後、キャンプを仕事にするためにフリーランスになり日本全国400ヶ所以上のキャンプ場を巡る。キャンプ情報のブログ運営、ライター、モデル、キャンプコーディネーター、イベント企画・運営などを経て、群馬県・浅間高原に「-be-北軽井沢キャンプフィールド」をオープン。日本オートキャンプ協会公認インストラクターをする傍ら、インストラクター向け講習の講師も務める。著書に、キャンプにまつわる仕事をまとめた本「キャンプ職業案内」(三才ブックス)がある
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Instagram:https://www.instagram.com/sakupon.campl/
夏キャンプは「標高」「林間」「水辺」でキャンプ場を選ぼう
こんにちは! 佐久間亮介です。
今回は暑い夏でも楽しく、涼しくファミリーキャンプを楽しむためのポイントと、おすすめのキャンプ場を紹介します。
まずは、キャンプ場選びのポイントから。夏のキャンプ場選びのキーワードは「林間」「水辺」「標高」の3つです。
涼しい木陰をつくる「林間」のキャンプ場
木々に囲まれた林間のキャンプ場、もしくは林間にあるテントサイトは木陰が日差しを和らげ、涼しさを生んでくれます。
日差しはタープなどで遮ることもできますが、天然の木陰の心地よさは最高です。
火照った体を冷やす「水辺」のキャンプ場
遊泳OKの川や湖は、足を浸すだけでも火照った身体を冷やしてくれます。中には、小さな子どもでも遊びやすいプールがあるキャンプ場も。
気温が高い日に、冷たい水に触れる気持ちよさは格別ですし、川のせせらぎを聞いているだけでも涼を感じさせてくれます。
"天然のクーラー" で涼しい「標高」の高いキャンプ場
標高は100m上がるごとに、気温が約0.6度下がると言われています。つまり標高1,000mのキャンプ場であれば、平地と比べて約6度気温が低いという計算になるため、夏のキャンプを探す場合は標高も意識してみてください。
ただし、標高の高いエリアは都心から遠くなりがちですので、その点も考慮しましょう。
夏キャンプの暑さ対策グッズはどう選ぶ?
続いて、暑さを和らげるキャンプグッズ「タープ」「扇風機」「クーラーボックス」の選び方を紹介します。
タープ:夏キャンプで使うならコットン素材がおすすめ
夏キャンプに使うタープは「素材」に注目して選びましょう。
おすすめはコットン素材のもの(コットンと化学繊維の混紡素材も含む)。通気性や遮光性に優れており、日陰を濃くして直射日光の暑さを和らげてくれます。
一方、ポリエステル系など薄い生地のタープは日光の熱を通しやすいため、夏のキャンプでは注意が必要です。
扇風機:電源サイトを活用でもOK
近年、ポータブルタイプが充実しており、夏のお出かけに欠かせない存在となっている「扇風機」。キャンプに持っていくなら、ハンディタイプではなく卓上やテントの中に置いて使用できるものがおすすめです。
ただ、個人的にはキャンプ用に無理に新調しなくてもいいかなと思います。
夏のキャンプをできるだけ涼しく過ごすためにも、電源があるサイトを借りて、自宅の扇風機を持参するのも選択肢の一つ。
また、レンタル品として取り扱っているキャンプ場もあるので、気になる方はチェックしてみてください。
クーラーボックス:食材用と飲み物用で2つ用意して冷気を逃さない
夏のキャンプで気をつけたいのが、食中毒。また、冷たい飲み物で体を冷やすことも大切なので、クーラーボックスは、開け閉めが少ない「食材用」と頻繁に開け閉めする「飲み物用」の2つ用意しておくことをおすすめします。
また、電源サイトで使えるポータブル冷蔵庫もあるので、ぜひチェックしてみてください。
真夏でも涼しい!親子で楽しめる関東近郊キャンプ場6選
ここからは、都心から2〜3時間で行ける、夏でも涼しく、快適に過ごせるおすすめのキャンプ場を6つ紹介します。
※時期や混雑状況によってキャンプ場の情報が変更される場合があります。詳しい情報はキャンプ場のWebサイトをご確認ください。
1.大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ(茨城)

お湯が出る炊事場、きれいなトイレと設備が整っているほか、レンタル品が豊富でビギナーも安心して楽しめるキャンプ場です。
電源サイトも多く、夏でも電気を使って快適に過ごすことができます。
キャンプサイトに加えてコテージ(キャビンサイト)の種類も豊富。大人数で宿泊できるグループキャビンもあるので、おじいちゃんやおばあちゃんも一緒に3世代でアウトドアを楽しめます。

