HOW TO EV VOICEでは、『おとなの自動車保険』会員を中心に多くのマイカー所有者の声を集めるための口コミアンケートを定期的に実施しています。
第1回のアンケートは2024年6月の終わりから7月にかけて実施しました。EVオーナーだけでなく、様々な車種のオーナーにもEVカーライフについてどのように思っているか、このアンケートをもとに、EVカーライフの先輩の声を紹介していきます。
さて、初回のテーマはEVオーナーたちの実態を探る旅。いったいEVオーナーたちはどんなひとたちなのでしょう。
「EV買ってみて良かったですか？ 後悔していませんか？」
まず、EVの購入理由を見てみましょう。もっとも多かったのが、同率1位で60％の人が挙げた｢ランニングコストが安いから｣と｢補助金や通行規制除外、駐車料金補助などの優遇策が受けられるから｣という理由です。
また、次に多かった｢静粛性が高いから｣という理由は55％の人が挙げています。その理由を受けて、購入したあとのEVへの満足度を見てみると、期待を裏切っていないのがよくわかります。
EV所有者たちは「非常に満足｣しているオーナーが52%で、｢満足｣しているオーナーは41％と、93％のオーナーが満足しているという結果になりました。理由を見てみると多いのが｢オイル交換をしなくて良い｣、｢電費が良い｣など｢ランニングコストが安い」というものでした。その他のコストでは「初期費用が安い｣、｢補助金、優遇された自動車税及び重量税｣で、購入時点で国や自治体のEV優遇政策の恩恵を受けているオーナーが多く、ふたつともまさに購入理由そのもの。
購入後も期待通り「ランニングコストが安かった」という声は今後EV購入を検討する人にとても参考になりそうです。
満足度で次に目立ったコメントは｢静粛性と加速性能含めた走行性能が高い｣、｢パワーがあるので加速がスムーズ｣、｢運転が楽しい｣、｢走り心地が良い｣というものです。これも上位に入っている購入理由なので、購入後その理由のままに満足している様子がわかります。このコメントに代表されるように、EVオーナーはクルマの走行性能にも関心があり、購入後の満足度が高いことがわかりました。
「EVは毎日乗ってこそメリットを感じることができる」
今回のアンケートのEVオーナーは54%が｢ほぼ毎日｣乗っており､｢週に3〜5日｣の19％を加えると73％の人が日常的にEVに乗っていることになります。そのような高頻度の使い方でも基本性能に満足し、ネガティブなコメントがないことからも現在のEVの完成度が高いことがよくわかります。なかには｢2013年3月から使用しているが飽きない｣、｢電気自動車は4台目で、その都度性能が上っています｣というようなパワーオーナーからのコメントもあり、EVは、乗り比べる楽しみもあることがわかります。
また、77％の人が自宅で充電し、自宅外では39%の人がショッピングモールの急速充電器を、32%の人が普通充電器を利用していることから、自宅で充電し、EVで外出、買い物は充電器があるショッピングモールで、というように外出先でもEVの充電を意識した生活をしている様子がうかがえます。
一方｢走行距離が短い｣､｢もう少し航続距離が長いと非常に満足｣､｢電池容量が少ないため走行可能距離が短い｣という一般的にEVに寄せられる“走行可能距離問題”についてのコメントをした人もいました。だからこそ遠出の旅行の際、充電回数が増えることになり、それゆえ｢充電場所が少ない｣、｢充電に時間がかかる｣という意見もありました。
EV充電インフラ設置会社の最大手e-Mobility Power社によるとCHAdeMO（チャデモ）急速充電器設置数は、日本全国で9,067口（2024年6月末）。e-Mobility Power社は全体の9割強のシェアを占めているので、総数としては1万口程度だと思われます。資源エネルギー庁が発表しているガソリンスタンドの数は全国で27,414か所（2024年3月末）なので、単純には比較できませんが、現在走っているEVの数に対する利用できるステーション数はガソリン車数に対するガソリンスタンド数よりも圧倒的に多いです。しかし、航続距離に対するカバレッジという意味でまだ不安面が勝る部分があるのかもしれません。
「太陽光で発電するクリーンな電気で走りたい！」
一方、購入理由の3位に入ったのが｢環境に優しいクルマだから｣というもので、約半数の51％の人が回答しています。EVオーナーの36%がソーラーパネルで太陽光発電をする戸建て住宅に居住していることからも環境への関心が高いことがうかがえます。
満足度が高い理由としても｢太陽光で充電できる｣や｢エコ｣、｢環境に配慮しているクルマ｣、｢排ガスを出さない｣、｢環境に優しいクルマで、トレンドにあっている｣などの理由もが多く挙げられました。
以上まとめると、見えてくるEVオーナー像は、ランニングコストへの意識が高く、環境に関心があるクルマ好きのオーナーと言えるのではないでしょうか。82％のEVオーナーは次もEVを購入したいという回答もあることから、オーナーたちがEVのある生活に満足して多いに楽しんでいる姿も見えてきます。
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【アンケート調査概要】
アンケート内容：お車に関するアンケート
調査対象：おとなの自動車保険契約者
総回答者数：2,860人
実施期間：2024年6月24日～2024年6月28日
分析と声の紹介：田代真人さん
分析と声の紹介をナビゲートしてくれるのは田代真人さん。
福岡県出身。九州大学工学部卒業後、朝日新聞社入社。
その後、学習研究社にてファッション女性誌編集者、ダイヤモンド社にてWebマスター、雑誌編集長、書籍編集などを経て、起業。
出版&電子出版、Webプロデューサー、PRコンサルタントとして活動。現在は、桜美林大学非常勤講師など複数の大学で「コミュニケーション」「編集論」を教えている。そしてはじめてのEVとしてテスラ「モデルY」を2022年に購入し、EVカーライフを体験中。