キャンプ場内に露天風呂付きの温泉があるので、夜は汗を流してさっぱりできるのもポイント。

大子広域公園内にあるプール「フォレスパ大子」は、屋内・屋外プールやスライダーもあって、子どもたちが1日中遊べます。

施設が充実しているので、日中はプールで遊び、涼しくなってからキャンプを始めるのがちょうどいいかもしれません。
キャンプ場から車で約15分のところにある景勝地の「袋田の滝」は、日本三名瀑のひとつ。涼を感じに足を伸ばしてみるのもおすすめです。
【キャンプ場詳細】
WEB | https://www.greenvila.jp/ |
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TEL | 0295-79-0031 |
住所 | 茨城県久慈郡大子町矢田15-1 |
都心から車での所要時間 | 約2時間30分〜 |
予約方法 | Webでの予約可 |
チェックイン時間 | 13:00〜18:00(キャビンサイトは15:00~)/アーリーチェックイン(※別料金)は9:00~、11:30~で、繁忙期や混雑状況により時間に変更あり |
チェックアウト時間 | テントサイト 8:00〜11:00(キャビンサイトは8:00~10:00) |
施設概要 | フリーサイト・個別サイト・キャビンサイト・キャンピングカーサイト・トレーラーハウス |
料金例 | フリーサイト 4,200円(冬期:3,200円 ) |
入浴施設 | シャワー設備、温泉施設あり |
2.ナラ入沢渓流釣りキャンプ場(栃木)

場内を流れる清流が美しく、空気も澄みわたる気持ちのいいキャンプ場です。標高約740mの森林の中にあり、日陰に入ればとても涼しく過ごせます。

ここでの一番のおすすめは、渓流釣り。

レンタルの釣竿があるので、手ぶらでもOK。釣ったニジマスやイワナを炭火で塩焼きにしていただく体験は格別です。

場内のレストランでは手打ちの蕎麦をはじめ、山菜やきのこ汁、鹿肉料理などここでしか味わえない山の幸もぜひご堪能あれ。
【キャンプ場詳細】
WEB | https://www.narairisawa.jp/ |
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TEL | 0288-79-0714 |
住所 | 栃木県日光市上三依109-1 |
都心から車での所要時間 | 約2時間40分~ |
予約方法 | Webでの予約可 |
チェックイン時間 | 13:00〜17:00 |
チェックアウト時間 | 11:00 |
施設概要 | オートキャンプサイト・テントサイト・バンガロー |
料金例 | オートキャンプサイト 5,500円 |
入浴施設 | なし。近隣(車で15分程度)に温泉施設あり |
3.オートキャンプin勝浦まんぼう(千葉)

水遊びができる勝浦の浜辺まで歩いて行ける、林に囲まれたキャンプ場。
木陰の下で涼しく過ごせるうえ、場内はいい意味でとてもコンパクト。小さいお子さんが迷子になりにくく、安心して過ごせます。
都心から近いためあまり涼しいイメージがないかもしれませんが、実は勝浦沿岸は水深が深く海水の温度が低いことから、気温が上がりづらいと言われています。
そのため、猛暑日でも最高気温が35℃を超えることがほとんどありません。
「夏で海沿いなのに涼しい」というちょっと不思議な感覚を味わえるキャンプ場です。

提携施設でシーカヤックやSUP(サップ)など本格的なアクティビティも楽しめます。
カヤックから海を覗けば、魚が泳ぐ姿を見ることも。近くの漁港周辺では海釣りもできます。
周辺には海中展望室のある「かつうら海中公園」のほか、勝浦市内まで足を伸ばせば、新鮮な海産物や農作物が並ぶ勝浦朝市も楽しめますよ。
【キャンプ場詳細】
WEB | http://www.manbow-camp.jp/index.html |
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TEL | 0470-73-9573 |
住所 | 千葉県勝浦市松部1910 |
都心から車での所要時間 | 約1時間40分~ |
予約方法 | Webでの予約可 |
チェックイン時間 | 13:00〜16:00 |
チェックアウト時間 | 7:00〜11:00(バンガローは7:00~10:00) |
施設概要 | テントサイト・バンガロー |
料金例 | 電源なしテントサイト 5,500円〜 |
入浴施設 | シャワー設備、入浴施設あり |
4.青野原野呂ロッジキャンプ場(神奈川)

都心から車で約1時間30分ほどとアクセス抜群。青くて美しい道志川沿いにテントが張れる、ロケーション最高なキャンプ場です。

その景観のよさから、メディアの撮影にもよく利用されています。
そして、もう一つの特徴はワンちゃんの同伴OKなこと。家族の一員であるワンちゃんと一緒にお出かけしたい方にぴったりです。

キャンプ場周辺には、絶景スポットの「牧野大滝」があり、森林浴をしながらの散策もおすすめ。
アクセスがよく、デイキャンプも可能なので、日帰りでさくっとアウトドアを楽しむといった使い方もありです。
【キャンプ場詳細】
WEB | https://norolodge.com/ |
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TEL | 090-4825-5111 |
住所 | 神奈川県相模原市緑区青野原931-1 |
都心から車での所要時間 | 約1時間20分~ |
予約方法 | 電話での予約、一部の枠はWebで予約可能(予約状況の確認はこちら) |
チェックイン時間 | 13:00〜16:00(夏期は14:00〜16:00) |
チェックアウト時間 | 11:00(バンガローは10:00) |
施設概要 | テントサイト・バンガロー・トレーラーハウス |
料金例 | テントサイト 4,500円〜 |
入浴施設 | シャワー設備あり |
5.ケニーズ・ファミリービレッジ(埼玉)

埼玉県飯能市にあり都心からのアクセスがよく、子どもたちがたっぷりと遊べる環境が整った、まさにファミリーのためのキャンプ場です。

目の前を流れる名栗川は水深が浅く、流れがゆるやかなので小さなお子さんでも安心して川遊びができます。
マスの掴み取り体験(ゴールデンウィークと水温が高く釣りができない8月限定)や、水生生物を探すイベントなど、子どもたちが自然に触れ合い遊べる企画も豊富です。

オートキャンプインストラクターが多数在籍しているので、何か困ったことがあれば、すぐに相談できるのもキャンプやアウトドア初心者には安心です。
また、古民家を改装したカフェ・レストラン「古民家ひらぬま」のジェラートは絶品。たっぷり遊んだあとに、ご賞味あれ。

【キャンプ場詳細】
WEB | https://www.kfv.co.jp/ |
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TEL | 042-979-0300 |
住所 | 埼玉県飯能市上名栗3196 |
都心から車での所要時間 | 約1時間40分~ |
予約方法 | Webで予約可 |
チェックイン時間 | テントサイト 11:30~15:00(サイトによって異なる) |
チェックアウト時間 | 8:45~10:30(日帰りは17:30) |
施設概要 | テントサイト・河原サイト・柵付ドッグフリーサイト・常設テントサイト・ログハウス・屋根付きバーベキューサイト |
料金例 | 一般サイトミニ 2,200円〜 |
入浴施設 | シャワー設備あり |
6.ウエストリバーオートキャンプ場(山梨)

場内中央に川(御庵沢川)が流れる、珍しいロケーションのキャンプ場です。標高約600mに位置し、平地よりも幾分か涼しく感じられます。
キャンプサイトは、通常のテントサイトに加えて、小さいお子さん向けの遊具やアウトドア用ソファが常設されたキャンプサイト(コンセプトサイト)、愛犬と過ごせるドッグランサイト(ドッグフリーサイト)など、多種多彩。


キャンプサイトのすぐ近くに川が流れているので、気軽に釣りや水遊びができます。

釣り初心者やお子さまでも気軽に楽しめる「エサ釣りエリア」では、釣り竿のレンタルが可能です。
経験者向けには「フライ&ルアーフィッシングエリア」も。自身の釣具を持参して、本格的な釣りが楽しめます。

日中たっぷり遊んだ後は、場内にある露天風呂でリフレッシュ。
コインランドリーが完備されているため、夏休みの連泊キャンプにもおすすめです。
【キャンプ場詳細】
WEB | https://westriver-camp.com/ |
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TEL | 055-285-6611 |
住所 | 山梨県南アルプス市須沢131 |
都心から車での所要時間 | 約2時間10分~ |
予約方法 | Webのみで予約可 |
チェックイン時間 | 14:00~16:00 |
チェックアウト時間 | 8:00~11:00 |
施設概要 | キャンプ(テント)サイト・コンセプトサイト・コテージ・バンガロー・ロッジ・ドッグフリーサイト・ドッグガーデンバンガロー |
料金例 | テントサイト電源なし 5,700円〜 |
入浴施設 | シャワー設備、入浴施設あり |
家族の安全が第一! 無理せず夏のファミキャンを楽しもう
ここまで涼しく過ごせるキャンプ場の情報をお届けしましたが、いくら涼しく快適なキャンプ場でも、屋外での活動にリスクはつきもの。安全第一で以下の点に注意しましょう
・無理はしない:暑いと感じたら、こまめに休憩と水分補給を。熱中症の疑いがある場合は、管理者に相談しましょう
・子どもの体調管理:細心の注意を払い、帽子や着替えは必ず持っていきましょう。日焼け止めも忘れず、こまめに塗り直しましょう
・虫対策は万全に:蚊やアブ、ブヨなどに刺されると厄介です。虫除けスプレーや蚊取り線香などを活用しつつ、肌を露出し過ぎないように注意しましょう
・設営は涼しい時間帯に:キャンプをするなかで最も汗をかき、体力を使うのが設営。もし可能であれば、できるだけ涼しい時間帯に設営するためにアーリーチェックインを活用したり、逆に夕方から設営を始めたりするのも有効です。日中の最も暑い時間帯(正午〜15時頃)の作業はなるべく避けましょう
・ゲリラ豪雨に備える:夏はゲリラ豪雨や夕立も多い季節。晴れ予報でも、雨が降るものだと思って雨対策(傘、かっぱ、着替え、長靴など)を万全にして備えましょう
近年の猛暑やゲリラ豪雨を考えると、夏はキャンプに最適なシーズンとは言いづらくなってきました。
しかし、やっぱり夏だからこそできる体験もたくさんあります。
仕事で忙しい大人たち、塾や習い事で忙しい子どもたちも、大自然の中に身を置いて、非日常的な空間で思い出を作ってみませんか?
編集:はてな編集部
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